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ACID JAZZ FREAK

一時のブームとして流されがちなアシッドジャズ。その作品群を取り上げ、思うところを書いていく、時代に逆行したブログです

Computer Incarnations for World Peace / JAZZANOVA + GERD JANSON

2024年03月24日 | TECHNO / ELECTRONICA

JAZZANOVA と、Gerd Janson による選曲のコンピレーションアルバム。

Gerd Janson はドイツのDJ。JAZZANOVA もドイツを活動拠点とするグループなので、同郷の仲間なのだろう。

 

本作は、彼らが選曲したコンピレーションアルバム。
「Techno / Electronica」に分類したが、楽曲は聴けば分かる通り、バキバキのデジタルサウンドではなく
アナログシンセを多用した、いわば「レトロな」黎明期のテクノサウンドだ。

 

アルバムのリーフレットを見ると、楽曲の初出は70年代後半~80年代。
明らかに「そういうコンセプト」をもって作られたアルバムだと理解できる。

 

ヴォーカル無しの楽曲が大半にもかかわらず、どこか「人間の暖かさ」みたいのを感じることができる。
アルバムジャケットにも「Soulful New Wave + Dubby Rock」とある。

 

おそらく、この辺の音楽はあまりスポットが当たっていなかったんじゃなかろうか。
けれどこの雰囲気は、たしかに90年代のアシッド・ジャズに通じる。

この辺を掘り起こしたJAZZANOVA は、やはりさすがと思える。

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In The Mode / RONI SIZE REPRAZENT

2019年09月20日 | TECHNO / ELECTRONICA

Roni Size 率いるUK のドラムン・ベース集団、REPRAZENT の2nd。
前作『New Forms』よりもいっそうパワフルな印象を受けるのは、
やはり豪華な3人のゲストミュージシャンによるところが大きいだろう。

ヒップホップ・チーム Wu-Tang Clan の看板MC、Method Man(#4 Ghetto Celebrity)。
ヒューマン・ビート・ボックスの第一人者、Rahzel(#8 In Tune With the Sound)。
そして、ミクスチャー・ロックバンドRAGE AGAINST THE MACHINE のフロントマン、
Zack de la Rocha である(#14 Centre of the Storm)。

メンツだけでもお腹いっぱいになりそうだが、とくにヴォーカル2人を立たせた#4、#14は
トラックにもかなり気合が入っている。
テンション高くスリリングな曲展開で、アルバムの前半後半の、
それぞれハイライトといった感じだ。

HBBのRahzel をフィーチャーした#9 は、流石というべきか、HBBと打ち込みビートの境目が
分からなくなるほどの精巧さ。
かと思えば、肉感的な音も聴かれ、耳にツバが飛んできそうな勢いだ。

もちろん他の楽曲も、捨て曲ではまったくない。
前作からの引き継ぎ曲といった趣の#1 Railing pt.2 に始まり、紅一点ヴォーカルOnallee は
#5 Lucky Pressure、#11 Staircase でフィーチャーされている。さらに、REPRAZENTの
ラップ担当DYNAMYTE MC と共演している#9 Who Told You は、シングルカットもされた。


前作が無機質な印象だったのに対し、本作はより “有機的” な印象を受ける。
それはヴォーカルを
多く起用したとか生楽器を多用したとかいうことだけではなく、
全体的な音の造りがそうなっているのだろう。


前作があまりピンとこなかった人にも、ぜひ聴いてほしい作品だ。



【関連シングル】

Who Told You

タイトル曲とそのリミックスのほか、アルバムに収められなかった#Out of the Game を収録。
ビデオCDとなっており、QuickTime にてタイトル曲のPV(フル・バージョン)が観られる仕様。


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Creating Patterns / 4HERO

2017年05月28日 | TECHNO / ELECTRONICA

4HERO は、ドラムン・ベースのユニットとして当初は認知されたが、彼らは本来、もっと多様な音楽性をもったユニットだ。
前作(『Two Pages』)の影響が大きいと思うが、本作ではそんな彼らの多様性を垣間見ることができる。

結論から言ってしまえば、本作は決して「ドラムン・ベースのアルバム」ではない。
急き立てるようなハイハットも、地を這うようなベースラインも聴こえてこない。

あるのは、ストリングスに彩られた、ソウル・ミュージック。
70年台のそれとは異なる音作りだけれど、本質は同じな空気を感じさせる。

『Two Pages』(のDisc 1)から続く、宇宙を想起させる壮大な音楽絵巻……という制作コンセプトに乗っている気がする。
楽曲はどれも架空の映画の一場面を彩るような作りで、ヴォーカル曲それぞれにストーリーが織り込まれているようだ。

こうしたコンセプトが、00年代になって Daft Punk ブレイクの礎になったのかもしれない、と思うと感慨深い。

さて、これにも国内版と輸入盤の相違が存在する。

国内版には、Roy Ayers が参加した #2000 Black のリミックスver.が収録されている。
この楽曲はオリジナル版がトーキン・ラウドのサンプラーで聴けるが、リミックスver.はこの国内版でしか聴けない。
オリジナルも悪くはないが、リミックスで格段に良さを引き出した好例と思うので、未入手ならば国内盤をオススメする。


【参考アルバム】


↑国内盤は上部が色違い(黒)になっている。これはこれでシックで良い

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Programmed / INNERZONE ORCHESTRA

2013年08月17日 | TECHNO / ELECTRONICA

デトロイト・テクノの重鎮 Carl Craig が、生楽器を交えて打ち込みとの融合を果たした作品

・・・というのが、レコード屋のポップに書かれる常套句だ。


それは間違ってはいないのだが、テクノ好きにとっては Carl Craig のこの作品は、やや異端に位置するものだろう。
しかし、同時に彼の最高傑作とする評価もよく聞く。


テクノにあまり明るくない人間としては、まず「デトロイト・テクノ」というのがどういうサウンドかイメージ出来ない。
機械くさい、硬質で矩形波バリバリな印象だ。
そのような先入観でこれを聴くと、それがまったく間違っていたことがよく分かる。 


これはまさしくテクノそのものなのだが、肉感的なビートに溢れている。
生楽器か打ち込みか、というレベルではない。
音がそれぞれ主張し合い、ぶつかり合って複雑なグルーヴを生み出している。

Miles Davis が『Bitches Brew』で試みたのも、根っこは同じではなかろうか。
本作では冒頭でMiles Davis、Art Blakey、John Cortrane の名前が出てくることからも、ジャズに対する親和性を感じる。

#8 People Make The World Go Round など、Herbie Hancock の# People Are Changing (『Sound System』収録)を彷彿とさせる。
アンサー・ソングではないかと思うほどだ。
その前の#7 Brakula が壮大な曲想を持っているので、余計にそれが引き立つ。
メタリックなビートに囲まれながら、ソウルフルな歌声を響かせる。 


【参考アルバム】

『Sound System』Herbie Hancock 

Herbie Hancockの70年代末期3部作の2作目。
#Rock Itで有名な1作目『Future Shock』のヒップ・ホップ路線(今の耳で聴くと、むしろエレクトロニカに近い)を踏襲しつつ、
アフリカン・ミュージックのオーガニックさを同居させている佳作。トランペッターの近藤等則が参加している。
3作目『Perfect Machine』まで行くと、完全にエレクトロニカ。

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In Between / JAZZANOVA

2012年11月28日 | TECHNO / ELECTRONICA

ドイツの DJ /プロデューサー集団、Jazzanova。
さきにコンピレーションアルバム『Blue Note Trip』で彼らの名前を出したとおり、やはりミックスCDやリミックス・ワークのほうが
先行しがちという印象がある。
そんな彼らのデビューを飾る、オリジナルアルバムが本作だ。

基本的にはテクノになるのだろうが、その音楽性はヒップホップやアンビエント系にまで広がっており、
聴くものを飽きさせない多様性がある。


冒頭は、ごく普通のテクノ。ビブラフォンなどの生楽器の使い方が、ジャズを絡めた“今っぽい”、もっと言うと “ありがち” な印象ではある。
とはいえ 4Hero や MJ Cole あたり(つまりこのブログで採り上げている音楽)が好きな向きにとっては、この入り方はなかなか
そそるのではないだろうか。

#2 No Use は女性ボーカルの唄モノ。非常に聴きやすい、とっつきやすい構成だ。
#3 The One-tet ではややヒップホップ的アプローチ? 
ちょっとトリッキーなビートを押し出した感じのトラックに男性ボーカルのライミングを絡めた楽曲。

これは「純粋な」ヒップホップ、とは言いがたい(MJ Cole『Cut To The Chase』のElephant Manを起用した楽曲でも思ったことだが)。
しかしそれはそれとして、バックトラックに洗練されたカッコよさがある。
こうした曲を聴くと、ヨーロッパの感性はアメリカのそれとは違うように思う。

そんなふうにぼんやりと頭から聴いてきて、#5 Hanazono でハッとさせられる。

タイトル通り東洋的な雰囲気のある楽曲だが、吉澤はじめのシンセが曲の世界観にとても合っていて美しい。
「そうだ、京都行こう」のコピーで有名なあのCMに出てくるような、美しい日本風景がふわっと浮かび上がる。
展開部でのピアノソロもいい感じだ。


#7 Keep Falling ではポエトリー・リーディングのUrsula Ruckerが登場。
彼女は 4Hero や the Roots の作品でもマイクをとっているが、どのグループとやっても抜群の存在感で
“Ursula Rucker の曲” にしてしまう。
この曲でも、素晴らしい空気を生んでいる。

アルバム全体的には落ち着いた感じにまとめられていて、部屋でかけていても聴き疲れせず心地良い。
細かく聴きこむとビートやトラック作りが凝っている。
何度も聴けてそのたびに発見のある、面白い一枚である。 

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Play With The Changes / 4HERO

2012年05月12日 | TECHNO / ELECTRONICA

4Heroは、ドラムンベース・ユニットだと紹介した。

しかし、デビュー当時こそそれは当てはまったものの、作品を重ねるにつれ、そうした印象は薄くなっている。
ドラムンベースもやるクラブミュージックユニット、というほうがしっくりきそうだ。 

本作は、通算5作目となるフルアルバム。
さきに紹介した『Two Pages』、その後リリースされた『Creating Patterns』のあとは新作が途絶えており、
彼ら二人のそれぞれのソロ活動やリミックス作品のリリースが多くなっていた頃であった。


ドラムンベースファンにとっては、本作は期待外れになるかもしれない。
しかし、クラブミュージックにあまり馴染みのない人には、ぜひ聴いて欲しい作品だ。

美しいストリングスアレンジ、聴きやすいメロディ。それでいてシャープなリズムトラックが、聴くものを飽きさせない。
R&Bやソウルなどを好む人なら、絶対に気に入る一枚と思う。
テクノミュージックに対し食わず嫌いなスタンスをとっている人にも、聴いてもらいたい。

随所に生楽器を配し、暖かみがある音作り。
スネアの音やウッドベース、ギターのカッティングなどの生楽器が多用されていて、生々しい音で録音されている。
バンドサウンドという観点でも面白い作品だ。

全体的に歌ものが多く、とっつきやすい。

Stevie Wonderの#11 Superwoman がほぼ原曲通りのスタイルでカバーされている。
一聴すると、「まんまコピーか?」と思うくらい、オリジナルに忠実なコピーだ。
これは、John Coltraneの# Naimaをカバーした時とは、根本的に異なる。

通常、“カバー”と言えば、オリジナルの作者に敬意を払いつつ、自分なりの解釈を盛り込んで仕上げる。
ところが#11Superwomanに限って言えば、そうした痕跡が見当たらないのである。
細かなところを聴き比べれば多少の違いはあるのかもしれないが、ぱっと聴いてそれを聴き分けることが出来ないならば、
それは“まんまコピー”と大差ないのではないかと思う。

Stevieがあまりに素晴らしすぎて、そうしたこと一切合切がどうでも良くなってしまったのか・・・?


このアルバムの評価は、歌ものだけではない。
全体を通して、ハードコアさに欠ける、という評価もあることは無視できない。ポップ過ぎる、というのも否めない。
例えば『Two Pages』の2DISCめのような、ブレイクビーツを追い込んだ感じは、今作に求められない。

しかし、コアなドラムンベース・ファンは楽しめないのか、というと、そんなことはない。
このような高いレベルで、楽曲のキャッチーさと最先端(当時)のビートを両立させた作品は、そうそうない。
#12以降の楽曲は、メロディの聴きやすさを保ちながら、ビート面を発展させているという見方もできる。

#13 Bed Of Roses で聴かれるスネアは、生バンドでドラムンベースを演奏するとどうなるか、を端的に表しているのではないだろうか。

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New Forms / RONI SIZE - REPRAZENT

2012年02月29日 | TECHNO / ELECTRONICA

REPRAZENT は、Roni Size を中心としたDJ/プロデューサー、ヴォーカリストらからなる音楽集団。
トーキン・ラウドレーベルからリリースされた、彼らのメジャーデビューアルバムが、本作だ。

続く2作目と比べると、音造りは地味に感じる(むしろ次作が派手過ぎるのか?)が、
ドラムンベースの基本構造をしっかり押さえ、
かつ新たな表現を盛り込もうとしている意欲が感じられる。

たとえば冒頭#1 Railing など、「これぞドラムンベース!」と言わんばかしの典型的な楽曲だ。
アルバムの先頭にふさわしいとは思うが、ドラムンベースという音楽にあまり馴染みのない人、
もっとメロディックな音楽を聴いてきた人からすると、この#1はあまり受け入れられないかも知れないと思う。

しかし、 この曲だけで、このアルバムを判断するのは早計だ。 
 
ドラムは機械的な打ち込みで無機質な印象だが、それに絡むウッドベースの音がなんともいい味を出している。
さらにサックスやトランペット、アコースティックギターなど、生楽器を随所に使用し、決して機械音楽にとどまらない。
(ここらへんはChemical Brothersなどにも通じるものを感じる)


アルバムジャケットは2種類あり、記事に使用したものはUS盤および国内盤。
UK盤はこのような、もっと無機質なデザイン。



このアルバムは2枚組だが、4 HERO の『Two Pages』とは異なり、2枚に分けた意味やコンセプトのようなものは感じない。
国内盤では1枚に編集したバージョンも存在する(ジャケットは記事冒頭と同じもの)。 


正直、ベーストラックだけのような単調(に感じられる)な曲もいくつもある。
が、それでもビートに任せてBGM的に聴いているのは悪くない。

主だった曲、シングルカットされた曲などは、すべて編集盤(1枚盤)も網羅している。
このジャンルが初めてならば、ひとまずは編集盤のほうを試しに聴いてみるのがいいかも知れない。 




【関連シングル】
Share the fall

REPRAZENTの紅一点ヴォーカリスト、Onallee をフィーチャーした楽曲。
オリジナルアルバム(2枚組)のほうでは、ミックス違いで同曲を2つ収録するという念の入れよう。
聴きものはこれの#3、Way Out West の手によるリミックス。
ハウスっぽいミックスで、また違った爽快感がある。

Heroes

これもヴォーカル入りの楽曲。
なんといっても、Basement Jaxx の手によるリミックスを収録しているところが大きい。
また、編集盤(1枚盤) には未収録の#3 Electricks が入っている。


Brown Paper Bag

ウッドベースのラインが印象的な曲。
編集盤ではラップ・エディットとして少し短くしてあるようだが、オリジナルアルバムと、このシングルではフルバージョンが聴ける。
さらにこれには Photek と竹村延和という、有名な二人のリミックスがそれぞれ収録されている。
二人の弄り方はまったく方向性が違っているが、竹村延和の緻密に計算されて配置された音は、スリリングなグルーヴを現出させる。
昨今のボーカロイド・ミュージックの作り手も、こうした音を聴きこんでいたのだろうか。



Watching Windows

ストーカー的怖さを感じさせるジャケット(笑)だが、これの#4に Nuyorican Soul とのコ・プロデュースが収録されている。
つまり Masters At Work の二人が関わっているということだが、これも見事に原型をとどめないくらい弄られている。
Nuyorican Soul の、ラテン・ジャズを感じさせる雰囲気が、後半から楽曲を“侵食”してゆく。
これだけで別の一つの楽曲として通用しそうなほど、ひとつの世界を作っている。
これのためだけに買う価値のあるシングル。



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Two Pages / 4 HERO

2010年12月22日 | TECHNO / ELECTRONICA

4Hero は、DegoとMarc Macのふたりからなるドラムンベースのユニットだ。

(ドラムンベースは、レゲエやダブのシーンから発生したジャングルという音楽から派生して生まれ、
ボサノヴァなどの影響も受けながら発達したビートのスタイル。・・・ややこしくて申し訳ない)

ドラムンベースはブレイクビーツの流れをくむもので、シーケンサーやリズムマシンにて作られた複雑なビートを高速に流す一方、
ベースラインはむしろゆったりとパターンを繰り返し、重層的な空間感、奥行きを感じさせる。

90年代の終わりから2000年代にかけて、トーキン・ラウドレーベルはちょっとしたテクノ/ハウスブームだった。
さきに紹介した MJ Cole(2ステップ)はもとより、Roni Size や Krust といったドラムンベース勢、
それに Masters At Work などのハウス系プロデューサーらが活躍した。

4Heroは、そんな最中にトーキン・ラウドへ移籍してきたユニットである。

4Heroの音世界は、聴きやすく壮大なスケール感がある。
宇宙や自然の広がりを感じさせる一方で、幾重にも織り込まれた複雑なビートが聴く者のリズム欲求を刺激する。

彼らを知る上で最適なのが、本作である。

タイトル通り2枚組でリリースされたものがオリジナルだが、その後1枚にまとまったバージョンも発売された。

ジャケットデザインは同じだが、色使いが違っているのでまるで別物の印象


だが、ここでは絶対に2枚組(冒頭の写真)を勧める。

彼らの持つ二つの側面……
しっとりとして壮大な音の広がりと、先進的でエッジの立ったタイトなブレイクビーツ。
単なる4つ打ちでなく複雑なリズムパターンを提示しているのだが、それを複雑に聴かせない。
また生楽器を多用し、とくにストリングスやウッドベースの音色は彼らの世界観を支える重要な要素と言っていい。


彼らは2枚のディスクにそれぞれの側面を分かりやすいかたちで収録している。

ディスク1は、主に歌ものが中心である。実に3分の2以上がヴォーカル入りだ。

#1 loveless には、ポエトリー・リーディングの Ursula Rucker が登場する。
彼女はThe Rootsのアルバムにも客演している、ブラックミュージックの詩人だ。

また、さきに紹介した Digable Planets の Butterfly は#8 The Action でラップを披露している。

とは言え、インストゥルメンタルの曲も素晴らしい。
メロウなトラック、神秘的なストリングス。
ヴォーカル入りでも、インストゥルメンタルのパートが素晴らしく洗練されている。
ドラムンベースに馴染みのない人でも、例えばファンタジー映画のサウンドトラックのような感覚で聴ける。


ディスク1をライト・サイドとするなら、ディスク2はダーク・サイドだ。
うってかわって、ヴォーカルものは一切無い。

#1 We Who Are Not As Others 、のっけからスリリングに煽る複雑なビート。
そのバックで淡々と鳴る、ウッドベースのような低音。

ビートは激しいのに、どこまでも醒めている、冷たい印象。
電気的な音をふんだんに使いながら、サンプリングも多用し、生々しさがある。
ディスク2は不思議な感覚だ。これも、4Heroの音楽なのである。


さらに、この中からいくつか楽曲をピックアップし別のミュージシャンが手がけたリミックスアルバムもある。

『Two Pages Reinterpretations』

オリジナルを踏襲したものもあれば、原型を留めないくらい弄り倒しているものもある。
参加しているのはMasters At Work、Jazzanova、Photek、Azymuth……など。
是非チェックし、リミックスの面白さを堪能してほしい。

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