菅 きよみさんと 西山 まりえさんが、このJ.S.Bach:フルートソナタのCDリリースされました。
2024年3月10日菅さん(以下きよみ)と東京で「バッハからのメッセージ」公演をした私は、11日、録音当日京王線の駅できよみに「諦めないようにね!」なんて言って見送った。
内心「寝不足つづいているのに大丈夫かなあ・・・ま、きよみは、いつも寝不足でも名演奏してるから大丈夫。。。」とも思いながら。
”諦めない、、” はつい面倒

と思いがちなことでも、何度もやり直すことになっても、音楽するのを諦めないという意味だった。
特にここ数年 ”楽器を弾いている”のと ”音楽をしている”のは別だと思うからであった。
そして2024年8月猛暑の中、デモテープが出来て来た。そして曲目解説を書くようにとも連絡が。
”なんで私

?” というと、バッハからのメッセージのプログラムを見た西山 まりえさんが、それいいかも!面白いと仰って下さったからだとか。
しかし躊躇があった。出版販売されるとなると責任の重さが違う

・・・しかも、人のCDだ。
それに、きよみのことを書いても身内丸出しになるかもなあ

。。などと逡巡していた。
丁度バルトのツアーの準備で一日中パソコンに向かっている中、猛暑でかなり朦朧としているのも事実だった。更に、自主公演の曲目解説を書く時は、異様に集中するので、料理中によく鍋を焦がしてしまう。それを磨くのも手間なのだ


・・・と
くずぐずしていると、最後にきよみが、「一緒に何か作っているという感じが良いなと思った」と言うので、スイッチが入った

曽野 綾子さんが時々書かれる日本語表現の注意点も、こういう時思い出した。
幸い鍋も焦がさず、締め切りに間に合った。
リリースされた現物が届いたのは、寒波の最中であった。
初期バロックをハープとチェンバロで長年演奏されて来た西山 まりえさんの通奏低音は、アルペジオや右手の軽妙で洒落た応答がハープで弾いているのかと錯覚するほど自由自在で、しかもそこに意思が漲っていて魅力的。
きよみはいつもながらの端正で丁寧な演奏。西山さんのご主人の素敵な写真も加わって記念すべき作品となっていた。朝日のCD推薦盤にも選ばれたそうだ。
そこに自分の文章を見つけるのは、録音された声と同じで恥ずかしい。
それに「へえ~、こんなこと書いたっけ・・・」とすっかり忘れている自分が怖い

でも、FBにお若い方が「解説を読んで幸せな気分になった」と書き込んで下さったのを見て、ようやくお引き受けして良かったなあ、、と思った。
私が今まで購入した従来の解説からは膨大な知識を得ることがあっても、幸せな気分になったことは、ないからである。そして ”次世代に伝わると良いなあ、、”と思っていた点もどうも伝わった様で本望です。
そろそろ春の嵐からお花見の季節になりますね。
良い春を!