心が満ちる山歩き

美しい自然と、健康な身体に感謝。2019年に日本百名山を完登しました。登山と、時にはクラシック音楽や旅行のことも。

北アルプス・折立から新穂高への縦走(2) 太郎平から薬師岳へ

2019年08月11日 | 北アルプス


薬師岳(2,926m)・北ノ俣岳(2,662m)・黒部五郎岳(2,840m)・三俣蓮華岳(2,841m)・鷲羽岳(2,924m)・双六岳(2,860m) (つづき)


 一時間ほど太郎平小屋で休み、薬師岳へと向かいます。明日の朝には、また同じ場所に帰ってくる予定です。
 空にはまだ雲が多いものの、遠くにピークが2つに分かれた山が見えます。水晶岳です。
 最初に木道や整備された石畳の道を下り、その後ゴロゴロした岩の、沢沿いの道に変わります。
 広い斜面を登っていくと、薬師岳の大きな大きな山容が姿を現しました。


 薬師岳山荘は建替えられてからおよそ2年で、木の香りのするきれいな小屋でした。
 夕食はテレビでロンドンオリンピックを見ながらでした。話をした人は、皆さんすべて明日は雲ノ平に行くようでした。雲ノ平も行ってみたいですが、黒部五郎岳に明日登れると思うだけでわくわくしました。
 昼頃よりも夕方の方が天気が良く、移りゆく雲を眺めているだけであっという間に時間が過ぎました。しかし、その後突然の夕立となりました。屋根を叩きつける雨の音に驚きました。


 「~ むかし有峰の人は、お山は日に五たび色が変る、と言ったそうだが、夕方、頂上近くの残雪が赤く映えて、下の方から紫色に暮れて行く美しさは、何ともいいようがなかった。~ 」(深田久弥『日本百名山』(新潮社版))

 翌朝は4時前に出て頂上を目指しました。
 山頂のご来光は最高でした。といっても、雲一つなかったわけではありません。ここからは、今日登る黒部五郎岳や、水晶岳、立山、白馬岳まで、数多くの山々を眺められました。北アルプスを巨大なスタジアムに例えるなら、ここは扇型の中心点のような場所、キャッチャーボックスに立った状態でご来光を拝めるのが薬師岳なのだと思いました。こんな山では、すっかり晴れ渡ってすべてが見通せてしまう水平線よりも、ところどころ雲がかかった中から太陽が出てくる方が雰囲気があっていいように思えました。
 雲上の槍ヶ岳のシルエットに感動しました。北アルプスの山に登って、槍ヶ岳を見るのは、この日が初めてでした。南アルプスや八ヶ岳よりは近いものの、ここから槍ヶ岳までは15km少しの距離があります。槍ケ岳は大きな山には全然見えませんでした。大きく見えることのない山でした。
 朝陽が照らす、残雪のあるカールはとても大きく、あの方角に登山道があると勘違いしてしまいそう(実際にはありません)な景色でした。
 

(登頂:2012年7月下旬) (つづく)



2 コメント

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Unknown (ken)
2015-01-14 23:23:35
はじめまして
自分が一番好きな山は?ていわれたら薬師岳と答えます。高校生の時に初めて登った北アルプスの山です。
なにが魅力か・・山頂から見るカールの美しさとか
なんかひきつけられるものがありますね。
ほそぼそと山登りを続けてもう50を超えました。
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薬師岳 (コメント有難うございます。)
2015-01-15 02:21:07
心温まるコメント有難うございます。初めてのご経験には、何か他とは違うものがあるのでしょうね。
もう一度薬師岳に登って、薬師から黒部五郎までの縦走ももう一回ぜひやってみたいです。
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