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「高輪築堤の全面保存を求める会」主催 日本イコモス国内委員会の伊東孝講演会

2021年07月05日 | 高輪築堤保存問題

「高輪築堤の全面保存を求める会」主催 伊東孝氏(産業遺産情報センター 研究主幹・日本ICOMOS国内委員会「技術遺産小委員会」 主査・産業遺産学会元会長)の講演会

710日(土)午後5時30分開場:6時開会 会場:港区立港勤労福祉会館第一洋室(但し、コロナ過のため定員50名ですので、参加出来ない場合がありますのでご了承ください)

伊東孝共著『鉄道施設における遺産とは「鉄道遺構 再発見」』から

鉄道施設における遺産とは
 さて、鉄道というインフラ施設の大きな特徴は、レールでネットワークが構成されていることにある。同様に道路インフラは高速道路や道路・街路でネットワークを、さらに電気、上下水道、ガス、電話などのライフラインのインフラ施設も、それぞれ独自のルートでネットワークを構成している。
  機関車や列車が走り、非常時の場合、ブレーキ荷重もかかるレールは、耐久性と精度が要求され、製造には高度な鉄鋼技術が必要とされた。一時期、製鉄所の良しあしは精度の高さに加えて、どれだけ耐久性のあるレールを造れるかにあった。それゆえレールには一般型鋼にはない情報量がレール側面に陽刻されている。メーカー名、単位重量(レール1mあたりの重さ)、断面規格、製造年月、製鋼法、納入先名などである。これによって、レールの品質と共に、トレーサビリティ(迫跡可能性)を保証したのである。
  一口にレールといっても、皆さんお馴染みのJRや新幹線、私鉄各社の別がある。それによってレールの軌道輻が違うし、同じ軌道幅でも単位重量の違うレールもある。また同じ重さでも、レール形状によって名称がかわる。わが国最初の鉄道である明治5年に新橋―横浜間で使用されたレールは双頭レールであった。レールの上下が使用でき、一方がすり減ったとき、上下を入れ替えて利用できるリバーシブル・レールである。さらに鉱山鉄道、森林鉄道、工事用のトロッコレール、小さな場内や商店などで使用していた簡易なトロッコレールもあり、それぞれ軌道幅やレールの重さが違っていた。これに鉄鋼メーカー別や国別・製作年どの違いが加わる。
  鉄道施設を材料別に見ると、煉瓦・石、鉄、コンクリー卜という順序で歴史的に登場してきた。材料の違いによって構造物の形態や意匠、空間のあり方、表情の相違があり、同じトンネルでも、総煉瓦造りのものと石造卜ンネルとでは受ける印象がまったく異なる。煉瓦はハイカラに見えるし、石造は荘重感が真っ先に感じられる。(略)

(了)

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