The Society of Alternative Medicine from 1987/代替医療学会

Structured Micronutrient:US PAT/TH FDA(Med), JP FDA(Food)

「プリン体0・糖質0」の発泡酒

2015-07-31 23:18:51 | 健康

猛暑が続いておりますが、ひと仕事終えてからのビールは格別なものです。しかし、健康診断で尿酸値や血糖値が高いと指摘され、ビールを控えている人も多いかもしれません。

 

 そのような人の味方として現れた「プリン体0・糖質0」の発泡酒が昨今、売れ行きを伸ばしています。しかし、実はこういった機能性飲料には注意が必要です。

 そもそもプリン体や糖質は「うまみ成分」といわれるものです。ビールには原材料の使用基準が厳密に定められていますが、発泡酒などにはその規制がなく、あらゆる食品添加物が使用できるのです。したがって味を調えるために香料、酸味料、苦味料などとともにカラメル色素や甘味料まで使われています。カラメル色素はコーラなどにも使われている着色料ですが、発がん性物質が含まれているといわれ、問題になっている食品添加物です。さらに甘味料にはアセスルファムKが使われていますが、これは完全な化学合成物質で、体内で分解もされず代謝もされません。そのため体中をぐるぐる廻り、最後は肝臓や腎臓に蓄積されて免疫力の低下をもたらします。

 また、プリン体0・糖質0というある種の安心感がもたらすのか、このような機能性飲料を飲む人たちは、飲みすぎ食べすぎの傾向があるようです。しかも、肉や魚などのプリン体をたっぷり含んだ動物性たんぱく質を一緒に食べていたりすると、ダブルパンチ、トリプルパンチともなりかねません。また、一部の発泡酒には加工デンプンというものが使われているのですが、これも発がん性物質を含む可能性があるといわれています。

  ほかにも酵母エキスが使われているものもあり、これは食品添加物に指定されていないため無制限に使われているのです。酵母エキスは、遺伝子組み換えによってつくられた酵母を原材料にします。それにサトウキビ粕とアンモニア化合物を餌として与え、酵母の体内にアミノ酸などを合成させるのです。そこにビールの製造過程で出る廃液の酵母を薬品で殺したものを加え、酵素や酸などで加水分解したものです。

 そして、ここにも重大な問題があります。この製造工程で出る不純物が、イースト症候群(イーストコネクション、または慢性カンジダ過敏症)というアレルギー症状を起こす原因物質になってしまうのです。イースト症候群になると、腸内菌叢の乱れによるビタミンB群の減少で皮膚や粘膜が荒れたり、かゆみが出たりします。また、慢性の下痢が続き、イライラしたり怒りっぽくなるともいわれています。記憶力・集中力の低下なども招き、疲れやすく、慢性的なだるさが続くともいわれています。
http://biz-journal.jp/2015/07/post_10924.html


血液型と性格

2015-07-31 23:11:20 | 健康

血液型による性格診断は日本人が大好きな話題のひとつといえます。飲み会などで、「血液型は何型?」などと質問するのも定番の会話です。朝の情報番組では血液型占いが人気を集め、雑誌やウェブサイトなどでも必ずといっていいほど血液型に関するコーナーが見受けられます。

 

 おおまかには、真面目で融通が利かないA型、気分屋なB型、おおらかで騙されやすいO型、マイペースで二重人格なAB型などと性格を分類することが多いようです。それを基にして、「A型の男性とO型の女性は相性がいい」「B型同士は相性が悪い」という具合に相性診断する記事も古くから現在に至るまでよく見かけます。特に女性は、そのような話題を好きな人が多いようです。

 一方、医者や科学者の中には、「血液型による性格診断は科学的根拠がなく迷信だ」という否定的な見解が大勢を占めています。血液型は性格形成に影響を及ぼさないとする説明は、確かに論理的で一定の説得力があります。

 しかし、科学的根拠の有無はさておき、これだけ日本人の中で血液型による性格診断が市民権を得ているのは、当てはまると感じることが多いからではないでしょうか。実際、複数のアンケート調査で、6割以上の人が「血液型性格診断は当たっていると思う」と回答しています。

 多くの心理学者は、その要因をインプリンティング(刷り込み)だと説明します。つまり、「A型は真面目な性格」「O型はおおらかな性格」と広まることで、「自分はA型だから真面目」と無意識に思い込み、実際に真面目になっていくというものです。「日本人は真面目」などと国民性を語るのと似ています。成長する過程で、親や先生から「○○ちゃんは勉強ができる」と頻繁にいわれていると、成績がぐんぐん伸びるのも同様の効果です。

 確かに、血液型でたった4つに性格が分類するのは短絡的すぎで、お遊び感覚でしかないように見えます。とはいえ、血液型がまったく性格形成に影響を及ぼさないというのも暴論のように思えます。

 例えば、否定派の意見を見てみると、輸血の際にABO式やRH式によって分類する以外に血液型は意味をなさず、まるで血液型を決定付ける「血液型物質」が血液の中だけにしか存在しないように取り扱っています。しかし、実際には血液型物質は髪の毛から爪に至るまで、体中の細胞に行き渡っています。そのため、刑事事件などが発生した際、警察の鑑識によって髪の毛や体液などから犯人の血液型が割り出すことが可能なのです。

 つまり、血液型物質は単に血液の中を流れるだけではなく、体形成そのものにかかわっているのです。

東京医科歯科大学医学部名誉教授で人間総合科学大学教授の藤田紘一郎氏は、著書の『血液型の科学』(祥伝社)の中で、「血液型と性格は医学的に関係がある」と述べています。その理由として、次のように説明しています。

(1)血液型によって免疫力が異なる
(2)血液型ごとにかかりやすい病気とかかりにくい病気がある
(3)その結果、仕事の役割や生活スタイルが形づくられた

 例えば、A型は免疫力が弱く、病気にかかりやすいため、人間関係に用心深くなったというものです。また、A型のルーツは農耕民族であったと考えられ、計画的に穀物を育てる生活スタイルが几帳面な性格を形成したとしています。

 逆に、免疫力が最も強いO型は開放的でチャレンジ精神が旺盛な性格になったと考えられるといいます。また、B型も免疫力が強いためO型と似ているが、肺炎やサルモネラ菌に弱く、大勢の人の中には入らないようになり、独特な性格が形づくられ、AB型はA型以上に免疫力が弱く、人と会うことを避けるように暮らしたため、疑い深く内向的になったのではないかと推測しています。

 多少強引な感じは受けますが、血液型による性格診断に医学的根拠を与えた貴重な研究です。

 そもそも血液型と性格を結びつけたのは1927年、東京女子高等師範学校(現お茶の水女子大学)教授、古川竹二氏が自身の研究成果として『血液型による気質の研究』を発表したことが始まりといわれています。

 この研究は、その後の日本軍の組織にも大きな影響を与えたといわれ、血液型は性格形成に強く関連するということは日本全体に広まりました。その後も恋人との相性占いや仕事の向き不向きを診断するなど、多方面にわたって日本人の生活に浸透し、現在に至っています。

 性格は、家庭環境や家族構成、友人関係、健康状態など複数の要因が絡み合って形成されるため、単純に4つに分類できないというのは当然ですが、根本的に備わっている資質という点で、血液型が多少なりとも影響している可能性は否定できないのかもしれません。
http://biz-journal.jp/2015/07/post_10803_1.html


冷めたご飯

2015-07-31 22:39:48 | 糖尿病

メタボを解消したいと思っても、食事制限や手間がかかる方法は長続きしませんよね。

そこでおすすめしたいのが“アイスごはん”。実は、温かいごはんではなく、冷めたごはんを食べることでダイエット効果が大幅にUPするんです。



■アイスごはんって何?

アイスごはん=冷えているごはん。ごはんが冷めると、一部のデンプンが“レジスタントスターチ”という成分に変化します。

このレジスタントスターチは、整腸作用やダイエット効果が高いとして注目されている成分。温かいごはんではなく、冷たいごはんを食べることで、若々しくスリムな身体を実現することができるんです。



■アイスごはんのダイエット効果

美容コンサルタントの平松由貴氏によると、アイスごはんにはこんなにうれしいダイエット効果が期待できるのだそうです。

(1)カロリーダウン

ごはんの主成分であるデンプンは1gあたり4kcal。これが冷めてレジスタントスターチに変化すると1gあたり2kcalにカロリーダウン。同じ茶碗1膳のごはんでも、アイスごはんにするだけで簡単にカロリーを抑えることができるんです。

(2)脂肪代謝がUP

アイスごはんのデンプンは大腸までたどり着くと、腸内細菌に食べられ、発酵します。そのときに作られる酸には脂肪代謝を改善するはたらきがあります。アイスごはんを食べるだけで自然と脂肪を排出しやすい体質をつくることができるんです。

(3)満足感もUP

温かいごはんをアイスごはんにすると、温かいものよりもGI値が下がります。GI値の低いいわゆる“低GI食材”は、血糖値の急上昇を抑え、満腹感を長持ちさせてくれます。

さらに、低GI食材を食べると、その後にとった食事でも血糖値の急上昇を抑える“セカンドミール効果”が期待できます。たとえば、朝にアイスごはんを食べると、ランチでの腹持ちもよくしてくれるということ。効果が長持ちするのが嬉しいですね。

(4)体脂肪をつきにくくする

アイスごはんには、脂肪を脂肪細胞に取り込むはたらきを促進するインスリンの分泌量を抑えるはたらきもあります。アイスごはんを食べることで、脂肪を溜め込みにくい体質をつくることができるんです。

(5)腸内環境を整える

アイスごはんは食物繊維と同じはたらきもしてくれるので、便秘の改善や腸の活性化にも効果的。また、栄養素が効率よく吸収できるようになるため、老化防止効果も期待できます。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150731-00064991-nkcareism-life


カルテ開示義務

2015-07-25 20:35:10 | 日本医師会

患者の権利確保の実情を把握しようと厚生労働省の検討会が昨年12月~今年1月にかけて、過去半年以内に入院や通院の経験がある男女5000人に「医療機関のカルテ開示義務」を知っているかどうか聞いた結果、4割超が「知らない」と答えたことが20日、分かった。実際に開示を求めたことがあるとした人は1割に満たなかった。

 厚労省が患者の求めに応じた開示義務を医療現場向けの指針に盛り込んでから10年以上たつが、患者が自らの症状や治療方針、経過を理解するための制度が十分に周知されていない現状が浮き彫りになった。

 調査は、患者への差別や偏見が相次いだハンセン病問題の再発防止に関する厚労省の検討会が実施。患者の権利を守る取り組みの実態把握に向け、さまざまな疾患で入院や通院をした20代以上の男女5000人を対象にインターネット上で質問し、全員から回答を得た。

 カルテ開示義務を「知っている」としたのは57・8%で、「知らない」は42・2%。自身の診療内容の開示を求めたことがあるのは6・2%にとどまった。開示を求めたことがある患者は、81・8%が「カルテが役に立った」としている。

 カルテ開示は、患者と医師との信頼に基づく「安心・安全な医療」の実現に有効との指摘もあり、検討会の座長を務める多田羅浩三・大阪大名誉教授(公衆衛生)は「医療従事者よりも立場が弱い患者の権利を守るためにも、国は開示義務が国民に十分認識されるよう普及、啓発に努める必要がある」としている。

 医療事故の遺族で「患者の視点で医療安全を考える連絡協議会」代表の永井裕之さん(74)は「カルテは自分たちのものと思っている医療関係者がまだ多いのではないか。カルテを見ることで患者は自分の病状をより理解できる。開示義務があることを医療機関が患者に知らせ、国は医療関係者を教育する必要がある」と話した。

 こうしたなか、積極的に開示請求を促す医療機関もある。

 「医療従事者と患者さまとのより良い信頼関係を築くために、カルテ開示(請求)をお勧めしています」。京都市の「京都民医連中央病院」は病床数400超の総合病院。2007年11月から、院内に患者や家族向けの張り紙を掲示している。

 特に小児科では、病状をより理解してもらうため入院患者のカルテを毎日家族に手渡しており、松原為人副院長は「治療方針や疾患に対する患者の考えも知ることができる。医療従事者にとっても開示は有益だ」と、その意義を強調する。

 とはいえ、厚労省の調査結果からは、京都民医連中央病院のように積極的な医療機関は珍しいといえる。「医療情報の公開・開示を求める市民の会」の勝村久司さん(54)は「古くから医療界にあった、患者は医者の言う通りにしていればいいという風潮が今も一部に残っているのではないか」と指摘。患者の請求の有無にかかわらず医療機関側が開示するよう訴える。


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150725-00000518-san-hlth



牛乳、米の有害説にはJAから反論

2015-07-23 13:53:58 | 健康

タレントの松嶋尚美さんがテレビ番組の中で「牛乳有害説」を披露し、ネット上で波紋を広げている。

バター不足 カラクリはこれだ

 松嶋さんの持論は、人づてに聞いた科学的根拠の薄いもので、番組内で専門家にあっさり否定されてしまった。それだけに、ネット上では「なぜ調べもせずに信用してしまうのか」と呆れる声も多い。「牛乳有害説」はこれまでも度々流されてきた歴史があり、そのたびに議論になっている。

■松嶋さんの子どもだけコーンフレークと「麦茶」を提供

 松嶋さんの発言が飛び出したのは、2015年7月7日放送のバラエティ番組「中居正広のミになる図書館」(テレビ朝日系)でのこと。2歳と3歳になる自身の子どもの育て方を語る際、「(子どもに)牛乳を飲ませていない」と告白、保育所や幼稚園へも牛乳を飲ませないよう申し入れていると明かした。子どもが牛乳を嫌いかどうかには触れておらず、あくまで自分の方針らしい。

 実際、幼稚園も園児の多くが牛乳でコーンフレークを食べる中、松嶋さんの子どもには麦茶を出しているようだ。そのせいもあるのか、「(子どもが)コーンフレーク大嫌いやねん」と語っていた。

 なぜ牛乳を飲ませようとしないのか。その理由について「牛乳を飲むと体内のカルシウムが尿で排出される」「乳製品を多く摂る欧米人が、骨粗鬆症になりやすい」など、人づてに聞いたという「牛乳有害説」を展開した。

 共演者も驚いた松嶋さんの「こだわり」だが、番組に出演した内科医・大竹真一郎さんはそれが科学的根拠に基づかないことを示した。

 牛乳を飲むと体内のカルシウムが排出される、との説を「たくさん摂りすぎたら尿と一緒に出る時もあるが、全部出ることはない」と否定。乳製品を多く摂ると骨粗鬆症になりやすい、との説も「もともと欧米人は骨粗鬆症になりやすく、牛乳が原因ではない」とはねのけた。指摘を受けた松嶋さんはたじろぎ、「(子どもは)小学校で勝手に(牛乳)飲むんじゃない?」と、それまでの態度を一変させたかのように見えた。

 このやり取りをうけ、掲示板サイトなどでは

  「調べもしないで信用するな」
  「人づてじゃなく、自分で勉強しようや...」

と松嶋さんを批判する声が次々寄せられた。

 ただ、数は少ないながらも

  「自分なりに一生懸命な人なんだと思う」

と理解を示す向きもある。

繰り返し出てくる「牛乳有害説」

 「牛乳が健康に悪いか否か」という議論は以前から繰り返されてきた。少し前になるが2005年、外科医の新谷弘実さんによる「病気にならない生き方」(サンマーク出版)出版をきっかけに引き起こされた、「牛乳論争」は有名だ。

 後にベストセラーともなった同書の中で新谷さんは、牛乳は骨粗鬆症の原因になる、カルシウムを摂るために飲んだ牛乳がかえって体内のカルシウム量を減らす、などと警告。これに仁木良哉・北大名誉教授が「科学的検証ない」と反論し、日本酪農乳業協会(Jミルク)も新谷さんに公開質問状を提出するなど、大きな騒ぎとなった。

 最近では14年10月29日、英医学誌「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル」が、「スウェーデン人を対象に調査したところ、牛乳摂取量の多い人は少ない人と比べて寿命が短く、女性では骨折が増えた」というスウェーデンのチームによる研究結果を発表し、ネット上で話題を呼んだ。

 新谷さんの説は、すでにさまざまな研究者から反論された。さらに、英医学誌も、調査対象としなかった民族では結果が当てはまらない可能性を示唆している。「牛乳有害説」は現段階では根拠薄弱と言えそうだ。

 ちなみに、公益財団法人「骨粗鬆症財団」(東京都中央区)も公式サイト上に、「『牛乳や乳製品が骨粗鬆症の原因になる』という情報は、科学的なデータに基づかない意見であると思われます」との見解を発表している。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150722-00000000-jct-ent&p=2



糖質

2015-07-15 09:52:24 | 健康

日頃から体に気を使い、運動を怠らず、健康にいいというネタがあれば取り入れる。おかげで世の中には健康情報があふれているが、はたして、何が正しくて何が正しくないのか。本当のところを探ってみた。

■「炭水化物の摂取を制限するダイエット」のウソ

 ご飯やパンを食べないことで、炭水化物に含まれる糖質をカットするダイエット法が広まっている。「炭水化物抜きダイエット」と呼ばれるものだ。

 糖質を取りすぎれば血糖値が上がる。そうなるとインスリンが、糖質を脂肪に変換して血糖値を下げようと働きだす。だから、糖質の過剰摂取は肥満を招くのだ。

 糖質の取りすぎが体に良くないのは確かである。ただし、前出の則岡孝子氏は、「脂肪は糖の炎によって燃えるといわれています。脂肪は、脂肪だけでは燃焼されない。糖質が必要なのです。どんどんカットすれば痩せられるというメカニズムではありません」と指摘する。

 さらに、「糖質がなければ幸福感や精神の安定をもたらすセロトニンの分泌が減り、副交感神経が活発にならない。気分がすぐれず、不眠症に悩まされるといった事態に陥りかねません」と言う。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150715-00000019-nkgendai-hlth


トランス脂肪酸含有量

2015-07-14 17:18:31 | 健康

マーガリンケーキ、ビスケット、スナック菓子、ドーナツ、マヨネーズ、ファストフード、インスタント麺などに含まれるトランス脂肪酸は、心血管疾患のリスクを高めるとして、規制している国は多い。

 

 例えば、世界保健機関(WHO)は、トランス脂肪酸の摂取量を摂取エネルギーの1%(約2g)未満にするよう2003年に勧告。デンマークでは03年6月から食品中のトランス脂肪酸の量を全脂質の2%までとする罰則規定のある行政命令を制定。08年にはスイスが油脂100g当たり2g以上のトランス脂肪酸を含む商品の国内流通を禁止、09年にはオーストリアも同様の規制を決定した。

 南米ではブラジル、アルゼンチン、チリ、パラグアイ、ウルグアイが06年にトランス脂肪酸の表示を義務化。アジアでは、韓国が07年から、台湾は08年から、香港は10年から、表示義務を課した。

 北米では、カナダが05年から、アメリカが06年から表示を義務化。そして今年6月16日、ついに米国食品医薬品局(FDA)はトランス脂肪酸の食品添加物を18年6月から原則禁じるという決定を下した。

 他方、まだ日本では表示すら義務づけられていない。理由は、「大多数の日本国民のトランス脂肪酸摂取量は、WHOが推奨する総エネルギー比1%未満を下回っており、通常の食生活では健康への影響は小さい」という食品安全委員会の見解に基づいている。

 しかし、平均値でWHOの目標をクリアしていても、トランス脂肪酸を食べすぎている人はいると思われ、現在摂取量が少ない人でも、将来オーバーする可能性が高い食生活を送っている人もいるはずだ。表示義務を課せば、普段から心がけた食生活を送れるようになり、トランス脂肪酸の摂りすぎを未然に防ぐことにつながると期待できる。

 つまり、消費者にとっては、トランス脂肪酸含有量が表示されているに越したことはない。特に日本の場合、近年、国内の酪農家の減少が深刻になり、原料の生乳も減って国産バターは不足、高価格化が続いており、バターの代替品として、やむを得ずマーガリンを買っている人も多い。そういう人の中には「自分の買っているマーガリンには、トランス脂肪酸がどれだけ入っているのか」と気になっている人もいるだろう。

情報開示に応じない明治、セブン、ヤオコー

 そこで国内で流通している下記合計18社、94商品のトランス脂肪酸含有量を調査した。

・日本マーガリン工業会の会員のうち、家庭用マーガリンをつくっている雪印メグミルク明治、J-オイルミルズ、丸和油脂、マリンフード、月島食品工業の6社および日本生活共同組合連合会(生協)、小岩井乳業の計8社が製造する家庭用マーガリン全75商品

オンラインストアの「アマゾン」で、「マーガリンの売れ筋ランキング」の上位20位(6月30日時点)のうち、家庭用でランクインしていたリボン食品、創健社、キユーピーの計6商品

・大手スーパーマーケットコンビニエンスストアのプライベートブランドのうち、イオン、ヤオコー、セブン-イレブンローソンの計10商品

・「高級ホテルのマーガリン」の代名詞的存在である帝国ホテル、ホテルオークラエンタープライズ、金谷ホテルベーカリーの計3商品

 その結果、3社だけ含有量を開示しない会社があった。明治、セブン、ヤオコーである。具体的な商品としては、明治の「明治コーンソフト バター入り」「明治ヘルシーソフトオフスタイルべに花 脂肪分70%オフ」など全25商品、セブンの「セブンプレミアム かろやかソフト300g」、ヤオコーの「クリーミースプレッド320g」だ。

 明治は「マーガリン類のトランス脂肪酸の含有量については、申し訳ございませんが、現時点では具体的な開示は控えさせていただいております」という。だが、7年前に筆者が別の媒体で取材執筆した折は、明治はしっかりと数値を開示していたことを考えると、情報開示に対して後ろ向きになっているようだ。

 また、セブン、ヤオコーは無回答だった。

国内で流通するマーガリンのトランス脂肪酸含有量

 7年前のワースト3品は、「雪印 Sマーガリン」(トランス脂肪酸含有量16.0%、以下同)、「雪印 ネオマーガリン」(14.0%)、生協の「コープ コーンソフト100 バターの風味」(13.5%)だった。具体的には、含有量16%のマーガリンを食する場合、パン1枚に通常つける目安とされる10gを塗るとトランス脂肪酸は10×0.16=1.6gになる。これでは1枚と4分の1で、WHOの基準をオーバーしてしまう含有量だ。

 それが今回の調査では、各社製品の含有量は7年前に比べて格段に少なくなっている。明治、セブン、ヤオコーを除く15社67商品のうち、トランス脂肪酸の含有量の多いワースト5は以下の通りだった。

 ワースト1位はマリンフードの「ツキマルゴールド 8g」(6.5%)。同社は給食用の商品が多く、同商品も学校で使われているとみられる。2位は雪印の「バター仕立てのマーガリン140g」(6.0%)、3位はイオンの「トップバリュ キャノーラソフト 紅花 160g」(5.3%)と「テーブルソフト べに花」(5.3%)で同順位、5位は生協の「べに花ハーフ」(4.1%)だった。

 2~5位は、「バター」「べに花」がキーワードとなっており、一見トランス脂肪酸が少なそうだが、実は多いという点が興味深い。これらワースト5は、パン3~5枚ほど食べると基準値オーバーのレベルだ。

トランス脂肪酸含有量3.0%以上】

マリンフード「メンドーテルポーション 6g」(4.0%)
・同「ガーリックマーガリン 80g」(3.2%)
・雪印「ネオソフト コクのあるバター風味280g」(3.0%)
・同「テイスティソフト バターの風味 濃厚300g」(3.0%)
・同「ネオソフト キャノーラハーフ160g」(3.0%)
・同「ネオソフト ハーフ」(3.0%)
・同「ネオソフト べに花」(3.0%)
・同「ヘルシーリセッタ ソフト」(3.0%)
・生協「ケーキ用マーガリン」(3.0%)

 これらはパン5~7枚程度で基準値オーバーとなる。

【トランス脂肪酸含有量1.0%以上3%未満】

ローソン「マーガリン ローソンセレクト」(1.9%)
・イオン「シュガートースト ソフトクリーム」(1.71%)
・雪印「まるでバターのような やわらかソフト(チューブタイプ)140g」(1.4%)
・ホテルオークラエンタープライズ「ホテルオークラ マーガリン180g」(1.0%)
・金谷ホテルベーカリー「金谷ホテルマーガリン」(1.0%)
・J-オイルミルズ「NEW! カルピスソフト」(1.0%)
・同「ラーマ バター好きのためのマーガリン」(1.0%)
・同「ラーマ バターの風味」(1.0%)
・同「ラーマ」(1.0%)
・同「ラーマソフト減塩」(1.0%)
・同「ラーマ プロ・アクティブ」(1.0%)
※J-オイルミルズは含有量をすべて「1%前後」と回答したので1.0%に統一した

 これらは、基準値に達するにはパン10~20枚必要で、パンのみでオーバーすることはないだろう。ただし、他の食品とトータルでオーバーしないよう気をつけなければならない。そのためには、トランス脂肪酸の含有量の表示を義務づける必要がある。

【トランス脂肪酸含有量1.0%未満】

・丸和油脂「ホテルソフトファットスプレッド 380g」(0.9%)
・同「ホテルソフト(バター入り) 150g」(0.9%)
・マリンフード「ソフトマーガリン150g」(0.8%)
・雪印「ネオソフト」(0.8%)
・生協「バター入りマーガリン」(0.8%)
・同「コーンソフト バターの風味」(0.7%)
・イオン「トップバリュ テーブルソフト 320g」(0.7%)
・小岩井乳業「小岩井 マーガリン 醗酵バター入り 180g」(0.68%)
・リボン食品「低糖工房 有機のマーガリン160g」(0.6%)
・イオン「トップバリュ セレクト 発酵バター入りマーガリン160g」(0.6%)
・マリンフード「たらこスプレッド 150g」(0.6%)
・同「ガーリックマーガリン 160g」(0.6%)
・同「はちみつシュガーバターブレンド 160g」(0.6%)
・同「ホイップガーリックソフト120gシュリンクタイプ」(0.6%)
・同「ホイップガーリックソフト 120g カートンタイプ」(0.6%)
・同「私のフランス料理 150g」(0.6%)
・同「私の胡麻いっぱいスプレッド 160g」(0.6%)
・同「私のフレンチトースト 160g」(0.6%)
・同「キューブマーガリン 7g」(0.6%)
・雪印「まるでバターのようなマーガリン」(0.6%)
・同「ケーキ用マーガリン」(0.6%)
・創健社「べに花ハイプラス マーガリン180g」(0.5%)
・帝国ホテル「ホテルマーガリン」(0.5%)
・月島食品工業「パン屋さんのおいしいマーガリン」(0.5%)
・同「プラスマーガリン」(0.5%)
・マリンフード「ツキマルシルバー 8g」(0.5%)
・同「フレッシュマリンマーガリン 8g」(0.5%)
・同「フレッシュマリン植物性マーガリン 8g(小袋)」(0.5%)
・同「フレッシュマリンマーガリン 8g(小袋)」(0.5%)
・生協「コーンマーガリン(コーン油<遺伝子組換え原料不使>70%使用」(0.5%)
・キユーピー「いちご&マーガリン 約11g」(0.4%)
・同「はちみつ&マーガリン 約11g」(0.4%)
・同「ブルーベリー&マーガリン約11g」(0.4%)
・イオン「トップバリュ キャノーラソフト バター風味ソフト160g」(0.4%)
・創健社「発酵豆乳入りマーガリン160g」(0.4%)
・生協「コーンマーガリン」(0.4%)
・同「NEWソフト」(0.4%)
・同「コーンソフト バター入り」(0.4%)
・小岩井乳業「小岩井 マーガリン ヘルシータイプ180g」(0.34%)
・マリンフード「ツキマルシルバーホイップマーガリン 5g」(0.3%)
・イオン「トップバリュ キャノーラソフト カロリー1/2 180g」(0.23%)

 買い物の参考にしてほしい。
http://biz-journal.jp/2015/07/post_10696_1.html


タンパク質

2015-07-14 16:48:35 | 健康

日頃から体に気を使い、運動を怠らず、健康にいいというネタがあれば取り入れる。おかげで世の中には健康情報があふれているが、はたして、何が正しくて何が正しくないのか。本当のところを探ってみた。

■「筋肉を増やすためにタンパク質の摂取を増やす」のウソ

 トレーニングで筋肉を増やすには、タンパク質が必要になる。タンパク質を補給しなければ、筋肉は増えないのは確かだ。

 ただし、タンパク質の摂取を増やせば増やすほど、筋肉が増えるわけではない。横浜創英大名誉教授の則岡孝子氏(栄養学)が言う。

「人間の体には、タンパク質を貯蔵する機能がありません。余剰の分は体外に排出されます。分解されて尿となり、排泄されるのです。このときにフル回転で働かなければならないのが、腎臓です。つまり必要以上にタンパク質を摂取し続ければ、腎臓に多大な負担がかかる仕組み。その結果、腎機能障害を招く恐れが出てきます。タンパク質の取りすぎは、弊害が大きいですね」

 骨も弱くする恐れがある。タンパク質が分解されるときは、血液が酸性に傾く。それを中和させるため、骨のカルシウムが消費されるからだ。

「厚労省は、タンパク質の摂取基準を1日の総エネルギー量の20%までとしています。大事なのはバランスです」

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150714-00000019-nkgendai-hlth


朝カレー

2015-07-13 22:04:20 | 健康

薄着になったり、海やプールで水着になったりと、体を見せる機会も増えてくるこれからの季節。本格的な夏を迎えるまでにヤセたいと考えている人も多いのではないでしょうか。

そんな中、“カレーライス”によるダイエット法が、実は最近話題になってきています。

そこで今回は、成功している人も増えてきているという“朝カレーダイエットの実態”について紹介します。

 

ダイエット効果の高いスパイスがたくさん使われている

サニーヘルス株式会社が公開した『朝カレーダイエットのすすめ』によると、カレーには様々な種類のスパイスが入っており、どれも血行促進や発汗作用など代謝に関係するものばかりなため、ダイエット効果が高いと言えるようです。

具体的には、日本のカレーにもよく使われる“ガラムマサラ”、“クミン”、“ターメリック”、“コリアンダー”、“唐辛子”には、発汗、消化促進、代謝の活性化、血行促進、胃腸の働きを整えるなどの作用があります。

カレーを食べると体が温まったり、汗をかいたりするのは、スパイスの作用によるものです。しかも、複数のスパイスの相乗効果も得られます。

 

朝にカレーライスを食べた方がいい理由

眠りから目覚める朝は、副交感神経から交感神経へと切り替わる時間帯です。この時に血行促進効果の高いスパイスの入ったカレーを食べることで、交感神経への切り替えを速やかにします。すると体が活性化されてダイエット効率がアップするのです。

もう1つの理由はエネルギー消費です。カレーは基本的に高カロリーになりがちなメニュー。夜に食べるとエネルギー消費もせずにそのまま寝てしまうことになりますが、朝であれば一日活動することでエネルギーは消費されるので、太るリスクは減るのです。

 

朝にカレーを食べることで、代謝や血流がアップするだけでなく、カレーのスパイスで脳も体もしっかりと目覚めさせることもできますね。夏までにダイエットを成功させるためにも、朝食をカレーライスにしてみるのも良いのではないでしょうか。
http://nikkancareism.jp/summary/archives/63820


たんぱく質

2015-07-13 20:45:40 | 健康

いよいよ夏本番。厳しい暑さを乗り切るためにも、溜め込んだ疲労は今のうちに回復させておきたいですよね。

効果的に疲労を回復させるためには、食事の内容やタイミングに注意することが大切。いつ、何を食べるかで疲労回復スピードが大きく変わりますよ。



■朝・昼は“炭水化物”を中心に

疲れを残さないコツは、エネルギー源である糖質(ごはんやパン、パスタなどの炭水化物)を午前中に摂取すること。夜に身体を動かさないのに糖質を大量に補給してしまうと、脂肪として溜め込んだり消化をするのにエネルギーが奪われてしまいます。

エネルギーが必要になる朝や昼にしっかりと糖質を補給して、夜は控えめにすると疲労を溜め込みにくく、体力を回復しやすい状態にすることができます。



■夜に食べたいのは“たんぱく質”

逆に夜にしっかり食べたいのが肉や魚、卵、大豆製品などのたんぱく質。たんぱく質は傷ついた細胞の修復材料のため、疲労回復に欠かせません。細胞の修復は睡眠中に行われますから、疲労回復効果を高めるためには夜にたんぱく質を摂取するのがおすすめです。

夜は内臓も休養モードになりますから、脂質の多いたんぱく質やこってり系の味付けは避けましょう。消化に負担のかかりにくいたんぱく源は、大豆製品や刺身、白身魚などです。



■水分と塩をセットで補給

汗をかくと、水分と一緒に塩分も排出されてしまいます。水分補給だけでは体内のはたらきが弱まってしまいます。また、1度に大量に水分を摂取しても体内に溜めておくことはできません。

水分補給は“小まめに(喉が乾いたときでは遅いと言われています)”、“塩分とセットで”おこなうことをおすすめします。コンビニで手軽に購入できる“水分+塩分”のセットには、スポーツドリンクや野菜ジュース(塩分入りのもの)などがあります。



■積極的に摂取したいのは“ビタミンB1”

内臓のはたらきを活性化する栄養素の代表といえば“ビタミンB1”。暴飲暴食するとビタミンB1を消耗し、体内のはたらきを弱めて疲れを長引かせてしまいます。

ビタミンB1を豊富に含む食材は豚肉、大豆、玄米、ごまなど。にらやにんにくなどの香味野菜と一緒に摂取するとビタミンB1のはたらきを高め、さらに回復力をUPさせてくれます。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150713-00064321-nkcareism-life


胆管腫瘍

2015-07-13 16:34:32 | がん
任天堂の岩田聡社長が13日、「胆管腫瘍」で亡くなったとの発表がありました。岩田社長は2014年にも胆管の腫瘍の手術を受けていましたが、静養を経て決算発表などの公の場に復帰していました。まだ55歳という若さの同氏を死に追いやった胆管腫瘍とはどのような病気なのでしょうか?
◆悪性の胆管腫瘍は致死的

胆管腫瘍(胆管がん)とは、胆管に生じる悪性腫瘍のことです。胆管は肝臓と十二指腸をつなぎ、肝臓で生成された胆汁を運ぶ役割を持つ管です。胆管がんは日本で増加傾向にあり、発症したら致命的と言われています。

手術の難易度が高く、術後の再発率も低くありません。さらに、抗がん剤や放射線治療でも効果がでにくいタイプのがんのため、難治性のがんと言えます。厚生労働省によれば、2013年の胆のうがん・胆管がんによる死亡数は約1万8200人で、がん死亡全体の5%近くを占めます。

◆腫瘍の位置によって症状が出にくいことも

胆管は、肝臓から十二指腸までの胆汁の通り道です。胆のうは、肝臓で生成した胆汁を一時的に溜めておく袋(嚢)で、食べたものを消化する際に分泌されます。胆管は、肝臓内ではたくさん細い管に枝分かれしており、それが肝臓から出る部分で合流して太くなり、1本の総胆管となります。

胆管は、太いところでも直径7mm程度と細いため、生じた腫瘍(がん)が小さくても胆汁をせき止めます。胆管の根元が詰まると胆汁が十二指腸に流れなくなってしまい、黄疸(おうだん)の症状が出ます。これに対し、肝臓内の細い胆管にがんが生じた場合は黄疸は出にくく、発見が遅れる場合があります。

◆岩田氏の世代に多く発症

胆管がんの発症年齢は、40代後半~50代ごろから徐々に増え、60歳代で最も多く初症します。胆管がんは、胆管の上皮(胆管内側の表面を覆う粘膜)から発生する悪性腫瘍で、発生部位により「肝外胆管がん」と「肝内胆管がん」に分けられます。前者が狭い意味での「胆管がん」です。

さらに、肝外胆管がんは、腫瘍ができた位置が胆のう管より上か下かによって、「肝門部領域胆管がん」と「遠位胆管がん」に分けられます。また、肝内胆管がんは、肝がんの一種として扱われます。岩田氏がどのタイプの胆管がんだったかは明らかにされていません。

◆考えられる原因

胆管に原因不明の慢性炎症を起こす、「原発性硬化性胆管炎」という病気があります。これは約10%の確率で胆管がんと合併します。最近は、肝炎ウイルスも胆管がんの原因のひとつとして考えられるようになってきました。

加えて、肥満の人、高カロリー摂取の人にも胆管がん発生の可能性が指摘されています。予防としては、果物や野菜を積極的に摂取することが発生を低下させると考えられます。

◆胆管がんの主な症状

胆管がんは、胆道に沿ったどの部位でも起こる可能性があり、特に肝臓の外の小腸に入る位置でよく発生します。脂肪肝、肝硬変、原発性硬化性胆管炎などを合併することがあります。

胆管がんは、浸潤性発育といって、インクが紙に染み込むように周辺の組織へ拡がるケースが多く見られます。また、胆管の内側がきのこのような形に盛り上がることもあります。

総胆管にがんができると、胆汁が流れにくくなり、胆汁が胆管から逆流して血管の中に入るようになります。すると胆汁の主成分であるビリルビンが血液中に含まれるようになり、閉塞性黄疸(へいそくせいおうだん)の症状が見られます。

黄疸になると皮膚や白目が黄色になり、尿が茶色っぽく、便は白くなり、全身にかゆみが生じます。黄疸が軽いと気がつきにくいのですが、便が白っぽいことで気がつくこともあります。

肝内胆管にがんができた場合は、黄疸の症状は出ず、初期は自覚症状がほとんどありません。がんが大きくなってから、食欲不振、体重減少、発熱、右上腹部の鈍痛などが現れます。

◆検査と診断

胆管が詰まると肝機能に異常が出ますが、腫瘍マーカーでは数値が上がらないこともあるため、早期診断はあまり役立ちません。胆管の閉塞に他の原因が見当たらない場合、特に原発性硬化性胆管炎を患っている人は、胆管がんが疑われます。

胆管の腫瘍は、腹部超音波診断という画像検査で発見できます。また、がん自体は画像に映らなくても、拡張した胆管によって病気が見つかることもあります。胆管がんが疑われた場合は、CTやMRIによって病気の広がりを確認します。

◆胆管がんの治療

現代の医療をもってしても、ほとんどの胆管がんは致死的です。手術をする場合もありますが、腫瘍を完全に除去できないケースが多いのです。手術する際は、肝臓や膵臓の一部、場合によっては胃や十二指腸まで切除することもあるため、患者が手術に耐えられないような場合は、化学療法や放射線治療を行います。

◆異変に気づいたら

黄疸や原因不明の高熱などの症状が出た場合は、速やかに内科や外科を受診して、検査を受けてください。黄疸の症状が出ている場合、手術はもとより抗がん剤治療も行えません。そのため、まずは黄疸を解除するためにチューブを体内に埋め込む措置がとられます。胆管がんでなくとも、黄疸を放置すると肝臓や腎臓に重大な障害をもたらします。また、胆管へのウイルス感染は死につながることもあるので、決して自己判断せず、医師の診察を受けましょう。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150713-00010004-mocosuku-hlth&p=1


睡眠の質

2015-07-13 16:22:26 | 健康

2015年6月24日、良好な睡眠と運動の習慣にはたいへん密接な関係があることがわかった。とはいっても、睡眠の質をあげるためにどんな運動をしても効果があるというわけではない。ペンシルバニア大学の研究では、ジョギング、サイクリング、ヨガ、ガーデニングをしている人は、まったく運動をしない人に比べて質の高い睡眠をとっているという。中国メディア・網易(NETEASE)が伝えた。

【その他の写真】

研究は成人40万人を対象として行われた。1日の睡眠時間と過去1カ月間に行った運動の相関関係を調べている。研究を率いたペンシルバニア大医学大学院のマイケル・グランドナー教授は、「単純なウォーキングでもいい。何かしらの運動を行うと、1日に7~8時間の良質な睡眠をとることができる。ジョギングやヨガなど、散歩よりも意識的に身体を動かすものならさらによい」としている。

また、すでに運動をしている人で、「自分はよく眠れない」と感じている人がいたら、そこであきらめずに運動の習慣を継続すべきだという。睡眠の質に明らかな効果が出るには数カ月を要することもある。なお、体力を使う活動といっても、家事や育児などはかえって睡眠の質を下げるという。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150713-00000037-rcdc-cn


減量手術で糖尿病改善

2015-07-12 22:16:02 | 糖尿病

BMI(肥満指数)が35以上の病的な肥満の人では、運動や食事など生活習慣を改善しても減量に成功する割合は低いとされている。そこで登場するのが、胃の容量を減らしたり、胃を迂回(うかい)して小腸につなげたりする減量手術。米ピッツバーグ大学医療センターのアニタ・P・コーカラス教授らは、肥満の糖尿病(2型)患者に減量手術と軽めの生活習慣の改善指導を行ったところ、強めの生活習慣の改善指導のみをした場合と比べて糖尿病が寛解(症状が一時的に治まった状態)する割合が高かったと、7月1日発行の米外科専門誌「JAMA Surgery」(電子版)に報告した。この効果は、病的肥満だけでなく、BMIが30~35の人でも認められたという。


◆日本では2014年に保険適用
 減量手術は「肥満手術」や「メタボリック手術」などとも呼ばれ、世界で年間40万件以上が実施されている。日本での手術件数は少ないが、2014年から健康保険が使えるようになった。手術を受けるには、(1)BMIが35以上の高度肥満、(2)生活習慣の改善でも減量できない、(3)糖尿病(2型)や高血圧、脂質異常症、睡眠時無呼吸症候群など体重に関連した健康問題を抱えている―などが条件とされている。

 コーカラス教授らは、25~55歳の肥満の糖尿病患者61人(平均47.3歳、女性82%、平均体重100.5キロ、平均HbA1c 7.8%、平均空腹時血糖値171.3mg/dL)を以下の2つのグループに分け、糖尿病への効果を比べた。なお、今回の対象者の4割以上が、日本では多くの施設で手術の条件に当てはまらないBMI 30~35の病的でない肥満だった。

1.強めの生活習慣改善を1年間行った後、軽めの生活習慣改善を2年間するグループ
2.減量手術(ルーワイ胃バイパス術=RYGB、または腹腔鏡下胃バンディング術=LAGB)を行った後、軽めの生活習慣改善を2年間するグループ

 ちなみに、国内で健康保険が使えるのは「腹腔鏡下袖状(スリーブ)胃切除術(LSG)」と呼ばれる胃の容量を減らす手術のみ。今回の2つの手術方法には保険が適用されない。


◆減量手術受けた6割が3年で薬不要に
 検討の結果、3年後に糖尿病の寛解(部分寛解または完全寛解)を達成した人は、生活習慣改善のみではゼロだったのに対し、減量手術をしたグループでは胃バイパス術(RYGB)で40%(8人)、胃バンディング術(LAGB)で29%(6人)。完全寛解に限定すると、RYGBの15%とLAGBの5%で認められた。

 さらに、減量手術グループでは糖尿病治療薬の使用率が下がり、RYGB群の65%とLAGB群の33%で3年後にインスリンや飲み薬が不要となった。一方で、生活習慣改善のみのグループではこうした人はゼロだった。

 3年後の減量率はRYGBで最も高く25%減、次いでLAGBの15%減で、生活習慣改善のみは5.7%減にとどまった。また、減量手術グループでは、肥満の程度を問わず、血糖値の目標達成率と維持率がいずれも生活習慣改善のみと比べて高かったという。


◆「全ての高度肥満糖尿病患者に減量手術を」
 コーカラス教授らは、今回の研究の要点の一つとして、対象者の43%がBMI 30~35だったことを挙げ、「3年間の長期追跡で、BMIが30~35を含む肥満の糖尿病患者で、減量手術が生活習慣のみよりも糖尿病への効果が優れるという重要なエビデンス(根拠となる研究結果)が追加された」とまとめた。

 ただし「減量手術が大小の血管に与える影響や、手術が糖尿病に影響を与える明確な仕組みについては特定することができなかった」と付け加えている。

 この結果を受けて米フロリダ国際大学のミシェル・ギャグナー教授は、同号の論評(電子版)で「全ての高度肥満の2型糖尿病患者に減量手術を行うことを考慮し、冠動脈バイパス術(CABG)で50年前に導入されたような集団治療を開始すべき」と述べている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150712-00010006-mocosuku-hlth


ココア

2015-07-07 06:49:43 | 糖尿病

体内でアルコールを分解する場所と言えば、肝臓です。解毒の他には、タンパク質、糖、脂肪をエネルギーに変える代謝機能や、胆汁の生成、分泌を行う臓器でもあります。たくさんの血管や胆管があり、心臓、小腸、十二指腸につながっています。「肝臓が痛む」といった症状はめったに聞きませんよね。肝臓は一部の機能に異常があっても症状が現れにくく、自覚症状が出たときには遅かったりするゆえに、「沈黙の臓器」を呼ばれています。そして糖尿病患者の死亡原因は、肝疾患が17.5%です(日本糖尿用学会の調査結果より)。肝機能の低下を防ぎ、糖尿病に効果がある食材が、スイーツに使われるまさかの食材から発見されたのです。


◆糖尿病のメカニズム
糖尿病は高血糖が続いた状態を言います。血液中にエネルギーとして活用されないブドウ糖が溜まると血糖値が上昇。糖尿病には1型と2型があり、生活習慣病など不摂生な生活による糖尿病は主に2型で、糖尿病患者の95%を占めると言われています。ブドウ糖をエネルギーに変える橋渡し役であるインスリンの作用不足によるものです。

インスリン作用不足には、インスリンの分泌量低下とインスリン抵抗性の2つが考えられます。
血液中のブドウ糖はインスリンによって肝臓を経由し、筋肉、脂肪など、インスリン受容体のある細胞に結合し、エネルギーとして取り込みます。この受容体がインスリンに鈍くなっている状態を「インスリン抵抗性」と呼びます。


◆肝機能低下と糖尿病を予防するスイーツって?
スペイン高等科学研究員の研究グループによると、「ココア」に糖尿病を防ぐ効果があるというのです(栄養分子生物学専門誌2015年7月号)。まだマウスによる実験段階ですが、ココア10%を含むエサと普通のエサを与えて比較したところ、ココアを含むエサを与えたマウスは、体重、血糖値、インスリン抵抗性レベルが下がったと報告しています。名付けてココアリッチダイエット。

ココアが血糖値を抑制すると考えられるのは、糖の合成、糖の活用促進、糖をエネルギーに変えるタンパク質の働きなど、肝臓で糖をコントロールする働きを見せたからだと発表されています。


◆ココアって糖じゃないの?
ココアとチョコレートは、同じカカオ豆が主原料です。カカオは、片手で持てるくらいの大きさで黄色っぽい果実です。その中の種が、カカオ豆です。カカオ豆を焙煎、摩砕したものをカカオマスと言い、チョコレートの原料になります。カカオマスから脂肪分を除き粉砕したものを「ココアパウダー」と呼びます。

市販されているココアはピュアココアに砂糖やミルクを入れて甘くしています。健康のためにココアを取るなら、なるべくピュアココアがオススメ。
冬のイメージが強いココアですが、夏にもアイスココアとして冷たいまま取り入れると良いかもしれませんね。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150706-00010006-mocosuku-hlth


病院死

2015-07-06 16:14:16 | 健康

● 「終末期」の対応が 大きく遅れている日本
 「東京圏の高齢者は地方に移住を」と提言して物議を醸している日本創生会議の座長、増田寛也・元総務相が、「延命治療の議論を」と呼び掛けている。昨年「消滅可能性都市」を挙げ、その後、名指された自治体が少子化対策に熱を入れだすなど、政策へ大きな影響を及ぼしているだけにその発言に注視したい。
 増田さんは、5月24日の毎日新聞のコラムで「終末期医療のあり方」を論じた。そのなかで、「終末期の人工栄養による延命は、世界的にみると必ずしも当たり前のことではない」「むしろ非倫理的であるとさえ認識されている国がある」と、穏やかな表現ながら、延命治療への再考を喚起している。
 介護の現場からは「ご本人の終末期の対処法が曖昧なので困る」という声はよく聞かれる。やっと、終末期に焦点が当たり出した。「素人」なだけに直感が働くことは多く、増田さんの発言は正鵠を射ている。死というゴールを見据えて初めて、高齢者の医療と介護は成り立つはずである。
 日本の病院や施設では、口から食べられなくなったので鼻や静脈からチューブを通じて、あるいは胃に穴を開けて栄養を与えられている高齢者をよく見かける。手足の関節が固まって寝返りを打てない寝たきりの人も。自分で呼吸できなければ人工呼吸器が装着される。気管切開されているため、痰の吸引やチューブの交換の際に苦しみもがく姿も見られる。認知症などを抱え、全く言葉を発しないままの人も。
 無理に栄養分を注入するため、消化されず、体中がむくんで目も当てられない様子になってしまうこともある。人間としての自然な死とは縁遠い、こうした延命治療が終末期に待ち受けている状況には、ぞっとさせられる。
 高齢者ケアへの取り組みは先進諸国の共通の課題である。それは、(1)「終の住処」を何処に求めるか (2)認知症ケアの手法 (3)終末期・看取りのあり方―――という3つの課題に集約されるだろう。 
 このうち、(1)は「脱病院、脱施設」という合言葉に象徴されるように、最期の時を迎える場として「生活の場」への転換が進んでいる。自宅の延長である「ケア付き住宅」をできるだけ自宅の近辺に求める考え方である。 
 国際的には「Ageing in Place」と言われる。即ち「年老いても同じ地域で住み続けましょう」という意味だ。同じ内容を日本では、「地域ケアシステム」と名付けた。これは、Community-based Care System(地域住民のためのケア体制)とIntegrated Care System(包括的なケア体制)を合体させたCommunity-based Integrated Care Systemの日本語訳である。
 「包括」は日常用語でなく分かり難いが、「総合」「まるごと」のこと。異なる要素が一緒になって、という意味で、異業種連携であり、高齢者だけでなく障害や子育てなどを大きく含んで一緒に、と理解すればいいだろう。
 それから(2)は、先ごろ東京で認知症ケアの国際サミットが開催されたように、先行組に追い付こうとの意気込みが表れ、政策として結実しつつある。精神科病院問題など、まだ出遅れた分野を抱えてはいるが、欧米諸国と同じ方向に舵を切りつつあるのは確かだ。
 つまり、(1)と(2)は国際レベルへの引き上げを目指して、一応路線は敷かれてきた。ところがである。(3)になると日本だけが大きく取り残されている。日本の常識が世界の非常識、とみても過言ではないほどの状況だ。
● 日本は80%が「病院死」
 それを端的に示しているのが、死亡場所の数値だ。病院と施設(欧州では実質的にケア付き住宅)、自宅の3ヵ所に分けた比率を見ると、欧州諸国では病院死が50%前後である。最も低いのは30%台のオランダだ。
 病院死が少ないのは、訪問診療や訪問介護が充実していて、入院しなくても自宅や近辺のケア付き住宅で最期まで過ごすことができるからだ。各国の共通施策である「在宅重視」の成果が、病院死比率の多寡で判定できる。
 では、日本はどうか。なんと病院死は80%近い。欧州諸国とこれほどに大差がついた「生活指標」は珍しい。出産と死亡は、あらゆる生物が同様に体験する自然な現象だろう。決して「病」ではない。ライフスタイルの一環でもある。
 パソコンや携帯電話のICTをはじめ、スポーツや音楽、映画、食文化、ファッション、インテリアなど日々の生活を彩り、欠かせない生活諸要素のひとつが、出産であり死亡・看取りであろう。日本人は、パソコンやレストランなど他の要素はほぼ世界レベルの水準を持ち、その便宜性や快適性を共有している。だが、死の文化だけが、日本は他国とまるっきり異なり、それが数字に表れている。
 「歴史や文化が地域や国によって異なるのだから、違いがあっても不思議はない」という指摘がよくある。確かに、地域性は欠かせない。生活の潤いには必要である。だが、方言を使う場が時にはあっても、ほとんど標準語で会話が成り立っているのが現実だろう。大きな流れは、一定の方向への収斂だ。快適性や合理性、それに一定の倫理観に基づいて希求すべき方向が地球規模で絞られていく。
 では、死についてはどうか。なぜ、日本だけが病院死比率が高いのか。
● 医療や病院、医師への 盲目的な受け入れは日本の特徴
 医療提供者だけにその理由を問うのは当たらないだろう。医療だけでなく国民一般の意識が大きな影響を与えている。それを辿ると、日本の今の急激な「豊かさ」をもたらした多くの要素と重なってくる。

 医療や病院、医師への盲目的な受け入れは、「信仰」に近い。欧州諸国には見られない信頼であり、すがりようだ。モノの獲得を通じて豊かな生活を目指してきた発想そのものに通じる。家電製品やマイカー、新幹線など最新技術への礼賛は、病院や医療にも通じる。
 豊かさは、総中流意識を醸成して全国民が加入する皆保険システムも誕生させた。医療が低価格で使える手近な存在になったことも、医療信仰に拍車がかかった。
 心身に少しの支障が生ずると、すぐに診療である。通院から入院への回路は短い。日本人の受診率や入院期間はずば抜けて高く長い。
 受け入れる医療の側では、治療には熱心ではあるが、ほぼ治療を終えたに近い慢性期の高齢者には別の手立ては持ち合わせない。年齢にかかわりなく、受診に来た高齢者には病名を付け、診療報酬を受け取る。
 老衰による細胞劣化が全身で進行していても、高齢者は病名を求め、薬を欲しがる。これまでの医療のメカニズムに、高齢者と医療側がたやすく乗ってしもまう。老衰を「古いもの」「役に立たたないもの」として認めたがらない。新しいモノが「豊かさ」を生み、それを一心に追い求めてきた。老衰を嫌うのはその弊害であるが、自身は気付かない。
 患者の刻印を押されれば、手術や薬で手を打ち、また元の状態に戻ることができると願う。その「錯覚」に手を貸す医療側の責任は当然問われる。
だが、日本の医療教育では、「死」は教科書の対象になっていない。死への自然のプロセスを学ぶことはない。ギリシャのヒポクラテス以来の「医療者にとって死は敗北」という信条に絡め取られたままだ。
 生物は必ず死ぬ。人間も生物に過ぎない――そんな当たり前の事実から目を背けたいのだろうか。
● 「高度医療の投入は 必ずしも最善ではない」
 「死は苦しいもの」という世間の誤解を解くのは医療者の責務でもある。実は、終末期になると脳内麻薬と言われるβエンドルフィンと血中のケトン体が分泌されて、極めて楽な状態で生を閉じることができるのは医療界の常識。
 自然の摂理はうまくできている。枯れるような死である。人工栄養などの延命治療を施すとその放出が止まり、苦しみを味わうことになる。
 栄養補給の胃瘻などの延命治療を「高度な医療技術」としてきた医療者たちではあるが、見直し機運も実は高まりつつある。日本老年医学会が2012年1月に「高度医療の投入は必ずしも最善の選択肢ではない」と、胃瘻の中止を容認したのが好例だ。
 生活の質(QOL)を第一とする考え方を尊重したのである。
 病院死が多い理由の一つに、意思表明を鮮明に打ち出さない日本独特の精神風土と家族主義が影響していることは間違いないだろう。
 最期の段階を迎えた時に、本人は「家族に任せる」と言い淀み、振られた家族は「専門的なことは分からないからお医者さんにお任せします」となる。医師は回復の見込みがなくても、医療を続けることしか教育されていないから、当然、延命措置に走る。
 もし、本人が「十分に生きた。治療を止めてほしい」と事前に周囲に話していても、その時に意思疎通ができなければ、家族が正反対の方向に動くこともある。「親の死を自分が決めたくない」という心情からだ。本人よりも、家族の心が優先されてしまう。
 医療側にも延命治療に向かわざるを得ない理由もある。
 医療保険制度では、長期入院になると診療報酬が下がる。患者に早く退院して介護施設に移ってもらいたいが、施設側からは「嚥下障害のある方の入所は難しい。胃瘻を作ってもらえば、介助が楽になるのでOKです」と言われ、やむなく胃瘻を増設するケースが多い。
 こうした構造を断ち切らないと病院死は減らない。では、欧米ではどうか。
 まず、死生観が違う。食べられなくなるのは、死への一歩を踏み出したことだから、余計な治療をしない。人生は楽しむためにある。楽しみを奪われて生き続けることに価値があるのだろうか。胃瘻は、後で外すことを前提にしか付けない。延命手段とはしていない。
 日本の医師たちが欧米に視察後、「ろくろく治療もしないで患者を見殺しにしている」と語る光景に出くわしたことが一度ならずある。相当のギャップである。
 これからも病院死が多いままなのか。否。必ずや変わっていくことは間違いないだろう。
● これから始まる 死に対する「自己決定」
 まず、「お任せ主義」からの離脱が進むはずだ。自身に起きた障害をきちんと把握し、その治療法を選択し、最期の時の迎え方も選び取る。こうした自己決定は団塊世代の少し上の世代から始まるだろう。
 インフォームドコンセントやセカンドオピニオンは自然と身に付いている。戦後教育や企業人としての社会生活で常に状況選択を迫られ、実行してきたからだ。
 近年のエンディングノートの普及はその表れのひとつである。元気なうちから、要介護状態を想定して自分の意思をはっきりと表明する。食べ物や音楽、スポーツなどの好き嫌いが書かれていれば、認知症ケアには相当役立つ。延命治療についても、そのひとつひとつ、点滴をはじめ中心静脈栄養、胃瘻を含む経管栄養、人工呼吸器などの可否を記し、葬儀の内容まで具体的に描く例も出ている。
 自己決定による自己責任は、制度としても介護保険で実現されている。介護サービスの提供に際して、家族の有無や収入・資産の多寡などへの配慮は原則としてなく、本人の心身の障害だけで判断される。それまでの措置制度と大きく変わった。
 最近は、認知症ケアの要諦は「本人の意向を聞いてから」と認識されだした。国がこの1月に決めた認知症ケアの基本方針「新オレンジプラン」でも、「本人の意向を踏まえ」と書かれている。

 * *
 ところで、本人本位について余談をひとつ提供したい。
 厚労省内で本人本位の考え方がまだ徹底していないのか、失態が演じられている。高齢者ケアの基本戦略である「地域包括ケアシステム」を分かりやすく描いた通称「植木鉢モデル」のことだ。
 5つの要素を巧みに表現し、互いの連携が必要と訴えている。まず、植木鉢に相当する「すまいとすまい方」。中に盛られた土の「生活支援、福祉サービス」。そこから上空に伸びた3枚の緑色の葉が「介護・リハビリ」「保健・予防」「医療・看護」である。
 この植木鉢の下に皿があり、それは「本人と家族の選択と心構え」だ。つまり5つの要素の土台、出発点を成すのが皿というわけだ。問題はこの表現にある。
 本人と家族を同列視してはならない。介護保険の理念に反する。正しくは「本人の選択と家族の心構え」であろう。まず、本人の自己決定ありきだ。
 終末期を迎える場所が病院でない時代は、遠からず実現するだろう。今まで続けてきた暮らしの場で、穏やかに幕を閉じるのが自然の摂理であるからだ。そうなれば、冒頭の「高齢者移住構想」も消えてしまう可能性が高い。

 とうのも、現在の病床数(一般90万床、療養33万床)に対して、東京圏の必要数が足らないことが提言の前提にあるが、終末期を病院外で迎える高齢者が増えて行けば、必要数は相当に少なくていいからだ。
 看取りの場所が、特養や有料老人ホーム、それに急増中のサ高住(サービス付き高齢者向け住宅)であれば、病床不足はなくなってしまう。
 増田さんが期待する終末期医療の議論が盛んになればなるほど、同じ増田さんが唱える「高齢者移住構想」は不要となるはずだ。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150624-00073755-diamond-soci&p=1