Notes3~ヨミガタリストダイアリー

名古屋市在住の俳優/朗読者・ニシムラタツヤの演(や)ったり読んだりの覚え書き

C.T.T.で演(や)ってみませんか?(1)

2011年08月31日 | 舞台特に演劇
■先週の土・日曜日と、いつもの七ツ寺共同スタジオで、「C.T.T.名古屋セレクション」という、演劇のショーケースイベントをやっていまして、受付に立っていました。名古屋と、東京と、愛媛県は松山市から3つの団体・個人が集い、30分の作品を上演した後、お客様を交えての「合評会」というものまで含めて、よりよい作品であるためには?という生硬な議論から、もっと気軽な感想まで。このイベントについて、ちょっと考えてみたことを書いておきます。でも、日付が変わりますので、また、改めて。
■結論を言ってしまうとね、若い子たちを劇場に足を向けさせるために、ということなのですが。

明後日は恒例「町奉行日記を読む」@いしぐれ珈琲

2011年08月24日 | 朗読・声の周辺


■まもなく日付が変わりますが、日付が変わってれば明日、そうでなけりゃ明後日(当たり前だ)、午後6時30分より、私、ニシムラタツヤのひとり朗読企画“三十代の潜水生活”「『町奉行日記』を読む」を開催します。今回はある若侍が、不思議な老人に弟子入りした先で散々な目に遭うのですが、その老人の真意と、彼をそういう境遇に向かわせた者は実は…、という「修行奇譚」の後編です。お時間がありましたら、是非柳ケ瀬商店街の「いしぐれ珈琲」にお立ち寄りください。コーヒーもとても美味しいですよ。地図はこちら。そして詳しい情報はこちらをご覧下さいませ!
■連続でここまで書いてきました(公財)名古屋市文化振興事業団についての考えは、あと1本、違う話題を挟んでその次にお送りしたいと思います。こんな景気の悪そうな文章でも待っている方、申し訳ありません。しばらくお待ちくださいませ。

総花という花ー名古屋市文化振興事業団について(2)

2011年08月22日 |  文化行政とか


■あまり整理をつけないままに書き綴っていってしまったので、思考のスピードを緩めにして続けて考えてみます。(公財)名古屋市文化振興事業団(=以下「市事業団」と略)という組織が内包する問題点が、ホームページのリニューアルに現れていて、その程度はかなり深刻なものであるというところまで書きました。その根拠と私が考える部分から入ります。
■(1)で触れた市事業団トップページ下にある、Googleカレンダーっぽい予定表は、一見各種の情報が整理され、観たい、得たいと思った情報へのリンクが張ってあるため、すぐに該当のページへ飛ぶことができます。これは便利であると私は前稿で書きました。しかし、よくよく見てみると、表面上は繕っていながら、実はまったくユーザーフレンドリーではないのではないかという点に気付きました。それは、いわゆる「創作側」と「観客側」向けへの情報が分類されないまま、ただ網羅的に貼付けてあることでした。子ども向けのワークショップとそれ以外のワークショップと落語会と映画上映会とコンサートの告知と…、少し目が回りました。
■例えば、一般的な演劇分野でいうところの俳優、脚本家(劇作家)、演出家は、当然ながら自らの志向に基づいて創作活動に加わります。この「加わる」という行動も、何らかのオーディションやワークショップにに参加したりいう具体例をあげるまでもなく、内なる表現欲求に基づいているわけで、それが明確であればあるほど、求めたい環境や情報に最短距離で到達することを望みます。対してそれらの「環境」や「情報」を提供する側も、自らの企画を実現し、成功裡に納めるために、手練手管を駆使してその可能性を上げようとします。そこで、双方にとって幸福な出会いが生じることである種の可能性が上昇する局面を迎えるわけです。もちろん、迎えないまま終ってしまう不幸な場合も多々あるわけですが。
■そういう相互関係は、実演家と「環境」「情報」を提供する側―制作者・プロデューサーと言い換えてもいいかと思いますし、そこにいわゆる「文化」を扱う財団組織(=以下「文化財団等」と略)を含めることもできるでしょう―だけでなく、創作側によって提供され作品に触れる観客の皆さんとの間でも成立するはずです。「観たいもの」が明確であればあるほど、最短距離を求めるという意味で。
■もちろん上に述べたような「明確さ」の度合いは、人により千差万別であるのは当然です。例えばお客様になる可能性のある方が『何かわからないけど「ぱーっと』したものを観たいねえ』なんていうあやふや(に実演家の端くれである私には思える)な欲求から、『いや何っつっても「芝浜」はね、談志のものじゃないといけないよ。歌舞伎座で?当然でしょ。』という具体的極まりない希望までの振幅をできるだけカバーすることをミッションととして求められる場合、特に公立の文化財団等の運営する事業はいきおい網羅的な傾向にならざるを得ないというのも、確かにわかるのです。市事業団の場合も、演劇、音楽(洋楽邦楽)、舞踊、美術工芸、伝統芸能(能狂言落語等)、文芸、生活芸術まで、およそ文化と思われるものは全て包含しでいるわけですから。その振幅は相当なものになるでしょう。創作側だって、ある時点まで自分が何をやりたいのか、何が向いているのかなんて、自分でも全くわかっていなかったアーティストなんて、歴史上現在に至るまでそれこそゴマンといただろうし、現在もゴマンと存在しているはずです。こちらだって、226万という名古屋市の人口の集積を考えるまでもなく。相当なもののはずです。
■それならば、と思います。網羅的、総花的であらざるを得ない(これも自分は別の面から疑義がありますが)のなら、最低限のサービスとして、実演家・制作者等の創作側と、観客の皆さんの側へ向けた情報を明確に分類し、その上で、創作側と観客側が密接な関連を有していること、そして創作側の中で実演家と制作者等の間にも繋がることができる可能性を持っていること、もしくは既に繋がり、さらに多くの可能性を秘めていることを、あえて見せるべきではないのか?と思うのです。今のようなカレンダー方式を今後も続けるのであるならば、どのような意図のもとで、創作側向け、観客側向けの「情報」や「環境」の提供を混交させているのかということに、明確な説明が求められてしかるべきであると思います。
■市事業団の「設立趣意書」には、「市民の文化創造意欲を尊重し、その活発な活動を促進する」とあります。そのくだりと、一体どのように関連があるのか。ただノベタに情報を貼付けてお好きにどうぞ、であれば、単に責任逃れ、やる気のなさの隠れ蓑と言われても仕方がないでしょう。いや、実際にそういう組織であることを、地元の心ある実演家ならば、すでに骨身に沁みて知っているのですが。むろん、私も。

artopia758 アートピア
来年度24年7月分までアートピアホール利用申込み受付中!ご希望の方は、ホール事務室までお手続きにお越しください!
7月2日 お気に入り リツイート 返信

7thCafe 7thCafe
7th Cafe 7月のイベント情報です! 2011 7・9(土) 【出演】GO FISH / 王舟(東京) 【時間】18時15分開場 18時30分開場 【場所】ナディアパーク デザインセンタービル7階 7th Cafe 
6月17日 お気に入り リツイート 返信

■上の2つは、市事業団の本部と同じ棟にある、名古屋市青少年文化センターと、その附属施設のTwitterアカウントです。それぞれ1ヶ月半、2ヶ月にわたってツイートが止まっています。トップページの情報ほどにも及ばず、日々多くの方が行き来する両施設ですら出て来る情報がないということに、本来存在してしかるべきミッション(責務)そのものの不在を感じます。それがなぜなのか、次稿で考えます。もう少しおつきあいください。

総花という花ー名古屋市文化振興事業団について(1)

2011年08月19日 |  文化行政とか




■昨日の午前中、Twitterでこんなことを書き記しておいたのでご紹介。これらのことについて、自分の考えを少し詳しく書いておきます。

「思い出したようにつぶやいてみるが、Twitterアカウントくらい取って情報発信してみろとは思うけど、どこからともなく「長万部と同じようなことになっては大変だからやるべきではない」という人間ばかりが湧いて出てきて現状維持で皆さん万々歳となるんだろうな名古屋市文化振興事業団。」

「いっそ、更新を迎える金山の市民会館を指定管理を手放すことになれば、少しはその体質は変わるか。その位でないと変わらない絶望感を感じる。改めて今日中に書こう。そもそもね、柴幸男、竹内佑、柿ノ木タケヲ、波に乗っている地元出身の演劇人にまるで興味を示さない財団なんて、クリープ(ry」

■怒りも相当凝縮されていますので文意がつかみにくかったです。自分で読んでも。補足しますと、最近東海地方の演劇人、劇団は言うに及ばず、公立劇場や文化団体、公益財団法人である文化振興に携わる組織でも多くのTwitterアカウントが開設されています。私も@afrowagenとして参加していまして、フォローしている方々からは日々、いや時々刻々と公演情報や製作の進捗や上演後の感想やら議論やら一部暴論やら口喧嘩やら、本当に奔流(ほんりゅう)のごとく情報が通り過ぎていきます。全く凄い時代になったものだとジジむさいことを言いそうになるのですが、ちょうど時を同じくして、上に書いた組織、名古屋市文化振興事業団のウェブサイトがリニューアルしたのです。
■この団体については、私自身も主催事業で幾度となくお世話になっていますし、顔見知りも多いので、あまり厳しいことを言いたくないと思いつつも、これまで何度も「文化行政など」というカテゴリで、名古屋市の文化行政を担う重要な一翼として当ブログに記してきました。最近だと「名古屋の文化討論会」、昔であれば「文化小劇場のあり方検討委員会」(2003年)のことについてでしょうか。創立28周年だそうです。ウェブサイトをいじったのもそういう理由ということのようでしたが、その改修の仕方があまりに古くさく、ズレたものに感じられたことに、心の底から驚くとともに悲しくなったのです。
■サイトをご覧下さい。TOPに事業団が管理する全ての施設の予定がGoogleカレンダーっぽい体裁で網羅されています。クリックすれば該当のページに飛ぶことができます。便利なつくりであるとは思います。すべての管理施設についての情報も充実しています。ただ、これら2つについては、リニューアル前から近い形でありましたので、今回の改修はそれ以外の要素であるのでしょう。しかし、大変残念ではありますが、各種のページのアピアランス以外に、特段変わったことは見つけられませんでした。率直に申し上げて、「え、これリニューアルって言うの?看板倒れじゃん」という感想を抱きました。少なくとも、情報発信を旨とするウェブサイトであれば、単なる流行ものから、すっかり社会的に定着した感のあるTwitterくらいは始めてもいいんじゃないの?と思ったのです。あくまで、その時は多少納得いかないなあ、という程度に。
■しかし、そのほか、ここ最近伝わってきた話や、自分が実地に立ち会って感じたことなどを総合するに、この「リニューアル」ということが表象しているのは、やはりかなり深刻なかの組織のありようなのではないかと思えてきたのです。ある種の責任逃れ、そして怠惰。そのくせ自尊心が高い。それが代表的な要素でしょうか。ツイッター、実はすでに始めていたのです。しかし…!以下、続きます。あした書きます。

※少々改稿しました(2011.8.22)

新しい「潜水生活」フライヤーができました!

2011年08月18日 | 朗読・声の周辺
■少しだけ昔の話を書き込みましたが、今度は現在、もしくは未来の私の予定についてのお知らせです。次回の『「町奉行日記」を読む』は8月26日(金曜日)の予定です。そこから晩秋にかけての予定を網羅した新しいバージョンのちらしができました。上の画像です。
■これまでの「潜水生活」シリーズでもスチール担当としてお世話になってる小嶋夕希子さんに出張して頂き、石槫プロデューサーとのツーショットで作ってみました。柳ケ瀬の街の、何とも言えない良い雰囲気が少しでも伝わるといいなあと思います。早ければ今週末から、岐阜市内はもちろんのこと、名古屋市内の劇場の折り込みにも登場するかもしれません。是非チエックしていただき、最終金曜日は柳ケ瀬商店街にお越し下さいませ!
■なお、公式ウェブサイトのここからもダウンロードできます。合わせてご利用ください!

懐かしいタイトル

2011年08月16日 | 舞台特に演劇


■2日ほど前、たまたま当ブログの編集をしようと思いログインしたら、普段の更新間隔にしてはとんでもないアクセス数がありまして、何事か?と思ったのです。普段の3倍、いや4倍くらいか。別に自分がどこかで紹介された訳もないしなあ…と調べてみて、懐かしい作品のタイトルを目にしました。そこらへんのことは、何か書いてあったかな?と思わず探してしまいました。
■来られた方、本当にごめんなさいね。こんなことくらいしか書いてなかったですけど、ひと言で申し上げてしまうと、夏のある奇蹟と言ってもよい舞台でした。それだけは断言しておきます。さまざまな周辺の出来事の全てを含めて。なにかひとつのピースが欠けても成立し得なかった。それが生まれた現場には今は足を運ぶこともなくなってしまったけれど、観て下さった方や、口伝えでも知られていくうちは、あの作品は永遠の生命を生きる…って、別に戯曲を書いた訳でも演出した訳でもなく、ただ創作の現場に少し立ち会っただけなのですが、相当感傷的になってしまいました。

ウェブサイト改修完了など。

2011年08月14日 | 朗読・声の周辺


■どうしても手軽さが相まって、Twitterへの発信が多くなりこちらが閑散となってしまいがちですが、世の中や自分のことの全てが140字で言い切れるわけもないので、やっぱり必要ですよねウェブログって、ということで2週間ぶりの更新です。
■ここ何ヶ月の柳ヶ瀬での朗読「町奉行日記を読む」のデータとかをきちんと整理しなければというのが8月の目標のひとつだったのですが、それをここ1日半くらいで集中的にやってしまいました。で、以下のようなものをYoutubeにアップロードしました。

朗読/山本周五郎「落ち梅記」(その1)


■その他以前から置いてあったものとあわせて、計22本のファイルが置いてありますので、ぜひ1度ご覧いただければと思います。何だこの程度かと思っていただくのが実は一番自分にとって実りある事なのです。そして、何らかの反応をこちらに寄せて頂けるならばこれ以上の幸せはありません。皆様お忙しいかとは思いますが。
■岐阜以外でもいろいろなところでいろいろなものを読んでいまして、先の平和祈念式典の3日前の平和公園で読んだ作品なんてものもあります。引き続いて準備にかかります。しばらくお待ちください。そこら辺のことも含めた旅行記は、8月3,4日付け記事として掲載します。
■世の中はお盆真っ只中。想いを寄せることのできる故郷、立ち寄ることのできる家と、帰ることのできる自分の存在に感謝しながら、起きたら墓参りに行ってきます。

【朗読】大阪女優の会「せんそう童話集」

2011年08月04日 | 朗読・声の周辺
■糸崎と岡山で乗り換えて、夕方少し前に姫路。前回の福岡行きですっかり気に入ってしまった肉そばを食して、新快速でまっすぐ大阪に向かう。18時38分だったか、とにかくそれくらいに到着。後続の京阪などの遅れで結局間に合わなかったが、5分遅れでドーンセンターに着いた。
■昼の資料館での情景がフラッシュバックしたか?と言われるとそんなでも、と答えるだろう。ただ他人の朗読を耳を傾けることはすなわち、自らの読みに潜む志向に向き合うことでもあるのだなと実感する。そこには物語る筋書きは、実はあまり関係がないことも同時に感じた。すなわち、十年一日の歌い上げるような読み口は、いい加減やめたらどうなのだろうか、と思ったのだった。特に極限状態にある人の描写は、口を開くたびに嘘が混じるような気がした。自分の気のせいであればよいのだが…。
■そういうところからは離れたパフォーマンスを見せてくれた舟戸香里さんにご挨拶して退出。最後に御堂筋南口でいつもの水口Pと立ち話をして、最終の新幹線に飛び乗った。最後はいつもの手段だったが、とても濃密な2日間でありました。

祈りつつ、東へ

2011年08月04日 | ヨミモノ・キキモノ・ミモノ
■昼過ぎに広島を発たなければ、夜大阪にはたどり着けない。そう、帰路は「青春18きっぷ」なのだ。それまでの時間は効率的に使わなければと思う。路面電車で広島港まで往復して能美島と江田島の遠景だけ見てから、平和記念公園へ向かう。
■別館から本館へと足を進めるに従って、内容の重さとは別に、自分の皮相的なものの見方を深く反省し続けることになるとは思わなかった。これまで原爆と原爆が引き起こしたことについて、知っていた「程度」がどのような程度であったかということを知れたのはよかったと思う。
■6日の平和祈念式典を目前にして急ピッチで会場の設営が進む公園の片隅で、岐阜での平和展で読ませていただいた「曇り日の行進」の抜粋を読んだ。編集後にアップロードします。ゆっくりドームに歩いて近づき、じっと水の青さと空の青さを見つめてみた。
核武装を叫んでいるけしからん連中がいたが、逆に宣伝になるので名前は書かない。攻撃性は依存の裏返しだ。そのくらいのこと、35歳くらいでわかれよな。
■正午過ぎ、ポカリスエットだけを握り締めて糸崎行きの各駅停車に乗り込んだ。夜は大阪女優の会「せんそう童話集」の朗読を聴きに行く。天満橋のたもとだ。元安川と淀川、水に近しいこの2日間だ。

【観劇】下鴨車窓「人魚」

2011年08月03日 | 舞台特に演劇
■広島まではのぞみでも2時間20分。逆算するとぎりぎり間に合うかなという時間にホームに降り立つも、やはり原爆忌を前にして人出が半端ではないのと、久しぶり(3年ぶり)という不案内のせいで、途中で路面電車をあきらめ、タクシーを捕まえて会場のアステールプラザへ。本当に間一髪でした。
■劇団名が下鴨茶寮のモジりなのかどうかは主宰者に確認していないのであれだけど、下鴨車窓というカンパニー名の由来はきっとそうなのかもしれない。静謐な空間で、目に見えるものではなく、時間や国境という概念をできるだけ削ぎ落として、寓話的世界を作り出す。日常生活にまつわる感情を直接刺激することはないけれど、終わってしばらくした日常に、ふいに思い返す瞬間にであう。だんだんと深く刻み込まれる。それが下鴨の芝居であるように思う。今回も果たしてそうでした。
■そしてまた思い出す。震災の日の夜、何かにすがりつくようにして劇場にたどり着いて見ていたのも下鴨の上演(「あの小舟ならもう出た」@七ツ寺共同スタジオ)だった。これだけでも、この先ずっとこのカンパニーの作品を観続けることになるのかもと思ったのだ。今回の広島、1人の人魚がにじませる地域コミュニティの崩壊課程に立ち会って、その想いは確信に変わりつつある。
■美味しいものを終演後頂いて、宿へ。明日は平和記念公園へ行く。