秋 田 奇 々 怪 会

心霊現象、死後の世界、臨死体験、輪廻転生、古代文明、オーパーツ、超常現象、UFO等不思議大好きの会です

      「奇 々 怪 会」 とは、どういう会なのか


昭和30年前後にイギリスのネス湖で恐竜ネッシーの存在が話題となり(湖面を泳ぐ姿が目撃され、写真に撮られたりした)、ヒマラヤで雪男の足跡が発見された等などが新聞やテレビで話題になりました。
こうした話題は昔から私達の興味を引く出来事だったようです。

いや、もっともっと旧くには・・・
秋田出身の国学者・平田篤胤は異界・幽冥の世界の有様をまとめて、1822年(文政5年)に『仙境異聞』を出版しています。
実は文政3年秋の末、篤胤45歳の頃、江戸で天狗小僧寅吉の出現が話題となっていたそうです。
寅吉は神仙界を訪れ、そこの住人たちから呪術の修行を受けて、帰ってきたというのです。
篤胤は、天狗小僧から聞き出した異界・幽冥の世界の有様をまとめて、出版したのが『仙境異聞』であります。これが当時大きな話題となったと伝えられています。
ことほど左様に”不思議な話”は、いつの時代でも人の興味を引き付けるのだと思われます。

心霊現象、死後の世界、臨死体験、輪廻転生、古代文明、オーパーツ、超常現象、UFO、UMA、ツチノコ・・・・・
身近では霊的な場所、遺跡、神社、お寺、巨木等なども私達の興味を引き付ける様です。


奇々怪会は、こうした事に興味を持つ人の集まりです。
新規の入会を希望する方は下記までご連絡ください。
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「東北見聞録~謎と不思議と珍談と」第四話

2017年06月11日 | 本・雑誌から
月刊「釣り東北」連載「東北見聞録~謎と不思議と珍談と」~砂浜の伝説巨石

♪「秋田名物~八森ハタハタ、男鹿で男鹿ブリコ、能代春慶、桧山納豆、大館曲げワッパ~」と歌われるのは秋田民謡「秋田音頭」。秋田を代表する賑やかで明るい民謡の一つで、秋田名物がふんだんに登場する。
そのトップを飾る名物が秋田県民魚とも言われるハタハタで、漁場は秋田県最北の旧八森町…平成18年に隣の峰浜村と合併した現在の八峰町だ。中でも岩舘海岸は、釣り人が大勢訪れるスポットとしても知られる。この旧八森町の砂浜に、ある日突然出現したとの伝説が残る巨石・オカムイ岩が存在する。果たしてその正体とは?

①八つの森
世界遺産「白神」の町として一躍脚光を浴びた旧八森町は、海岸線のすぐ近くまで迫る山々との光景が見事に一体化している。その町名は、八つの森…大母爺森(おおもやもり)森・小母爺森(こもやもり)・大糠森(おおぬかもり)・小糠森(こぬかもり)・相善森(そうぜんもり)・狐森(きつねもり)・鷲森(わしもり)・学森(がくもり)に由来する。
旧八森町は、津軽の殿様が飲んだと伝わる名水「お殿水」、全国でも例が無い奇習で毎年8月1日に神輿が瀧浴びをする白瀑(しらたき)神社の祭典、明治21年に発見され、露天掘りで日本一の銀山として注目された発盛鉱業所跡等、農林漁業の他にも多くの観光資源を持っている。更に独特の地形と地質の白神山地の一部と沿岸地域は、昨年ジオパークとして認定され、観光案内標識等の整備も行われている。

②カムイとは?
神威(カムイ)と言えば、有名なのは北海道積丹町の神威(カムイ)岬とカムイ岩だ。カムイとはアイヌ語で神格に値する高位の霊的存在の事だそうで、アイヌ民族の歴史の中では動植物や自然現象に至るまで、水・樹木・山・動物・魚等あらゆるものにカムイが宿っていると考えられて来た。
筆者がカムイの名を知ったのは、かなり古くなるが白土三平の漫画「カムイ伝・カムイ外伝」で、当時カムイについて深く考える事は無かった。しかし、秋田県八峰町のジオパーク内に「オカムイ岩」と言うカムイ由来の巨石が存在すると知って「是非、この目で!」との探究心が沸き起こった。

③2つの巨石
能代市から国道101号を青森県方向目指し進むと、やがて旧八森町に入り右手に小高い山々、左手に美しい海岸線が続く。Y字路から岩舘漁港に降りる坂の中腹から見下ろすと、何やらそれらしき奇岩が見えて来た。
そして小入川地区に入ると眼前に屹立する巨石に出会った。「これは?」これまで何度も足を運んでいるが、今回は特別な思いに駆られた。岩の下に「八峰白神ジオパークNo13立岩とオカムイ岩伝説」のジオポイント解説板が設置されている。眼前の巨石は「立石」で、その伝説は「昔、笛が上手な若者がいて笛吹きに夢中になっていました。若者は自分に思いを寄せている乙女がいる事に気づきませんでした。乙女は悲しみ、海に身を投じてしまいました。それに気づいた若者は、あの世に旅立った乙女を思い毎日笛を吹き続けているうちに、とうとう立岩になってしまいました。」と記されていた。「さぁ、次は目指すオカムイ岩だ」

④果たして…その正体は?
オカムイ岩については、「岩の底部が上部の岩質と異なるのでは?」「外部から運び込まれたのでは?」等の推測説が有り、解説板を見ても「ある風の夜、小入川に住む人が自宅の窓から海の方角を見たら、沖合いから光の玉が飛んできて、岸辺に落ちました。翌朝、光の玉が落ちたと思われる場所に出向いたら、今まで無かった大岩が転がっていたといいます。
この年からニシンの大漁が続いたので、人々はこの岩を<オカムイ岩>として祀ったと言い伝えられています。」と、突然出現したとの記載がある。町史や郷土史にも、明治の初期に妖しい光が飛んできて大岩が現れたと同様の記述が見られる。
ニシンと言えば北海道が本場で、ニシンのカムイのご利益にも繋がる信仰だ。旧八森町と県境にある深浦町岩崎にもニシンに関するオカモイ様伝説が残る事から、漁業との深い関連性が推測出来る。
さて、立石から砂浜を踏みしめて目指すオカムイ岩にたどり着く。高さはおよそ5メートル、巨大な様相の威厳を持つ正に大岩だ。岩の上部には小さな祠が祀られていて、信仰の深さを今に伝えている。観察すると台座に当たる岩盤と上に乗っている巨石の石質が違うのか?色が異なる風に見える。これが「移動説」「突如出現説」の根源なのかも知れない。
筆者もかつて遺跡調査に関わって来た経験の中で、スタート時は「何でも受け入れ型」だったが、途中から「消去法」に変化し、確実性を重視した。そこで今回のこの見聞では「確かに台座と巨石の関係は不思議な様相だが、浸食等の自然の力がもたらした結果では?」と考える。いずれ石質の調査をすれば結果は歴然とする筈なのだが…。しかし、江戸期の紀行家菅江真澄も訪れたこの地の伝説と信仰には「現代科学」は不要なのかも。



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