まさか再び119番することになろうとは。
「ごめん、30分だけ休みたい」
夕食後少し経って、ゆっくり席を立ちました。寝室へ歩き出そうとした時の顔色が物凄く悪かったので、何となく彼に声掛けしながら付き添い、寝室まで。そして寝室の入り口で彼の意識が朦朧とし、疎通が悪くなり、大量の発汗と嘔吐、尿便の失禁となったのでした。
「これはマズい…救急車呼ばないと」
咄嗟にそう思い、一応彼に119番することを伝えた上で連絡を入れました(反応は薄かったです)。
これは体験しないと分からないかもしれませんが、人が死に面している(かもしれない)場面に、何とかできるのが自分しかいないという事実と感覚…夫の時もそうでしたが、自分の手が触れている相手の温もりや体動が刻一刻と変化していく様にひたひたと言い知れぬ恐怖を感じるのです。今この瞬間命が失われるかもしれないという恐怖感と助けたいという使命感がないまぜになって、こちらの息が止まってしまいそうになります。
彼と私は両方とも独身で、倒れたのは私の自宅だったし、もちろん彼とイチャイチャ中だった訳でもなかったので、迷いなく救急車を呼べました。その後救急隊への説明も何一つ隠すことなくそのまま伝えられたのは良かったです。
もし、倒れた場所がラブホだったら…二人の関係が不倫だったら…やっぱり対応に一瞬の躊躇があったかもしれません。
とは言え、彼は身内ではありません。搬送先で手術になっても私では同意できないのです。私達が友人関係と分かるとすぐさま家族の連絡先を聞かれました。
そういう意味で、「お薬手帳は常に携帯しないとだね」とか「緊急連絡先はお互い知らせておこう」等々、熟年恋愛ならではの備えが必要なことがわかりました。
結局、今回彼は救急搬送ではなく、私の車で夜間救急に掛かるという判断になり、その後病院で検査を受けて、日付を跨いで帰宅しました。
病状の詳細は書けませんが、彼は一晩休んで、今日かかりつけ医に行く予定で自力で帰っています。原因のわかる一過性の症状だったのが不幸中の幸いでした。
言えることがあるとすれば、台風の深刻な影響があったということでしょうか。台風のストレスも今回の要因の一つに挙げられるようでした。