心が満ちる山歩き

美しい自然と、健康な身体に感謝。2019年に日本百名山を完登しました。登山と、時にはクラシック音楽や旅行のことも。

妙見山・妙見の森ケーブル(1)

2024年03月21日 | 中部・近畿地方の山


妙見山(660m)


  妙見の森ケーブルへ、廃止前に出かけてきました。一度も乗ったことはないのに、ニュースを聞いたときに懐かしさを感じました。ただし、妙見口駅まで電車に乗ったことはあります。これ以上は先に進めないという、行き止まり感の強い駅だったことは覚えています。 
 二十数年ぶりに、川西能勢口駅から能勢電車で妙見口まで行きました。電車の大きなモーターの音は、自分が学生の時に聞いていたものと同じでこれも懐かしいです。車内に「昭和37年」製のプレートがあります。
 途中の光風台駅は、短いホームを両側からトンネルで挟まれていて、山岳線の雰囲気たっぷりです。地形図を見ると、線路の両側にニュータウンが広がっていますが、車窓までは住宅地の空気が伝わってきません。 
 妙見口駅は梅田からおよそ30km、1時間で着きますが、そう思えない山深い場所です。大阪府では最北端の鉄道駅でもあります。
 ケーブルカーの乗り場は「黒川駅」で、妙見口駅から20分ほど歩きます。途中には石造りの灯籠、漆喰の塗られた蔵や立派な瓦葺きの家々があり、歴史ある感じがします。
 この道は、現在の一の鳥居が起点の、名を花折街道という妙見山への参詣道であったと言います。能勢電鉄には一の鳥居駅がありますが、名前の由来は「大阪方面から能勢妙見山詣の参道の入り口にあたり、一番最初の鳥居があったこと」とのことです(能勢電鉄ホームページより)
 旧街道が終わって国道477号線に出ると、大阪府と兵庫県の府県境があります。今日は大阪梅田を出てここに来るまで、府県境を5回も行ったりきたりしています。
 麓の黒川駅に着くと山上駅が見えます。高低差は223mあります。始点から終点が見え、線路は上下のすれ違い箇所を除き一直線で、高尾山ケーブルのようなトンネルもありません。どこをどのように走っているのか、見上げれば手に取るように分かるのがユニークだと思いました。線路の幅が1,435ミリ(新幹線と同じ)で広いのもあって、堂々としています。
 妙見の森ケーブルが廃止されたので、線路の幅が同じケーブルは、日本では静岡県函南町の十国峠ケーブルカーだけになりました。


 能勢電鉄 妙見口駅(2000年ごろ撮ったものだと思います。)



 (2023年11月中旬) (つづく) 



コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。