
ピアニスト、Ulf Sandberg 率いるワンホーン・カルテットのアルバム。
このブログは、いわゆる『アシッド・ジャズ』を紹介するブログなので
スタンダードなジャズ、つまり4ビート中心でハードバップ的な作品は紹介しないのだが、
このアルバムはスタンダードなジャズアルバム、と言えるかもしれない。
とは言え、ここで紹介するワケは、
この作品がACID JAZZ レーベルからリリースされた、ということだけでなく、
JTQのオルガニスト、James Taylor にジャズを教えた人物でもある、という点だ。
リリースされたのは80年代の終わり、ちょうどアシッド・ジャズのブーム真っ只中だ。
当然、ハードバップ~モード~新主流派の時代ではない。かと言って
それらを消化した後の、高度で難解なテクニックが畳みかける「現代ジャズ」でもない。
使われる楽器はアコースティックのみで、フュージョン的要素もなく、ヒップホップ的でもない。
抽象性が高いとか、実験的要素みたいなものも無い。
内容を聴く限り、悪く言えば平凡な印象。
往年のジャズ喫茶では、あまりウケないだろうな、とは思う。
この良い意味での中途半端さは、「ちょうどいい感じ」でクラブへの親和性が高かった。
アシッド・ジャズは、もともとジャズの要素を含んでいるので、プレイリストに
このアルバムの1曲が混ざったとしても、違和感なく溶け込む。
「ジャズのアルバム」として聴くと物足りないかも知れないけれど、
「ジャズ度」が高すぎず、かと言って存在感はある不思議なテイストは、
R&Bやテクノ・ミュージックにつなげても違和感なく流れる。
#1 Bolivia は、Cedar Walton のアレンジを踏襲している。
G一発で16bars引っ張った後の展開が聴きどころ。
Red Sky(Freddie Hubbard)、Recorda Me(Joe Henderson)のように、
ベースイントロの楽曲はクラブ向きな気がする。
Kendrik Lamar も気になってるヒップホップ・アーティストの一人なので
掘っていって、いつか記事にしたいと思います!