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バロックヴァイオリン 佐藤 泉  Izumi SATO

「コンサート情報」や「日々の気づき」などをメモしています。

菅 きよみさん ⑤

2023年10月01日 | コンサート情報
続きです。 

そうこうするうちに1999年夏を迎えました。
菅さんはブリュージュの古楽国際コンクールに挑戦。会場で見守る私。自分が弾く方がドキドキしないもんだな・・・と自覚。

最初はテレマンのとてもシンプルなソナタでした。他のトラヴェルソ奏者とは明らかに違う 遅いテンポを選んだ菅さん、”さっき聞いたのと同じ曲とは思えない。。。。”と皆が感じたのが分かりました。

次第に波に飲み込まれる様な感動が会場を包みました。殆ど演奏会 

すると隣のベルギー人トラヴェルソの学生が、走って外へ出て行ったのでした。後で聞くと「号泣しそうで外へ行ったの。そこで思う存分泣いたわ。あんな感動的な演奏初めて」とのこと。

その伝説の曲をもう一度聞きたくて、11月23日のコンサートでも無理を言って、1楽章だけ演奏して頂くことに。是非ご期待下さい

さて、翌日本選となりました。

一位になったヴァイオリンの桐山さん(宮様)は燕尾服の正装で登場。2位になった前田りり子さんも美しいピンクとブルーが微妙に混ざったドレスで正装。

その後、きよみは、普段着で登場。あまりに普段通りの演奏で、それはそれでよかったのだが、ちょっとしたミスがあって3位。

後で鈴木秀美さんに叱られたのは、私でした  「なんであんな服装で出場させたんだ!」 って言われましても 前日からきよみはブリュージュにいたので、どんな服持って行ったかは知らなかったんです。 ひや~~~。すみません・・・

ヴィーラント・クイケンが菅さんに「テレマン、凄く良かった・・・」と仰って下さったのもこの日。あのように音楽すればいいんだよって。

バルトルド・クイケンは帰りの電車で、きよみと前田りり子さんとバッタリお会いになったそうで、色々話せたよ。とのこと。

ペーター先生は、私に「く~~~っ 惜しかったね~。きよみの実力は皆が認めるところだけど、宮様のバッハ、 あの難曲 無伴奏ソナタ3番を暗譜で、しかも いかにも簡単そうにノーミスで弾かれたら、たまらんね! それにあの謙虚で喜びに満ちた表情でのステージでの態度とお辞儀。感動した」

ご存じのようにこの3人は、今も世界の古楽界で大活躍。あの日からもう24年かあ・・・




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