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ACID JAZZ FREAK

一時のブームとして流されがちなアシッドジャズ。その作品群を取り上げ、思うところを書いていく、時代に逆行したブログです

Journey to Truth / STEVE WILLIAMSON

2022年05月29日 | INSTRUMENTAL

サックス奏者、Steve Williamson がトーキン・ラウド・レーベルに残した、おそらく唯一のアルバム。

全体の印象としては、アフロに寄りたいのか現代的なサウンドにしたいのかがハッキリせず
それ故に、世にはあまりウケなかったアルバムと思う。

けれど
ところどころに起用されるサイドのメンバーが、実は豪華だ。
THE ROOTS のドラム ?uestlove、フロントMCの Black Thought 、ベースのHubb(彼はキーボードも弾いている)。
Carleen Anderson の姉妹、Jhelisa Anderson と Pamera Anderson 。
ヴォーカル曲では、この二人のほか Noel McKoy がマイクを取っている。


#1 Meditation、#4 Affirmation
この2曲は、サックスとパーカッションのみという非常にストイックな音作りで
楽曲の位置づけは、ありがちな “箸休め的インタールード” ではなく、
なぜかとても記憶に残る。

#6 part1 Who Dares ~ #8 part3 Rough
の3曲は一連の流れでヒップホップ的。
ラップの絡まない、アブストラクト・ヒップホップの一種とも言えるのでは。


出色の曲目としては、
ラップでは
#9 Pℱℱat Time だろうか。
Black Thought の貫禄は、流石としか言いようがないが
そのラップに絡んでいく Williamson のサックスも、なかなかにスリリング。

ヴォーカル曲は5曲。
#2 Journey to Truth 、#5 Celestial Blues で歌声を聴かせるのは Jhelisa(Courtney Pine のアルバムにも参加している)。
#11 How Ya Livin'? のほうは Pamera(INCOGNITO での活動は知られたところだ)。
#12 Blakk Planets 、#13 Evol Lover では Noel McKoy がソウルフルなパフォーマンスを見せる。


全編を通して
ところどころに光るものを感じつつも、楽曲の構成に耳を惹くものが無く、印象に残りづらい。
サックスのプレイも、どうも弾け切れていない印象。
エレキベース(スラップあり)の音も軽すぎる(個人的には、それがいちばんのマイナス……)。

Steve Williamson 本人は、US3 の1st や J.T.Q. のアルバムに参加していたりと
「アシッド・ジャズ的サウンド」には親和性が高いのだろうけど……

本人がやりたいことと、レーベル側がやらせたいことに齟齬があったのかも知れない。

いろいろ「惜しい!」と思わせる、ある意味で印象深い作品。

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