同じような音楽の傾向を持つ、未知のミュージシャンを探すのに手っ取り早い方法として
コンピレーションを入手する、というのがある。
コラムでもたびたび採り上げているが、このブログでコンピレーション・アルバムを扱うときには、
「コンセプトに基づいて集められた」ものと「誰がコンパイル(選曲)したか」を重視して選んでいる。
適当に作られたコンピ、例えば代表曲を集めただけのものだと、あまり新しい発見は無いからだ。
カタログ的なコンピの場合、そのレーベル内で出来るだけ幅広いミュージシャンを揃えることが多い。
ライナーが付いていて、それぞれの代表アルバムの紹介が載っていたりする。
こちらの目的と合致しているので助かるが、ある程度オリジナルアルバムを揃えたら
そのCDは役目を終えたことになり、デッキに入る回数は激減する・あるいは売ってしまう。
↑大御所DJによるミックスCDのシリーズ、『Masterpiece』。もちろん Gilles Peterson も採り上げられている
ミックスCDは、コンピレーションとは根本的に異なる性質を持っている。
それらは選曲ももちろんだが、曲順が重要だ。さらに、曲間を如何に繋ぐかに作者(DJが多い)のセンスとテクニックが反映される。
楽曲そのものは他人のものだが、それを並べて繋ぐという行為にDJの個性が反映される。
センスの有るミックスCDは、何度聴いても飽きない。
しかも、オリジナルの楽曲を単体で聴く時以上に気分が盛り上がるのだ。「繋ぐ」というのは演出であり、パフォーマンスである。
これこそが、ターンテーブルを“楽器”と見做せる証左だろう。スクラッチだけがDJ(ターンテーブリスト)の見せ場ではない。
↑Carl Craigはテクノに留まらない幅広い音楽性をミックスCDで披露している
そして、ミックスCDもまた未知のミュージシャンを知るきっかけとなりうる。
DJはジャンルやスタイルに関係なく幅広い音楽経験があり、“素材”を貪欲に求めてミックスCDを作る。
そのCDのリストから、新たな発見がある。
このブログでは基本的にオリジナルアルバムを紹介していくが、ミックスCDも紹介していこうと思う。
コンピレーションでも、きちんとしたコンセプトに基いていたり、目的がはっきりしている“良い”コンピは紹介していくつもりだ。
それは必ず「誰がコンパイルしたか」を表記するので、参考にして頂けたら幸いだ。
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