こんな記事を見つけました。

AEDで生徒の命救う 県内の高校、一般人の使用で初
徳島県内の高校で二〇〇五年十一月、生徒が突然、心肺停止状態に陥ったものの、校内に設置された自動体外式除細動器(AED)による心臓への電気ショックや教職員らの心肺蘇生(そせい)措置で一命を取りとめていたことが分かった。
医師や救急隊員ら医療関係者以外の一般の人がAEDで救命したのは県内で初めて。同校では同年四月、スポーツ部の活動中に倒れた生徒が、駆けつけた救急隊員によるAED使用で助かった。半年余りで相次いだ二件の不測の事態。一例目を契機にした教職員の危機意識の高さが、二例目の救命につながった。
〇五年十一月のケースは、休み時間中に教室で同級生と会話していた生徒が、床に置いていた荷物を取ろうと姿勢をかがめたときに様子が急変した。駆けつけた養護教諭は、生徒が心肺停止状態になっていることを確認して蘇生法を施した。同時に、教頭がAEDが有効な状態と判断。体育教官室に置いてあったAEDが生徒のもとに届けられ、養護教諭がAEDの電極パッドを生徒に装着してスイッチを入れた。
AED使用と同時に生徒から、うめき声が漏れた。通報で到着した救急隊員が心肺蘇生を続け、生徒は病院に搬送される途中で息を吹き返した。意識はなく予断を許さなかったが、治療の結果、生徒の命は救われた。
同校の高い危機意識の背景には〇五年四月の経験があった。
このときは、体育館で部活動中の生徒が突然倒れた。治療した医師らによると、胸への衝撃か何かで、生徒は心臓がけいれんする心室細動状態になったとみられる。
体育館にいた部活指導の教員二人が協力して心肺蘇生を行った。まだ同校にAEDはなく、教諭は心臓マッサージや人工呼吸を繰り返し、到着した救急隊によるAED使用で生徒は息を吹き返した。
二人の生徒は、これまでに大きな病気になったことがなかった。二人は倒れてから三十五-五十日後に退院し、元気に学校生活に復帰している。
AEDは〇四年七月、医療従事者だけでなく、一般市民にも使用が解禁された。〇五年四月のケースでAEDの必要性を痛感した同校は同六月に一台を独自に購入。今年一月には、県教委の予算でさらにもう一台が設置された。設置後は、教職員や保護者を対象に使用法の講習も行っている。
首から提げる名札ケースに緊急時の対応方法を記したメモを入れている同校の校長は「預かった生徒の生命の安全を考えるのが学校の使命。高い意識を持ち続けることが大切だ」と話している。
徳島大学大学院(救急集中治療医学)の福田靖講師は「身近にいる人、救急隊、病院のすべてが救命の連鎖となった理想的なケース。誰かが倒れたとき一秒でも早く蘇生を始めることが大切で、心臓マッサージだけでも意義深いが、AEDがあれば救命率はより高まる。AED設置の拡大と、使用方法の普及に社会全体で取り組む必要がある」と指摘している。
《AED》心臓の心室が収縮してけいれんしたようになる心室細動と呼ばれる症状の治療に有効な除細動を簡易にできる機器。ノートパソコンサイズで操作方法を説明する音声が流れる。救命事例は全国的にみられ、2005年の愛知万博では会場に約100台設置され、期間中に突然倒れた4人が救われた。県内の設置数は把握できないが、取り扱い代理店などによると、600台程度あるとみられる。医療機関、公共施設、学校が中心だが、民間でも1日平均1万7000人の乗降客がある徳島駅に1台設置されるなど、徐々に広がりをみせている。
とても嬉しい記事です。
二人の生徒にはまた、明日がやってきます。
そんな事当たり前のようですが、当たり前でなくなる事がたまに起こったりします。
それはとても悲しく、悔しい事です。
子供達に普通に明日が来るように、最善の努力をしなければなりません。
AEDを設置する事、そしてみんなが講習を受けて「助けられる命」があることをしっかりと知ることがたいせつだと思います。