Notes3~ヨミガタリストダイアリー

名古屋市在住の俳優/朗読者・ニシムラタツヤの演(や)ったり読んだりの覚え書き

「Advanced Theater PJ」その2ー溶け込むこと=「現在の見える化」すること

2012年01月24日 | インプロについて


■「Advanced Theater PJ」について、今朝も少し書いたのですが、もう少し考えていたらふと気づいたことがあったので、書き残しておきたいと思います。
■舞台上で行われる俳優同士のやりとりを、密閉された空間から取り出すような形でこれまで2回、ustreamを用いて全世界に配信してきました。詳しくはこちらにアーカイブが残してありますのでご覧下さい。非日常が日常の中に溶け込み、奇妙な形で同居しているということに、当初は結構違和感を感じていました。確かにインプロをやってきましたが、経験してきたのは観て下さる方を前にしてのショーケースで、相手役しかいない中での30分のストーリーを進めてゆくことなど、まるで経験したことがなかったのですから。
■改めて考えると、演じる自分達がいる目の前にカメラがあるということは、映画やテレビドラマの撮影でも同じなのですが、レンズが映していない部分はあっさり捨象しても全く構わないのとは大きく異なり、演じている自分達が、周りにとって明らかに異質なものとして居ることを、与えられたプロットの内容のいかんに関わらず意識せざるを得ないのです。配信そのものが何らかの理由により止まってしまったり、映るフレーム内に予想できない何者かが入ってきたりすることだってあります。このプロジェクトにおいて、カメラは絶対ではないのです。
■つまり、会場となる空間に、日常の風景の一部として溶け込もうする一方で、あるプロットを進行させてゆく。異なる2方向の力に引き裂かれて見えてきたのは、「いま、ここにいる」ことは、自分の身体の状態によってのみ制御されるということなのだろうということでした。フィクションを追えばおうほど、現在は「見える化」することができるだろう。それを明日の配信では忘れないように、これまででもっともフィクション性が高いと思われるプロットに挑戦してみようと思います。ご期待下さい。なお、写真は1回目の配信の、東京でのショーケースにおける展示風景です。

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