あひるやま家の「きょうはここ」

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就活エリートの迷走

2011-08-01 22:42:02 | 
『就活エリートの迷走』(豊田義博 著/ちくま新書)

この本は、
綿密なエントリーシート作りや、ぬかりのない面接対策など、
受験勉強に勤しむような努力をして、採用試験では高い評価を得て超優良企業へと入社していく新卒者の勝ち組たる彼ら「就活エリート」が、
今、多くの職場で、なぜ戦力外の烙印を押されているのか、
その問題提起と現状の分析、
そして著者の考える今後の在り方や対策を記したものです。

現代の若者を迎える、
或いは私のように輩出する側に立つことが多い者にとって、
凄く考えさせられる内容です。

著者は、現状の根本的原因を「大学生が増えすぎた」としていますが、
その上で、
採用側の「画一化した採用方法」等と、
学生側の「ゴール志向」「ゲーム感覚の就活」等を挙げています。

また今の大学生は、
「面接に対応したコミュニケーション能力」に長けているとも著者は記しています。

私は輩出する側に立つことが多いんですが、
たしかに今の大学生は「ゴール志向」が強いという印象がありますし、
それを修正しても、別の講師などが「ゴール志向」だと、
またその傾向が出てきます。

こうやって記すと、学生側に問題がありそうですが、
この著者は、輩出側・採用側に問題があると記しています。

「早々に戦力外となるような学生を採用するようでは、
 採用側は見る目がなく、そのような採用担当者が多いから」
というようなことは一切記されていません。
極端に書くと、「面接に対応したコミュニケーション能力」に長けている学生が多いので、
それを見抜くのは大変だ、とも記されています。

採用側は、
大学生のアイデンティティ形成やゲームに陥っている現状を見据えて、
採用の仕方を考察し実行すべきだと記されていますし、
その具体的な案などを読むと、かなり納得できます。

そして、輩出する側の認識や考え方も改めるべきというようなことも、暗に示されていますし、
私自身も同感です。

この手の本、
中身がイマイチだと、途中で飽きてしまうことが多々あるのですが、
この本は、読み落としがなかったか気になると、何度も戻って読み直しましたし、
集中しながらもかなり考えて読みました。

内容、濃いですよ。

今日も四日市競輪場(被災地支援 Kドリームスカップ<FⅡ>[2日目])に行ってきました。