
4HERO は、ドラムン・ベースのユニットとして当初は認知されたが、彼らは本来、もっと多様な音楽性をもったユニットだ。
前作(『Two Pages』)の影響が大きいと思うが、本作ではそんな彼らの多様性を垣間見ることができる。
結論から言ってしまえば、本作は決して「ドラムン・ベースのアルバム」ではない。
急き立てるようなハイハットも、地を這うようなベースラインも聴こえてこない。
あるのは、ストリングスに彩られた、ソウル・ミュージック。
70年台のそれとは異なる音作りだけれど、本質は同じな空気を感じさせる。
『Two Pages』(のDisc 1)から続く、宇宙を想起させる壮大な音楽絵巻……という制作コンセプトに乗っている気がする。
楽曲はどれも架空の映画の一場面を彩るような作りで、ヴォーカル曲それぞれにストーリーが織り込まれているようだ。
こうしたコンセプトが、00年代になって Daft Punk ブレイクの礎になったのかもしれない、と思うと感慨深い。
さて、これにも国内版と輸入盤の相違が存在する。
国内版には、Roy Ayers が参加した #2000 Black のリミックスver.が収録されている。
この楽曲はオリジナル版がトーキン・ラウドのサンプラーで聴けるが、リミックスver.はこの国内版でしか聴けない。
オリジナルも悪くはないが、リミックスで格段に良さを引き出した好例と思うので、未入手ならば国内盤をオススメする。
【参考アルバム】
↑国内盤は上部が色違い(黒)になっている。これはこれでシックで良い
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