鹿嶋少将の航海日誌second

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アマゾーヌ-朧世のワルツ-プロローグ編

2021-12-11 19:36:00 | オリジナル作品

アマゾーヌ◇朧世のワルツ◇プロローグ編

西暦2100年。地球は一つの国家と成った。
それまでの主要大国/国連を中心に設立した。 そして初代全世界統一大統領を選出、4年を一期とし、二期までの8年間を最大任期とし、それ以降、再び大統領に成るには4年後に新たに立候補し、当選すれば再び大統領と成る事か可能である。 まぁ、そこまでして大統領に拘る者は、今のところ居ない。いや、居なかったが正解かも知れない。 初代全世界統一大統領ザンパ・ハングレーはこう告げた。

「多くの国民から支持があるならば、二期目以降も、間(あいだ)を開ける事なく継続出来るとしようではないか!」 「継続可または不可、どちらが良いか国民投票を行いたい!」と。
国民投票の結果、二期目以降も本人と国民が望むなら継続可能と成った。(但し、二期目以降は1年毎に支持投票が行われる。) 時は流れ2111年、任期も残り僅かと成っていた。この少し前辺りから新制度が施行されて行った。 それは【不老不死制度】というものであった。 不老不死制度は、約90年前に流行した感染症によって引き起こされたパンデミックによって、多くの人命が失われ、また多くの人々が感染、苦しみ、病床も足らなく成るほど逼迫した苦い経験からワクチンや効果薬の開発、普及に力を入れたが、短期間で造る事の難しさを踏まえて、ワクチンや効果薬の開発、研究、生産とは別に、コツコツとほぼ同時進行で研究、開発されて来た人工皮膚細胞変換施工技術=サイボーグ化を確立、施術を推奨、施術を開始し、オプションで電脳化を推奨した。 それは自身の施工するその時の年齢を維持出来るとされ、施術希望者には人気のオプションであった。 ただそれは電脳化する事で記憶された年齢と見た目だけが、その施工した年齢を維持しているだけに過ぎず、人工細胞や人工骨が劣化しない訳ではなく、定期的に交換しなければならず、費用はそれなりに掛かる。 初回のみが無料なのだ。 

「不老不死電脳化管理システム。これこそが支配者として君臨する為の素晴らしいシステムだ。」
「フッハッハッハッハッハッハッ!」
これこそが初代大統領ザンパの狙いだった。 そして、これが悪夢のはじまりでもあった・・・

だが、これに疑問、反発する民もまた、極僅かではあるが存在した。 不老不死電脳化システムが現人類に代わる進化した存在であるのなら、進化に取り残されたオールドタイプは、かつて現人類に滅ぼされた旧人類のように電脳化したサイボーグたち駆逐されるのではないかという疑念が生まれていた・・・

◆◇◆◇◆◇

今や大統領の枠を超え、自身を"帝"(みかど)と呼ばせるまでに成っていた。 これには統一政府内からも「行き過ぎだ!」との声が漏れるほどではあるが、ザンパは何事も無かったかのように事を進めて行った。 僅か8ヵ月で全人類の66パーセント以上の民が施工術を終えた。 そんな中、懸念された事件が起こってしまう・・・
私は、その事件解決、いや、完全に終わらせる為に同志たちと立ち向かった。 私はミヤビ・オボロ「アマゾーヌ」の末裔の民だ。 「アマゾネス」とも云うわね。





私の姉ヒビキ・オボロが種族長。格闘系の戦士。 私より、身長は高く175センチメートル。 紅く染めたロングヘアを束ねている。 腹部の腹筋も割れている俗に云うシックスパックだ。 かつてのベトナム民族衣装アオザイをシルクで織ったアーマー系ウェアを愛着している。 両手首にはアマゾーヌの種族長にだけ着ける事が許され、代々受け継がれる闘神プレデターが愛用していたとされるレザー製リストバンドを着けている。 自慢は「キュッ。」と引き締まったヒップで晒で作ったふんどしがお気に入り。 格闘(しあい)中、ウェアからヒップが観えても、自慢のヒップなので、お構い無し。 そんな姉を持つ私も格闘系の戦士。
旧時代のアマゾーヌたちは接近戦を好み、2名から数名のチーム戦を得意としていたわ。 私は、この旧時代の戦法が好き。 まぁ。だから街の祭りイベントで年二回、春と秋に開催されるアマゾネス祭で、姉の持つ三連覇の記録を破り、今や私の四連覇が記録更新中なんだ。 姉は纏める力というか魅力というか、長(おさ)には向くタイプなのだけど、個人主義の持ち主でもあるわ。 長は絶対的に強くなければ成らない。って思いが強いみたい。 私は個人主義も必要だと思うけど、アマゾーヌの仕来たりから、種族の繁栄と維持にはチーム戦が不可欠と思うの。 姉は4連覇を目前に敗れた事で、次期種族長には私を推薦すると宣言、二十歳(はたち)で、ほぼ隠居生活に入ってしまったわ。 年明けの来年、すぐに種族繁栄の為の"子作り"で一度、街を離れる事に成っているの。 今の時代だから、これは他の種族から見てのカムフラージュでも在るのだけど、男子も街には暮らしているわ。 ただ一つ、他の種族との違いは、性欲を抑制する薬を投与される事。 幼い頃から投与され続けるの。 アマゾーヌの文化で仕来たりね。 非人道的に思えるけど、メソポタミアの時代から私たちのアマゾーヌでは文化の一つなのよ。 それに、こういった薬が無かった時代には「宦官」的措置として去勢していた事もあったくらいなのよ。 でも、これがアマゾーヌ民族の文化であり、種族の保護なの。 本来は異常なほどに性欲の強い人や、性犯罪者などに投与される薬なんだけど、アマゾーヌでは産まれて一年後くらいから投与されるの。 成人に成って、街を出て行く男子も居るわ。 この街では、男子にはあまり仕事が無いから、ほとんどが"家政夫"として、その家庭で過ごすくらいだから。 祭りにも参加出来ないし、楽しみが少な過ぎてね。 ただ、最近は少しだけど、この古からある文化を変えようという考えも芽生えつつあるの。 まだまだ、複雑なんだけどね。 私たちは、どちらかと云うと土地の気候なんかの影響も有って、褐色系の肌が多いわ。 私も褐色系の肌よ。 髪は少し青系が混ざった黒髪でショートカットに私はしている。 束ねるのも試したけど、私に邪魔に感じるのよ。 格闘戦でね。 服はスポーツ系が好みよ。軽くて丈夫で伸縮性に抜群尚且つ、夏場涼しく冬場は暖かい素材で作られた服。 メガ・スポーツエレクトロニクス社って云う主にスポーツ系ウェアを開発、生産、販売している会社から発売されたアーマー・ブラ/アーマー・レギンス。 素材はシルク。 闘神ではないけど、レザー製のリストバンドそれと指の第二関節から上をカットしたレザーグローブを着けているわ。 土地がら暖かい日が多い事もあり、露出度は、そこそこに有るわ。 腹部の腹筋も姉同様にシックスパックは、ちょっと自慢かな。 身長は今の時代なら極普通の167センチメートル。 瞳は茶系。 そんな私たちアマゾーヌの所に訪ねて来た人が居たわ。 今や頭の片隅に記憶でも残っていれば、まだマシな方だ。 歴史書の1ページに記載されてはいるが、知っている方は何人要ることか?
元々は女性だけの女戦士の種族だ。 今でも、戦士としての心構えと武術は欠かさないが、時代に合わせ、身なりはそれなりに変えて、代々、受け継がれて来た武具を隠し、戦士だという事を隠し、今日まで過ごしてきたのだけど、どうやら末裔が居るらしいと噂を耳にして、色々と調べたらしく、私たちを訪ねて来たわ。
白人系の男性で「奇妙な事件を調査している。」 「その事件の解決に協力して欲しい。」と頭を下げて来た。
まぁ。調べて来たくらいだから、話は聞いてみる事にしたの。 その人、年齢は不詳、本人も記憶に無いらしい。 私が見た感じからして20代前半くらいかな。 188センチメートルくらいの高身長で、銀色のロングヘアを束ねている。 アウターは白色のロングコート。 上下、黒色のマホカラースーツに身を固め、手に持つ奇妙な槍!?  本人は"魔護の手"と呼んでいる。 何かしらカラクリがあるらしいのだけど、詳しくは教えてくれない。 助手が居るとの事。
「逢ってみたかったな。」 「契約成立なら逢えるか。」と思った。

慎重な姉が首を縦に降った。
「いいでしょう。」 「契約成立ね。」
私は心の中で「ガッツポーズ」した。
話の内容は聞こえなかったけど、慎重な姉が即答で引き受けたって事だけで、悪い内容ではないと直感した。 それに手付金として金貨がズッシリと入った麻袋をテーブルの上に置き、その依頼者の男性は、足早に部屋をあとにした。
「かなりの重さは有るようだ。」 「金貨1.000枚以上だな。」とニヤけてしまった。
その日の晩、再び依頼者と会うらしい。 姉から、そう告げられた。


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つづく。

この物語りはオリジナル作品です。
登場する人物、企業等は全て架空です。
実在する人物、企業等は関係ありません。 使用している挿し絵的画像わはイメージです。