艦これ冬イベE-5攻略中。
今までご褒美が駆逐艦だったんで、資材溶かしてまでいらないと最終面は行かなかったんですが、
今回は正規空母なんで頑張ってます。和服いいよね。今まで何でいなかったのかしら。
それより久々の潜水艦ユーちゃんが超好み!
改もかわいいけど、そのままにしておきたいよ。2隻あればいいのに!
でも、とうらぶにかまけ過ぎて資材が足りない足りない。
刀剣乱舞は狐と鶯狩りで足踏み中。レベルばかり上がるので、1軍はもう5-3で経験値もらえません。
下の子は育ってないんで、5-3に連れていくべく育て中。面白い子が多いね。
公式だと84本には増えるらしいので、早く新しいマップとか短刀だけでクリアするマップとか作って欲しい。
大太刀や太刀でゴリ押しマップは男勝負で何も考えなくていいですが飽きます。
特にとうらぶは艦これに比べてガンガンレベルが上がるので、経験値制限は面倒です。
グッズ販売もいいけど、そっちを早く!! 後、イベントもしてほしいな。新男士入手の為に!
久々にネタがバリバリ出るので、本出したいわー。
進撃の巨人 第66話「願い」
て訳で別マは買ってたのに感想サボってました。へへへ。
注射の針を刺したヒストリアから。
針に巨人のエキスが付いてるせいなのか、突然色んな記憶が年代別に関わらず
走馬灯のように巡る。
主な記憶はユミルとフリーダについて。
クリスタの人生で深く関わってるのはこの二人しかいないしね。
最初に蘇ってきたのはユミルが巨人に変化するところ。
吹雪の中の行軍でのユミル。訓練生時代。
「なぁ…お前…いいことしようとしてるだろ?」
サシャにパンを持っていった時。
彼女は常にクリスタの側にいた。
同時に針の痛みは幼い頃、手に木の削げが刺さった事を思い出させた。
「痛ったぁ」
「どうしたの、ヒストリア?」
「トゲ、刺さった…」
「ありゃあ…見せて。
何これ? 木のトゲ?」
「私もそっちに行こうとしたから…」
柵の向こうに立つフリーダを追いかけようとして、手を痛めた。
誰も構ってくれない母や祖父母よりフリーダを慕うのは当然のことだった。
いつも帰ってしまうのがたまらなかったのだ。
「え…?…柵を越えようとしたの?」
「うん…」
フリーダは優しくヒストリアの手を取って刺を抜いてくれながら。
「…ダメでしょ?柵の外に出ちゃ…」
その優しい笑顔が突然、鬼女の如く裂けた。
「柵の外に出るなって言ったでしょ!!」
記憶操作で封じ込められていた、あれが姉のもう一つの顔。
人間の下の巨人の顔。人殺しの顔。
それがヒストリアを竦ませ、立ち止まらせた。
巨人になる事は本当に正しい事なのか。
王家の義務を果たす事は人類の為になるのか。
本来優しかった姉を壊す程の獣性を自分は背負いきれるのか。
「お前、いいことしようとしてるだろ」
ユミルのなじるような言葉。
ええカッコしい。
そうだ、この期に及んで、自分はフリーダみたいになりたかったのだ。
でも、フリーダは本当の「いい子」ではなかった。
柵の中にいろと強い命令も今にして思えば、姉は本当に彼女を愛していたのだろうか。
牧場の家畜。馬や羊。かわいいペット。
そんなものと同じなのではないか?
柵の中にさえいれば愛してあげる。
でも、決して外には出してあげない。
壁の中の人類のように。
そう考えだすと色んな疑問が吹き上げてくる。
「どうした、ヒストリア…。怖いか?
中の液を体内に押し込むだけでいいんだぞ?」
巨人に変わらないヒストリアに避難していたレイス卿が戻ってきて尋ねた。
「お父さん…どうして姉さんは…戦わなかったの?」
ヒストリアは疑問を払拭する為に父に尋ねた。
前に進まねばならないが、何でも前に進めばいいというものではない。
取り返しのつかない選択もある。
特に今は。
ケニーはちっとも騒ぎが始まらないので呆れた。
先月号の盛り上がりは何だったのだ。
「…何だよ。
根性ねぇな、ヒストリア。
さっさとなっちまえよ。
この世界の支配者に…」
エレンはグッタリしている。
抵抗するにせよそうでないにせよ、後一歩、奈落の底に踏み出すだけなのに。
ヒストリアは父に問うた。
「…フリーダだけじゃなくてレイス家は人類が巨人に追い詰められてから100年もの間…、
どうして巨人の驚異を排除して人類を解放してあげなかったの?
『すべての巨人を支配する力』を持っておきながら…」
針は腕に刺したままだ。明確な納得できる回答が得られるなら巨人になってもいい意思表示。
まぁ、もっと早く父に聞けばよかったんだろうが。
ヒストリアが最初、どう父親に言いくるめられてたか解んないし。
「思い出したの。
姉さんは…時々人が変わったみたいになってた…。
何かに取り憑かれたように…私達は罪人だとか言って…。
その後は…ひどく落ち込む。
ずっと何かに悩まされてるように」
恐らくは初代国王の記憶。
まるで狂気だ。
フリーダを夜叉に変えてしまう人格を受け継ぐのは危険ではないのか?
いくら真実を受け継ごうと、巨大な力を得ようと、元の人格はどうなってしまうのか。
ヒストリアは他人の都合でばかり生きてきたからこそ、最後の己まで喪うのが
たまらなく恐ろしい。
だが、父は無表情なままだった。
「それは…失われた世界の記憶を継承するからなの?
初代王の思想も受け継ぐという…」
「そうだ。
この壁の世界を創った初代レイスの王は人類が巨人に支配される世界を
望んだのだ」
その言葉に驚くヒストリア。そして、エレン。
巨人を駆逐し、人類を救う。
その為にこそ、エレンは食われてもいいと思った。
その願いが根本から崩れてしまう。
「初代王はそれこそが真の平和だと信じている。
…なぜかはわからない。
世界の記憶を見た者にしか」
父は娘の腕を強く握った。
早く注射しろと言わんばかりに。
何故か解らんで、こんな重大事をずっと続けていたんか。凄ぇな(^_^;)
ふつー止めようとかならなかったのは、王族の教育の成果なのか。
洗脳ぽいね。
「私も知っている…。
王の思想を継承した父がどうであったか…。
弟と共に人類を巨人から解放することを願い…、
何度も父に訴えた…何度も。
しかし、叶わなかった。
理由も決して明かさない」
若い頃のレイス卿とウーリ。
当時はちゃんと疑問に思い、抗議したり、意見してたりしたらしい。
(本当かどうか解らんが。関係者が全員死んでるので確かめようがないし)
「やがて父がその役目を子へと託す時が来た。
弟は継承を買って出る代わりに私にあることを託した。
どうか祈ってくれと」
あら、弟さんが兄から注射器を取り上げた事になってるわ。
長男や長女が継承する事になってんの?
だから、
でも、ウーリも早死してるし、巨人化は寿命を縮めるのかも。
無個性のままなら、ユミルの言う通り長寿みたいだが、
確かに肉体の異常な回復力とか、体によろしくはなさそう。
ライナー達も先行き短いって言ってたし。
エレンもいずれ…(´;ω;`)
でも、ウーリは何故レイス卿から継承を買って出たのだろう。
レイス卿の話が本当なら、弟さんは自分が巨人となって人類を解放したかったのではないか?
だが、実はウーリは真実を知りたかったんじゃないか?
父が拒否する理由。父が抱えた秘密。
継承した者は兄がいくら懇願しようと自分ひとりの物にできる。
その誘惑に逆らえなかったんじゃないか?
ケニーを引き入れたり、レイス卿は弟の決めた事に逆らえなかったようだし、
継承者こそが王族のトップだろうしね、ふつー。
まぁ、レイス卿は巨人なんかなりたくなかったろうから、弟の申し出は願ったりかなったりだろう。
いくら威張ろうが、弟が早死するのは解ってんだし、
人間としての人生謳歌して子供どっさりこさえてるしさ(^_^;)
反対に弟の人生って何やったんや。
フリーダの繋ぎで、ああやっと死ねる、解放されるって顔してたしな。
ええとこなさそう。壁の中じゃ巨人になれんし、座標の調整くらいしか役目ないし。
「私は巨人の力を受け継いだ弟の目を見て、その意味を理解した」
父親を食って目覚めたウーリは死んだ魚の目(((゜Д゜)))ガタガタ
私たちは罪人とか悪魔の末裔とか、自虐史観論者になっちゃうんだね。
でも、先祖は人類を踏み台にしたか何か知らんが、その子孫までその罪を引き継がなきゃいかんのか?
壁の中に逃げ込んだ事で、他の悪いことを締め出してきたなら、余計人類は壁の外に出なくちゃいけないんじゃないの?
壁の中に閉じこもってジワジワ滅亡していくより、飛び出して、誰か数パーセントの人間が未来をつかめばいい。
エレンや調査兵団が目指してるのはそういうことだろう。
真実や過去がいかに悲惨だろうと、生まれた新しい世代に罪はないし、もう散々罪は償ってんだから。
だが、過去にこだわり縛られるレイス家は、自らの地位の安泰の為にも、それを認められない。
罪を継続しなければならない。
だから、いかに悲惨だろうと、家族間で共食いを続け、それを正義と義務としか考えられない異常な家庭になってしまってる。
だから、語るレイス卿の目は狂信者のそれだ。
「この世界を創り、この世の理を司る。
全知全能にして唯一の存在へと弟は、なったのだ。
それを何と呼ぶかわかるか?
神だ」
まるで十字架にかけられたキリストような姿のエレンのその言葉をかぶせる。
だから、殉教すら誇らしいのだと言わんばかりに、初めてレイス卿は笑みを見せた。
「我々はそれを神と呼ぶ」
レイス卿は注射器を持つヒストリアの腕に手をかけた。
父のそれでなく、この儀式を行う司祭として。
「すべての災いには意味がある。
人類が滅ぶ定めにあるか。
生きる定めにあるかは神に委ねられる。
私の使命は神をこの世界に呼び戻し、祈りを捧げることにある。
説明が足りなくて悪かった。
しかし…我々に他の選択肢が残されているか?」
(…無い。
どの道、エレンの中に王の力があっても人類に望みは無い…)
ヒストリアは茫然として、父親を見つめ返した。
それが神なら陳腐な神だ。
過去の亡霊に取り憑かれ、自分の意思すら見失い、人類を助け、救うどころか、
ただ眺めてるだけの神。
壁の中で飼育されている家畜を眺める羊飼い。
たまに柵から逃げ出そうとする家畜を追い、増え過ぎれば、柵から放って狼どもに食わせるだけ。
主な仕事は柵を形作る巨人たちが目覚めないように補修するのみ。
助けない。救わない。
それはことわりに反するから。
だが、今は柵を直す事も、暴れる家畜達をなだめることも出来ないから、
司祭は焦っている。
早く新たな羊飼いを呼ぶことだけしか考えていない。
ヒストリアを神と呼んでも、かわいい我子と呼ぶことはない。
父は初めからそんな事を望んでヒストリアを引き取ったのではなかった。
父は神を愛しているし、自分の職務も愛している。
恐らく、彼なりにヒストリアを愛してると言うだろう。
だが、それは神の予備が全部食い殺されたからであって、
そうでなければ、どうだったであろうか。
父は家族を喪うまで、ヒストリアを気に留める事もなく、
命乞いをした後も、調査兵団に行くことを止めなかった。
だから、ヒストリアは父に望まれてる訳ではないと思い込み、
いい子ぶって死んでしまおうとばかり望んだのだ。
他人に惜しまれるような人物になれば、父も少しは悲しんでくれるだろうと。
ユミルにそれを見透かされるまでは。
かといって、ヒストリアは父に反論する材料を持ち合わせていない。
王家でなければ、真の座標の力は発動出来ないと父は言う。
だから、エレンは絶望し、己を食えと言った。
ヒストリアが巨人を駆逐すると宣言したから。
自分の望みを彼女に託そうとした。
しかし、まだ父は全部を語ったのだろうか。
父は肝心な事は解らないで押し通し、彼女を巨人にしようとしている。
それで本当に全てが解決し、壁の中に平穏が訪れると。
ただ、父は司祭に戻りたいだけではないのか。
神と名乗る者にすがりたいだけなのでは?
(…でも私は姉さんや歴代の継承者のように
初代王の思想に支配される…)
そうすれば、父に縋られるゾッとする苦痛からも逃れられるだろうか。
そこに愛がない関係でも。
レイス卿は目を閉じた。
「祈ってるよ、ヒストリア…。
神は人類を導いてくれると」
だが、神が望みは巨人に支配され続ける事だけだ。
破滅に導くしか考えていない。
ヒストリアが抵抗しても、あの狂気に飲み込まれて無力化する。
姉の苦悩は己を喪う苦痛なのだろう。
他人を演じ続けてきたヒストリアなら、その苦痛は少ないのだろうか。
個の少ない自分なら。
要らない子を初めて必要だと、父が望んでくれたのだし。
(そう…祈ることしかできない)
未来は神に委ねられる。
自分がその神になる。
ただ、その神が正しいのか誰も知らない。
その神自身も。
ふと塔でのユミルの言葉を思い出した。
『クリスタ。
お前の生き方に口出しする権利は私に無い』
(神を宿す…。それが私の使命…。
そして…お父さんが望む私の姿…)
注射器の中に神が詰まっている。
『だから、これはただの…私の願望なんだがな』
「さぁ…」
父はまるで愛してるかのように優しく、注射器のポンプを押すように促した。
だが、クリスタはもう知っている。
愛してるというのが、どういうものかは。
『お前…胸張って生きろよ』
朝日を背にナイフを手に、ユミルはこう告げた。
巨人の正体と引き換えに望んだ最後の言葉。
全てを引き換えにしたユミルに顔向け出来るだろうか。
巨人になって、胸を張れるだろうか。
彼女を全力で守ろうとしたユミルに。
あの時、ユミルは自分を解き放ち、クリスタはヒストリアになった。
彼女はクリスタを、ヒストリアを救ってくれたのだ。
反射的にヒストリアは注射器を床に叩き落としていた。
注射器が粉々になり、神の液体が散乱した。
レイス卿は一瞬呆然としたが、
「ヒストリア!!」
凄まじい形相で掴みかかる。
が、ヒストリアは兵士だった。
レイス卿の胸倉を掴み、一本背負で投げ飛ばす。
受身も取れない素人は思い切り床に叩きつけられた。
背中がビキッと音を立てる。
ヒストリアは仁王立ちで怒鳴った。
「何が神だ!!
都合のいい逃げ道作って、都合よく人を扇動して!!
もう! これ以上…私を殺してたまるか!!」
ヒストリアは身を翻すと、側にあったカバンを掴み、エレンの元に駆け上がった。
思わぬ展開にエレンは驚き、ケニーは快哉を叫んで、銃をぶっ放す。
「ハハハ…いいぞお前ら!! おもしれぇ!!」
「オイッ、ヒストリア!?
何やってんだよ、お前!?」
「エレン、逃げるよ!!」
ヒストリアは鍵束を引き出し、手錠に差し込む。
エレンは泣いて、喚いた。
「オイ!?
お前がオレを食わねぇとダメなんだよ!!
お前は選ばれた血統なんだぞ!?
オレは違う!!
オレは何も特別じゃない!!
俺がこのまま生きてたら、みんなが困るんだ!!
早くオレを食ってくれ!!
もう辛いんだよ、生きてたって!!」
ヒストリアはエレンのこめかみを拳でぶん殴った。
「うるさい、バカ!!
泣き虫!! 黙れ!!」
「な…?」
「巨人を駆逐するって!?
誰がそんな面倒なことやるもんか!!
むしろ人類なんか嫌いだ!!
巨人に滅ぼされたらいいんだ!!
つまり私は人類の敵!!
わかる!?
最低最悪の超悪い子!!」
ヒストリアは鎖を解き、右腰の戒めに取り掛かる。
「エレンをここから逃がす!
そんで全部ぶっ壊してやる!!」
ヒストリアがキレてしまった(笑)
ヒストリアがぶっ壊したいのは、壁の中の色んな秩序や縛るナニモノカなんだろうな。
家畜から野の獣へ。
が、レイス卿は体を引きずりながら、こぼれた液体へ向かっていた。
液体は既に激しく気化を始めている。
まるで巨人が消える時のように。
儀式は邪魔されたが、続行しなければならない。
生贄の子ヤギならもう一匹いる。
自分自身だ。
「父さん…ウーリ…フリーダ…待ってて…。
僕が今…」
子供のように泣きながら、レイス卿は舌を伸ばして、それを舐め取った。
その瞬間。世界が炸裂する。
超大型巨人を上回る巨人が出現した。
背骨が一瞬で柱を薙ぎ折り、凄まじい閃光があたりを包む。
熱風がケニーのいた柱すらへし折った。
「うお!!
ロッド・レイス…あの野郎…巨人になりやがったな」
エレン達も熱風を浴びた。
吹っ飛ばされなかったのは、むしろ拘束されていたおかげだった。
だが、熱い暴風で火傷しそうだ。
「…そうだ!!
レイス家が巨人になったんなら…オレがこのまま食われちまえばいい!!
もういい…ヒストリア…!!
逃げろ!!」
「嫌だ!!」
ヒストリアは鍵穴に合ってる鍵を探しながら叫び返す。
「だから何で!?」
「私は人類の敵だけど…エレンの味方」
その言葉にエレンは驚く。
愛する姉を食われて、エレンを睨んでいたのに、何故。
「いい子にもなれないし、神様にもなりたくない。
でも…自分なんかいらないなんて言って、泣いてる人がいたら…、
そんなことないよって、伝えに行きたい」
ヒストリアは必死に言った。
フリーダとユミルがそれを教えてくれた。
フリーダの別の人格は妹を家畜のように考えていたが、
フリーダはその人格に支配される己を恥じていた。
だから、姉はきっと妹を愛していたのだ。
何度も親に隠れて通うほどに。
だから、ヒストリアはいらない子などではなかった。
ちゃんと二人に愛されていたのだ。
エレンの父親だって、何か理由があったからここに来た。
レイス卿の話を鵜呑みに出来ない以上、エレンが必要ない人間である筈がない。
現にエレンは調査兵団が命懸けで守るほど大事な人間ではないか。
誰も必要ない人間なんて言わせない。
エレンが巨人になったのだって、絶対意味がある筈だ。
「それが誰だって!
どこにいたって!
私が必ず助けに行く!!」
やっと鍵があった。
が、鍵が空いた反動でヒストリアは背後に熱風で吹っ飛ばされる。
「ヒストリア!!」
が、壁に激突する寸前、腕が彼女の後頭部を支えた。
「無事?」
「ミカサ!?」
顔を上げるとリヴァイ班の面々が熱風を避けつつ、飛び降りてくるところだった。
「鍵をよこせ」
リヴァイがミカサから鍵を受け取る。
「兵長!!みんな!!」
リヴァイ、コニー、ジャンが同時にエレンにしがみつきながら、合う鍵を探った。
「急げ、コニー」
「くっそー、どの鍵だ、これ!?」
「いいか、半裸野郎!?
巨人だけじゃねぇぞ!?
鉄砲持った敵も飛んで来てんだ!!」
ジャンは毒づきながら、拘束を解こうとする。
「イヤ…その前に天井が崩落する」
リヴァイが冷静に天井を見上げた。
巨大巨人の出現に天井が耐え切れず、崩落が始まっていた。
ジャン達は慌てる。
「急げ!!」
三つの鍵が空いた。
「よけろ!!」
落下する大岩がたった今、エレンがいたあたりを直撃した。
全員は階段の奥に避難しながら、巨人の出現を見つめる。
ようやく形を成した巨人が立ち上がろうとするところだった。
足の筋肉はできてきているが、まだ上半身は骨格が剥き出しだ。
しかも巨大すぎて、天井をぶち抜かん勢いである。
「…何だ、このクソな状況は。
超大型の巨人ってのよりデケェようだが…」
リヴァイは呆れたように呟いた。
変化する熱量は膨大すぎて、立体機動では近づけまい。
しかも天井が壊れて、飛ぶことも難しい。
「…オイオイ」
崩壊していく天井をケニーも別の場所で飛びながら見ていた。
「オイオイオイ、ロッド!!
下手こいてくれたなっ!!
結局てめぇも巨人に無知だったってことはよ~くわかったぜ、クソが!!」
解っていれば、こんな場所であんな薬を選ぶまい。
もし、ヒストリアがなっていても状況は同じだろう。
火薬の分量を解らず、花火を作ろうとするのと変わらない。
爆発して、本人諸共消し飛んでしまう。
その時、ケニーは部下達が自分の元へ飛んでくるのが見えた。
この状況が解っていないのか、それとも助けに向かっているのか。
「アッカーマン隊長!!」
「バカ!! 来るな、お前ら――」
そう叫んだ瞬間、崩壊の音がそれを消した。
巨人は尚も立ち上がろうとしている。
無個性だし、多少の大岩が落ちてきても、ビクともしない程大きいし、
まず生まれたら立とうとするのは、動物の基本本能だ。
「マズイ!!逃げ道がねぇぞ!!」
ジャンは暴風から身を防ぎながら叫んだ。
(何で…!?
オレを喰うんじゃなかったのか…!?)
エレンは茫然と巨人を見つめた。
大型巨人は巨大すぎて、人を喰うことすら頭にないのかも知れない。
いずれにしても、場所が狭すぎた。
儀式もへったくれもない。
レイス卿は強さのみ追求しすぎて、対応した巨人の背丈など考慮しなかったらしい。
同時にエレンは改めてこの状況に気づいた。
自分達を助けにきたせいで全員死ぬ。
得意の立体機動も使えない。
この場所だっていつまで持つか。
(巨大化するか?
イヤ…地面が落ちてくるんだ…。
巨人の体程度じゃ防げない。
みんな潰れてしまう…)
エレンは視線に気づき、左右を見回した。
リヴァイを除く全員がエレンを見つめている。
当然、同じことを期待しているのだろう。
「~~ッ」
エレンは無念そうに天を仰いで歯ぎしりした。
涙がこぼれる。
この状況で15m級の巨人が何が出来るだろう。
相手は80か100m級。しかも地面が埋まれば、エレンとてどうしようもない。
「ごめん、みんな…。
オレは役立たずだったんだ…。
そもそも、ずっと…最初から。
人類の希望なんかじゃなかった…」
せめて、自分が見た記憶の事と座標について話しておかねばならない。
無駄骨を折らせてしまって、謝罪しておかねば死んでも死にきれない。
だが、俯いた時、カバンから何かの薬品瓶が転がり落ちたのを見つける。
ラベルの文字を読んだ。
「ヨロイ・ブラウン」と書いてある。
「…ヨロイ?」
ライナーもアニも硬化能力を持っていた。
あれは才能なのかと思っていたが、薬のせいだったのか?
「何だ? 悲劇の英雄気分か?
てめぇ一回だって自分の力一つで何とかできたことあったかよ?」
エレンがグリシャの記憶を見た事を知らないジャンは混ぜっ返した。
「弱気だな…初めてってわけじゃねぇだろ、こんなの」
「別に慣れたかぁねぇんですけどね!」
エレンの心が折れたのを知らないので、コニーもサシャも真面目に受け取らない。
「エレンとヒストリアを抱えて飛ばなくたって脱出は厳しい…」
「あの巨人の熱…これ以上近づくと焼け死にそう」
「それでもイチかバチかで飛び抜けるしか…」
兵長とミカサは冷静に状況を分析してるが、サシャはヤケっぱち。
「ダメだ…もう逃げ場はない…」
エレンは泣いた。
まだ絶望したままでどうしても弱気な事しか言えない。
仮に助かったところで先がないのに。
だが、ヒストリアは挫けなかった。
「じゃあ何もせずにこのままみんなで仲良く潰れるか焼け死ぬのを待つの?
私達が人類の敵だから?」
やや辛そうに付け加える。
エレンは彼女を見返した。
儀式を中断したおかげでエレンはまだ生きている。
「人類の敵だけど、エレンの味方」
あの言葉にエレンは随分救われた気がしたのだ。
要らない者同士だからこそ、あの言葉は響いた。
巨人と人間の垣根すら、ヒストリアは軽々と越えてきた。
ならば、生きてる限りはまだ少しでも先があるかも知れない。
リヴァイが口を開いた。
「毎度お前にばかり…すまなく思うが、エレン。
好きな方を選べ」
その瞬間、エレンの脳裏の女型との戦いが浮かび上がった。
巨人になって女型と戦うか。
それともリヴァイ班と共に走り続けるか。
あの時は失敗した。
巨人になっていれば、連携して女型に勝っていただろう。
だが、絆や信頼は失われたかも知れない。
肝心なところで勝手をする奴だと。
それでも、エレンは何度も後悔した。
巨人になっていれば、彼らは死なずに済んだ。
信頼もいずれ回復しただろうに。
リヴァイも同じことを思っているのだろう。
それでも、尚エレンに同じ選択を迫る。
兵士というのはそういう職業だ。
常に生死の選択を迫られる。
エレンは唇を噛み締めた。
信頼しているからこそ、リヴァイはそういう選択をしてくれたのだ。
あの時の借りを返さなければ。
「うああああああああああああ」
エレンはヨロイの瓶を掴むと、巨人に向かって突進した。
崖から飛び降りながら瓶を噛み砕く。
(ごめんなさい…。
最後に一度だけ…許してほしい。
自分を信じることを)
エレンのいた場所から、閃光が炸裂した。
巨人への変貌の輝きが。
次号へ続く。
巨人の薬って舐めてもOKなの?!Σ(゜口゜;
一番の驚きだった。
別に注射する必要ないやん。
注射する事が意味あるのかな?
舐めるだけじゃ大した量は摂取できないのに。
ケニー一家はどうなっちゃうんでしょうねぇ?
何げに好きなので生き残ってほしい。
こんな状況なんで、リヴァイ班と連携して欲しいよ。
今だけ休戦で。
ヒストリア、毎月性格がコロコロ変わってるよーな(笑)
ユミルがいるから救われて、そのおかげでエレンも救われた。
背中合わせのいい関係です。
恋愛にはならなさそうだが。
レイス卿の話はどこまで本当か解んないので、話半分。
ヒストリア、もっと前に色々突っ込んでたらこんな土壇場でこんな事には(笑)
しかし、レイス卿、薬の分量知っておこうぜ(^_^;)
飲みすぎ、危険だよ。
フリーダ、コワッ! 楳図かずおみてぇ(((゜Д゜)))ガタガタ
時々あんなになるんじゃ、クリスタも怖かっただろう。
記憶操作ってつくづく便利だ。
リヴァイが優しすぎて涙。
本当はあんな選択させたくないんだろうな。
彼自身が一番後悔してるだろうに。
しかし、今のリヴァイ班を生き延びらせるという使命があるから
かわいそうとか言ってられんのだよな。
て、訳でやっと硬化能力を手に入れるエレン。
これでシガンシナ区に行けるかな。
さて、巨大巨人どーすっかな。
倒すにはデカ過ぎるし、無個性が壁の中うろつかれても困るし、埋めてまうしかないやろうな。
アニは地下は狭くて、体が詰まるからヤダーってあんなに嫌がってたのにね。
無個性はこれだから(笑)
うおー、次回が気になるぞー!
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