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 秋 田 奇 々 怪 会

心霊現象、死後の世界、臨死体験、輪廻転生、古代文明、オーパーツ、超常現象、UFO等不思議大好きの会です

イザベラ・バード奥地紀行1

2018年05月01日 | 本・雑誌から
先日に「逝きし世の面影」を題材に連載をした。
何故これが不思議を追求する奇々怪会の題材なのか違和感を持った人もおられたかも知れない。一方で外国人から見た日本の姿が目新しかったとの声もいただいた。
私たちは古代の遺跡を訪ねる事によって、それまで知らなかった昔の人の生活に触れ驚愕することがある、そういう意味であの連載を企画したのだ。
その趣旨からもう一つ格好の題材がある、今日からイザベラ・バードの連載をしてみたい。お付き合いください。


イザベラ・バードをご存知だろうか? 先日までの逝きし世の面影にも多少顔を出していた人だ。(例文*また、日本の家の清潔さを「汚れた長靴で立ち入るのがはばかるほど」という人だけでなく、イザベラ・バードに至っては日光の町に立ち寄った時、街路が掃き清められて、あまりに清潔なので、泥靴でその上を歩くのが気が引けたとまで言っている。)
彼女は英国人女性の旅行家で1878年(明治11年)6月から9月まで、明治維新直後の東北~北海道を単身で旅行(日本人通訳は同伴)している。
「日本奥地紀行(原題 Unbeaten Tracks in Japan=直訳は日本未踏の地)」という著書を残している。
この時47歳、その後も数回日本を訪れ関西、九州も訪問している。日本だけでなく世界中を回っているが、朝鮮・中国も訪問それぞれ旅行記がある。1904年、72歳で没している。
 
          
本著作は作者の妹や親しい友人にあてた旅行中の私信で、それらをまとめた手記となっている。作中に明治11年の日本の現実が描かれているが、英国女性を通して客観的に書かれているので、まことに興味深い内容であった。
この旅行記には維新直後と言いながら、特に東北地方では江戸時代の状況が色濃く残っている状況が細かく記されている。
又特に、私の住まいする秋田も訪問、湯沢~横手~神宮寺~久保田(秋田)~大館の観察記録が興味を引くし、なんと土崎みなと祭りも見学しているのである。
なお、この明治11年がどういう年かと言えば、前年明治10年西郷隆盛が西南戦争で戦死していて維新後10年とは言え、まだまだ日本は安定してはいない。

これから数回に分けて彼女の見た日本の姿を紹介してゆきたい。なお、時々に供する画像(スケッチ)は彼女自身の描いたものである(これが上手い)。
北海道に渡ってからアイヌのに宿泊して、そこの観察も多岐に亘っているがここでは本州だけに限定するので予めご了解ください。

彼女は1878年(明治11年)5月に船で横浜に着き次の印象を述べている。
「上陸して最初に私の受けた印象は、浮浪者が一人もいないことであった。街頭には、小柄で、醜くしなびて、がにまたで、猫背で、胸は凹み、貧相だが野優しそうな顔をした連中がいた」
「桟橋の上に屋台が出ていた。こぎれいで、こじんまりとした簡易食堂で、火鉢があり、料理道具や食器類がそろっていた」
 
     
 

「税関では応対に出た役人はたいへん丁寧な人たちで、トランクを開けて調べてから、紐で再び縛ってくれた。NYで同じ仕事をする。あの横柄で強引な税関吏と、おもしろい対照であった」
こうして知り合いのいるホテルに滞在、奥地旅行の計画を話すと”大丈夫だろうか”の反応が多かったという。この旅行は勿論まだ鉄道も走っていない時代、人力車、徒歩と主に馬に乗っての計画だが、誰に言わせても”日本旅行で大きな障害になるのは、蚤の大群と乗る馬の貧弱な事”といわれたそうだ。

その後、彼女は奥地旅行を実施する事を決め通訳を雇う。何人かを面接するが最終的に18歳の若者、伊藤を雇うが当初のイメージは決して良くない”私はこんな愚鈍に見える日本人を見たことがない。この男が信用できず、嫌いになった”とさえ言っている。しかし、彼の英語力が決め手になったか・・・彼を雇う。
契約の日、彼は一カ月分の給料の前払いを要求、彼女は応じた。知り合いは「あの男は二度と姿をみせないかも」と彼女を慰めたそうだが、約束どおり来て仕事ぶりも段々に評価される事となる。

さて、出発の荷物は彼女が50Kg、伊藤が40Kg(原文はポンド、距離はマイル、長さはフィートだが全て換算して表示する)、合わせて普通の馬一頭が運べる量であったと記録されている。彼女の道具で特徴的な物は組立式寝台、ゴム製の浴槽、折畳みイス、馬に乗るための鞍等の馬具、防虫剤、少量の食品といったところだ。
出発は3台の人力車、これで150キロ先の日光まで行く。旅券も携帯していざ出発だ(出発日6月10日)。
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