犬や猫といえば、世界中でペットとして多くの人に愛される存在だ。犬好きや猫好きにとっては、一目惚れしたら飼うために大金を惜しまない人も多いだろう。では、世界にはどんな「高級」な犬や猫がいるのだろうか。
そんな疑問に答える調査を、ニューヨークを拠点にするメディア「24/7 Wall St」が行なっている。この記事では、掲載されている高級な犬や猫たちを、愛らしい姿とともに紹介する。なお、平均価格は調査ソースにおける各品種の最高値と最低値の平均値を採用している。
まずは「高級な犬たち」から紹介していこう。
- チャウ・チャウ / Chow Chow
平均価格:3,950ドル
中国では2000年以上前から飼育されている土着犬。チャイニーズ・エディブル・ドッグ、ヘイ・シー・トゥーなどとも呼ばれる。1880年頃、ロンドン動物園に展示され、当時のビクトリア女王の関心を引き家庭犬としての改良が本格化した。冷静で警戒心が強く、マイペースな性格として知られている。
- アイリッシュ・ウルフハウンド / Irish Wolfhound
平均価格:4,150ドル
アイルランド原産で、全犬種中最大の体高を誇る犬種。平均体高(肩高)は85cm〜90cmで、100cmを超えることもある。世界一大きなアイリッシュ・ウルフハウンドは体重80kg以上、2本足で立った時の身長は2mにも及ぶという。大きな体の一方で、気性は穏やか。アイリッシュ・ハウンドまたはウルフハウンドとも呼ばれる。
- ドーベルマン / Doberman Pinscher
平均価格:4,950ドル
19世紀末にドイツで警備犬として交配された犬種。体毛は非常に短く、体は細身かつ筋肉質なため敏捷性、走力に優れている。その優美で筋肉質な外見から「犬のサラブレッド」とも呼ばれている。警備犬としての難しい訓練にも耐えられる、非常に頭の良い犬で、飼い主に対する強い忠誠心と忍耐力を持つ。
- ゴールデン・レトリバー / Golden Retriever
平均価格:5,000ドル
イギリス原産の大型犬で、水鳥猟でハンターが撃ち落とした獲物を陸地に持ち返る役割を担う猟犬としてもよく知られている。性格は、賢さと忠誠心を兼ね備え、穏和である。羽毛のように柔らかく短いアンダーコートと、弾力性のある長いトップコートの二種類の毛がある、ダブルコートである。毛色は明るいクリーム色から暗い赤金色まで多彩。
- チベタン・マスティフ / Tibetan Mastiff
平均価格:5,300ドル
古くからチベット高原の牧畜民が牧羊犬や番犬として飼育されてきた超大型犬。2010年頃から、主に富裕層の間で人気化し中国での価格が急高騰した。2014年には史上最高額の200万ドルまで暴騰して世界一高価な犬と呼ばれたが、価格の暴落が起きた。中国ではチベタン・マスティフが飼い主に危害を加えるなどの問題も起き、ペットとしての飼育は容易ではない。
- ラブラドール・レトリバー / Labrador Retriever
平均価格:5,350ドル
元々はレトリーバー(獲物を回収する狩猟犬)であったが、現在は家庭犬として人気があり、介助補助犬、麻薬探知犬、災害救助犬などとしても活躍している。アメリカでは長年にわたり登録頭数のベスト3に入っており、世界で最も飼育頭数の多い純血種でもある。性格は穏やかで順応力が高く、場所や状況をよく観察し判断できる知的レベルの高さが特徴。
- ロットワイラー / Rottweiler
平均価格:5,750ドル
ドイツのロットヴァイル地方原産の牧牛用・警備用の犬種。現金袋をロットワイラーの首輪に提げ、主人以外が袋を取ろうとすると噛まれて撃退されることから「生きた金庫」として重宝され、世界的な不況が起こった際には銀行から引き出した全財産をロットワイラーに託す家族まで現れるほどだったという。性格は落ち着いて従順であり、忠誠心が非常に強い。
- ウェルシュ・コーギー・ペンブローク / Pembroke Welsh Corgi
平均価格:5,750ドル
イギリスのウェールズが原産の、牧畜犬として活躍した犬種。ジョージ6世の頃からイギリス王室で飼われており、現在もエリザベス女王が飼っている。似た犬種に、ウェルシュ・コーギー・カーディガンがおり、1930年代イギリスやアメリカで、別々の犬種として初めて登録された。性格は活発で運動を好み、知性も高いが、警戒心が強いことでも知られている。
- ボクサー / Boxer
平均価格:5,800ドル
ドイツ原産の中型犬。1900年頃にアメリカにわたり、繁殖された犬がアメリカンケネルクラブに登録された。第二次世界大戦時のアメリカでは軍用犬とされ、終戦後は軍人のペットとして人気を博した。日本では、第二次世界大戦後にアメリカ軍が帯同していたことで知名度が高まり、警察犬としても採用されることとなった。
- キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル / Cavalier King Charles Spaniel
平均価格:6,050ドル
イギリス産の小型犬の一種。「キャバリア」とは、騎士という意味であり、「キングチャールズ」とは、イングランド王チャールズ1世・チャールズ2世がこの犬を溺愛したことに由来する。日本ではキャバリア、またはキャバと略されて呼ばれている。性格は活発でありながら大変穏やかで友好的。
- ジャーマン・シェパード・ドッグ / German Shepherd
平均価格:6,150ドル
名前は「ドイツの牧羊犬」という意味で、日本ではシェパードと呼ばれている。知的で忠誠心と服従心に富み、訓練を好む性格から、災害救助犬・軍用犬・警察犬・麻薬探知犬など特殊訓練を必要とする作業犬として活躍している。ジョン・F・ケネディやフランクリン・D・ルーズベルトの愛犬としても知られている。
- ヨークシャー・テリア / Yorkshire Terriers
平均価格:6,700ドル
イギリスのヨークシャー地方原産の小型の愛玩犬で、しばしばヨーキーと呼ばれる。ジャパンケネルクラブが公認する犬種の中ではチワワに次ぐ小型な犬種で、成長しても2~3kg程度にしかならない場合が多い。幼い頃の体毛はブラック・タンで、成長するにつれスチールブルーやゴールド、シルバーなど毛色が変化すること、絹のような美しい毛質から「動く宝石」とも呼ばれる。
- ナポリタン・マスティフ / Neapolitan Mastiff
平均価格:7,100ドル
イタリア原産の大型の闘犬用の犬種として有名だったが、闘犬が禁止されてからは、番犬や警察犬、ペットなどとして愛されている。古い歴史を持つ犬種で、アレクサンドロス大王の愛犬としても知られている。また、多産な犬種で、2005年にイギリスでナポリタン・マスティフが24匹の子犬を出産したことで、ギネス記録の世界一多産な犬の記録を塗り替えた。
- イングリッシュ・ブルドッグ / English Bulldog
平均価格:7,250ドル
13世紀頃の英国で、牛が犬によって痛めつけられる姿を鑑賞する「ブル(牛)・ベインディング(咬み付く)」という見世物が存在し、この時に使用された犬がブルドッグの祖先と考えられている。ブル・ベインディングが禁止され一時は絶滅の危機に瀕するも、闘争心や攻撃性を抜き去るなどの改良が愛好家によって進められ、現在のユーモラスな姿に変わり、人気を博した。
- フレンチ・ブルドッグ/ French Bulldog
平均価格:7,650ドル
諸説あるが、19世紀後半にイングリッシュ・ブルドッグがフランスに持ち込まれ、交配が繰り返された結果、誕生したという説が広く知られている。また、マスチフ系の闘犬を起源に求める声もある。特徴的な大きな立ち耳は「バット(コウモリ)・イヤー(耳)」と呼ばれている。性格は落ち着いており、無駄吠えも少なく運動量も少ないなど、都市部での飼育に向いているとして人気が高い。
https://newsphere.jp/list/most_expensive_dog_cat_breeds/1/