
Nicora Conte の作品などで知られるイタリアのジャズレーベル、SCHEMA の音源を
「夜ジャズ」などをプロデュースするDJ須永辰緒が選曲・ミックスした作品。
SCHEMA はクラブ・ミュージックとジャズのシームレスな作品を多くリリースしていて、洗練されながらも野心的試みを感じさせる。
一方の須永辰緒は、自身も sunaga t. experiment というクラブ・ジャズユニットを率いている(本ミックスにも1曲選ばれている)。
中身は、クラブサイドからは「しっかりとしたジャズ」という印象を持たれるだろう。
全曲インストで、ほぼ楽器の生音が中心に構成されている。
ジャズ好きからは 「今どきの音」 という感想が聞かれるかも知れない。
完全アコースティックというわけではないし、当然4ビートものだけでもない。
楽器ソロはそれなりにあるが、ソロでゴリゴリ聴かせる感じではない。
それを予定調和的、つまらないと捉えるかどうかは人それぞれだ。
ただし、音楽としては「聴いていて心地良いかどうか」は重要な要素だろう。
その点で、この作品は非常に優れている。
涼し気なジャケット・デザインに違わず、随所にボッサやラテン・フィールを盛り込んで、洒落た雰囲気に溢れている。
ただ洒落ているだけでなく、クラブの鋭いエッジやジャズのインテリジェンスも時折覗かせる、
なかなか聴き応えのあるミックスCDだ。
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