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衛生学 病原微生物

2005-03-19 14:57:47 | 解剖生理学・衛生学・健康学・その他の学問
病原微生物と感染症
微生物の存在が確認されたのは、17世紀にレーンフック氏が顕微鏡を開発してからの事です。
微生物と病気の関係が知られるようになったのも、ずっと後の事。
ギリシャ時代、ヒポクラテスは伝染病の流行は、気候や風土の変化による空気の汚染、即ち瘴気(毒気、瘴毒)が原因であると考えていた。
また特別な体質などという体質説もあった。
病原体と微生物の関係を明らかにしたのは、パスツール氏とローベルト・コッホ氏です。

パスツール(Louis Pasteur)
(1822-1895) フランスの化学者・細菌学者。酒石酸の旋光性を示し、分子の立体構造の研究に道を開く。
乳酸菌・酪酸菌などの発見を通じ、発酵・腐敗が微生物によって起こる事を証明し、生物の自然発生説を否定。
また、弱毒化した培養菌によって免疫を得る方法を確立、狂犬病ウイルスを発見しワクチンによる予防に成功。
加熱殺菌方と液体培養法。

ローベルト・コッホ(Robert Koch)
(1843-1910) ドイツの細菌学者。炭疽菌の純粋培養、結核菌・コレラ菌の発見、ツベルクリンの創製など、近代細菌学に画期的業績を残した。
固形培地、伝染病の病原体を特定する為の“コッホの3原則”など。
コッホの3原則:(Henle-Koch postulate)
1)一定の伝染病には、一定の微生物が必ず存在する。
2)微生物を分離し、取り出す事が出来る。
3)分離した微生物で、実験的に伝染病を起こる事が可能。

細菌の性状
単細胞の微生物で、細胞壁、細胞膜、細胞質、核などからなり鞭毛が有る、核膜の無い原核生物の一群。
球状・桿状・螺旋状などを呈し、葉緑体・ミトコンドリアなどを持たない。原則として二個に分裂して増える。動植物に対して病原性を持つものも有るが、広く生態系の中にあって物質循環に重要な役割を果たしている。分裂菌類。バクテリア。
細菌の中には、乾燥などの環境の変化に適応し、細胞内に芽胞といわれる耐久形を作る。
芽胞は、熱や乾燥などに強く、100℃の加熱でも有る一定時間耐えられる。
鞭毛(べんもう)とは、鞭毛虫類やある種の細菌、藻類・菌類などの遊走子や配偶子、動物の精子などの体表面にある運動性の細胞器官。一本から数本の大形のものを鞭毛、短くて多数のものを繊毛と呼ぶ。

細菌は、大きく3つに分けられる。
球菌:球形の細菌の総称。単球菌、双球菌、連鎖球菌、ブドウ球菌、四連球菌、八連球菌など。
桿菌:棒状の形をしている細菌。納豆菌・根粒菌・赤痢菌など。
螺旋菌(スピロヘーター):炎症のある胃粘膜や歯周病の歯周ポケットに存在する可能性が有る。カンピロバクター属など。

リケッチア(Rickettsia)の性状
小型細菌類と大型ウイルスの中間に位置する微生物。グラム陰性菌と似た構造のリケッチア科の細菌。
球状または桿状で、細菌より小さくウイルスよりは大きく、0.3μ~0.5μ程度。
細菌と異なり、人口培地では発育せず、ウイルスと同じく生体内でのみ発育。
主に節足動物(昆虫類・蜘蛛類・ムカデ類・ヤスデ類・甲殻類など)の媒介により感染。
発疹チフスリケッチア→虱(シラミ)
ツツガムシ病リケッチア→ダニ
ペスト蚤(ノミ)
Q熱→ダニなどの媒介(ベクター)を必要としない。
紅斑病マダニ類

ウイルス(Virus)の性状
ウイルスは、大きさは0.02μ~012μ程度(細菌の1/20)。
細胞壁や細胞膜は無く、核だけの病原微生物。
核酸としてDNAかRNAのいずれかを持ち、蛋白質の外殻で包まれている。動物・植物・細菌を宿主とし,殆どのものがその生合成経路を利用し増殖。(細胞への吸着→細胞内侵入→細胞内で成熟・増殖→細胞外放出)

感染
病原微生物が生体(人間、動物、植物)の組織や体液に侵入、或いは表面に定着し増殖する状態になると感染という。
但し、微生物が体内に入っても、直ぐ死滅したり、何も起こらないまま素通りしてしまうものは感染といいません。
感染後、生体異常が出てくる事を発病。また、その病的状態を感染症と呼ぶ。
感染原因となる微生物には、原虫、真菌、細菌(球菌、桿菌、らせん菌、スピロヘータ、マイコピラズマ、リケッチア、クラミジアなども含む。)、ウイルスなどがある。
病原微生物が人や動物内に侵入し、定着、増殖し感染を起こし細胞破壊や毒を出し害を与え、一定の潜伏期間を経た後、病気となる。

感染の種類
顕性感染不顕性感染:感染し発病した状態を顕性感染。感染したが発病しない状態を不顕性感染

持続性感染:ウイルスの感染を受けた宿主が、長期間に渡り、ウイルスと共存している状態。宿主=ウイルス保持者(キャリア)

日和見感染:健康な時は、通常感染を起こさないような弱い微生物により感染、発病する事をいう。病気や薬剤などの影響で抵抗力が低下している時に起こる。
病原体の種類
細菌:緑膿菌、表皮ブドウ球菌、リステリア、ノカルジア、プロテウス、否定型抗酸菌など。
ウイルス:サイトメガロウイルス、単純ヘルペスウイルス、水痘・帯状疱疹ウイルスなど。
真菌:カンジタ、クリプトコックス、アスペルギルス、ムコールなど。
原虫:ニューモチスチス・カリニ、トキソプラズマなど。

潜伏期
病原体に感染し、発病までの間を潜伏期をいう。

常在細菌叢( フローラ )
人間は出生後(正確には産道を通った時点から)から各種細菌に汚染される。特に皮膚や鼻腔、口腔、消化器官などの粘膜には、色々な細菌が定着。これを常在細菌叢という。
常在細菌叢は人にとって、より毒性の強い細菌から感染する事を抑制するなど、有利に働く事が多いですが、一方で日和見感染などを引き起こす事もある。
腸内の乳酸菌の仲間が作る腸内細菌叢などが良い例。

感染経路
感染源
人体感染源:患者、保菌者、接触者など。保菌者には潜伏保菌者、病後保菌者、健康保菌者など。
動物感染:鼠(ワイト病、ペスト)、牛(結核、炭疽、サルモネラ症)、馬(炭疽)、豚(サルモネラ症)、犬(狂犬病)、野鼠(ツツガムシ病)
節足動物感染源:蚊(マラリア、日本脳炎)、シラミ(発疹チフス)、蚤(ペスト)、ダニ(ツツガムシ病)、蝿、ゴキブリなど。
土壌感染源:破傷風など土壌中に病原微生物がいる場合。

感染経路:病原体が身体に至るまでの経路の事。
感染源から直接伝播する直接感染と物や動物を介して間接伝播する間接感染がある。
直接感染
接触感染:皮膚や粘膜同士が直接触れ合う事で感染する。性病など。
飛沫感染:咳やクシャミ、会話時に飛び出す唾液の飛沫に含まれる病原菌を吸い込む事により感染。百日咳、インフルエンザ、結核など。
胎内感染:母体が感染している場合、妊娠中の母体より胎盤を介して感染が起こる事がある。胎盤は、殆どの感染から胎児を守るが、梅毒や一部の病原体(病原微生物)は感染する事が有る。母体から胎児への感染を垂直感染ともいう。

間接感染
媒介物感染
器物や衣服、虫刺などを介して・・・白癬症(水虫・たむしなど)、伝染性膿痂疹(とびひ:主に黄色ブドウ球菌感染。他はレンサ球菌感染)
飲食物を介して・・・コレラ、腸チフス、赤痢、細菌性食中毒など。
輸血、血液製剤を介して・・・B型肝炎、C型肝炎、エイズ(HIV)、梅毒など。

空気感染
飛沫核感染(エアゾール感染)・・・飛沫により更に小さな、飛沫核が空気中に浮遊し起こる感染。麻疹、水痘など。
塵埃感染(じんあい)・・・乾燥などに適応できる病原微生物が、空気中の塵埃に吸収され浮遊し、感染する。


感染予防
予防対策は感染源対策、感染経路対策、個人予防対策及び集団予防対策に分けられる。
感染源対策:感染源となる患者を早期に発見、隔離し、汚染物を徹底消毒する事。
法定伝染病指定伝染病は届出と隔離が義務。
法定伝染病・・・赤痢、猩紅熱、疑似赤痢、コレラ、ペスト、ニューカッスル、狂犬病、炭疽、ブルセラ、結核、ヨーネ、SARS(日本ではまだだっけ?)、BSE(狂牛病)など。
指定伝染病・・・コレラ、細菌性赤痢、アメーバー性赤痢、疫痢、腸チフス、パラチフス、痘そう、発疹チフス、猩紅熱、ジフテリア、流行性脳脊髄膜炎、ペスト、日本脳炎、急性灰白髄炎、病原性大腸菌O-157など
届出伝染病・・・隔離は無いが届け出が必要。性病や結核、癩(ライ)、トラコーマ、日本住血吸虫、食中毒も届出です。

学校では、学校伝染病を規定し、届出と感染期間を考慮し学級閉鎖などを行う基準がある。

感染には経路遮断がまず第一歩
直接感染を避ける方法:患者との面会謝絶、病室別換気と消毒、予防着やマスク着用、手洗いなどを十分に行う。
直接感染を防ぐ方法:汚染物の消毒。伝染病の種類により病原体の排出経路が有るので、適応消毒処置を行う。
飲食物による感染防止:貯蔵、製造、調理法への徹底的な衛生的管理が必要。
昆虫や動物媒介の感染予防:蝿、蚊、虱、ダニ、蚤、鼠などの駆除をはじめ、環境衛生への取り組みが大切。

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