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8/25 噂の男

2006-08-26 00:29:54 | 舞台感想
2006年8月25日『噂の男』@PARCO劇場

作:福島三郎
演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
出演:堺 雅人 橋本じゅん 八嶋智人 山内圭哉 橋本さとし

『噂の男』と『小鹿物語』セットで見るときっと面白い。
私、幸運にも2連続で見ましたが、この2つはまさに裏表。

『小鹿物語』は戦争(悲劇)の対極にあるお笑い(喜劇)の物語。
『噂の男』はお笑い(喜劇)の対極にある人間(悲劇)の物語。
・・・噂の男の方はちょっと無理あるかな。(笑)

とにかく偶然にも同時期に公演中のこの2つの舞台、私の中では綺麗にリンクしました。
たまにあります、こういうこと。
全く別の作品なのに、行きつく先が同じというか・・・
自分自身が先に見た舞台に影響を受けているから、っていうものあるかもしれないけどね。
いや~面白い。

今日はなぜだか最前列で観劇。
(2列目は何度かあるけど、こういう劇場で最前ってもしや初??おぉ~すげぇ~)
役者ファンにはたまらないだろう最高のポジションでした。センター上手寄り。
が、特に私、誰のファンでもなく・・・すんません。
でもね、やっぱドキドキかも。
だって私の目の前にじゅんさんが、ヤッシーが、堺雅人が・・・
しかも、自分の前に他人の頭がないってのが良いじゃない。
「私の為だけに演じてくれている」というような錯覚に陥れて。
えぇ、錯覚です。

2時間30分、休憩なしのぶっ通し。これも2日連続。(笑)
でも今日はお尻痛くならなかったです。
コクーンの椅子より、PARCOの椅子のが相性が良いのかな、私のお尻は。

ケラさんの演出で、このメンツだから見に行きましたが、
脚本もケラさんなんじゃないの?っていう感じ。
不条理さは薄いけれど、光があって影がある。その影を浮き上がらせるというか。
まぁ、似た部分があるから演出を引き受けるんだろうけどさ。

登場人物全員が、お笑いになんらかの形で関わっていた人物。
しかし、物語の進む場所は、スポットライトのあたる舞台ではなく、その袖の奥のボイラー室。
そこからして、なんだか良い。ボイラー室にも客席の笑い声が聞こえるんだ。

光のすぐ裏にあった、人間の様々なドロドロした感情が見える舞台でした。

人間関係は言葉で説明するには複雑すぎます。
皆さんそれぞれ、ホモだったり、芸人の息子だったり、
アル中だったり、実は殺人者だったりしてました。酷いですね。
ただでさえ複雑な人間と状況が絡み合って絡み合って、最後、悲劇へ。

でも、すぐそばで人が笑っている。

ボイラー室の中では、何人も人は死んでいるのに、笑い声が聞こえてくる。
その演出がシニカルでとても良かったです。

ダブル橋本が元お笑いコンビという設定なのですが、この2人の漫才が実に面白い。
コレ書きながら父が隣でNHKのお笑い番組見てましたが、
間違いなくじゅんさんと、さとしさんのがテンポも良くって面白いわ。
ってことで、本当のお笑いコンビみたいでした、2人は。
2人が、仲違いしていくところから話はこんがらがって行くんですが、
終盤、やっぱり良いコンビだったんだとしみじみ思わせる場面があって、
いやなんか、上手いな~と感心してしまいました。

過去と現在が微妙に交差する展開も、徐々に混乱して行く人間関係と重なって効果的。

最前列だったせいなのか、なんなのかよくわかりませんが、
集中途切れることなく、2時間30分見ることが出来ました。

悲劇があるから喜劇がある。
喜劇があるから悲劇がある。

2日間で、物事全てに裏と表があるんだなぁ。
などということを、実感してしまいました。なんかシェイクスピアじゃん。


客席に中村獅童さんがいたような、いなかったような。・・・新撰組、か。
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8/24 小鹿物語 1回目

2006-08-25 00:41:57 | 舞台感想
2006年8月24日『小鹿物語』@シアターコクーン 1回目

作:輿水泰弘
演出:水田伸生
出演:明石家さんま・真矢みき・生瀬勝久・温水洋一・中川祐一朗
   八十田勇一・水沼健・森下じんせい・新谷真弓

あの、帰り道にガム踏んだんですけど、
それすら笑って許せるぐらい幸せ~な気分になれました。

笑う。って素晴らしい!!!!

話の筋はまぁそのグダグダではありましたが、
さんまさんのアドリブ炸裂は、一見・・・二見ぐらいの価値あると思います。

なぜ2度見たほうがいいか、って、どこからどこがアドリブなのかわからないから。

テレビで見たまんま、とにかく明石家さんま、喋り続けてます。ツッコミし続けてます。
ツッコまれるのは主に、中川さんと温水さん。何度2人は頭をはたかれた事か・・・。

さんまさんは、『人はこうすると笑う』。
っていうツボを知りぬいているお方です。生の舞台でツボを的確に押してくるなんて、流石!!
痒い所に手が届く人。
ここツッコミ入れて欲しいなぁ~と思ったら必ず、ツッコんでくれるし、
もう1回ボケが必要だと思ったら、やっぱりボケてくれる。
客席の笑い声は時間と共に大きくなる一方でした。
こんなに笑えることって、そうそうない。

三谷幸喜の『12人の優しい日本人』見たときもそうだったんですが、
笑って笑って笑って・・・一定のライン超えると、笑えてる自分が楽しくて、嬉しくてしょうがなくって、
涙出てくるんです、私。
あの、別に笑い過ぎて目に涙がたまるとか、そういんじゃなく。(笑)
今回もそんな状態になれました。幸せっすよもう。

さんまさんは、“明石家さんま”で舞台に立っているときと、
“塙小鹿”で舞台に立っているとき、両方あるような気がします。
日本全国津々浦々、知らない人はいないだろう、大竹しのぶさんとの色々を
「人から聞いたんだけどな」と言いながら、永遠話してくれましたね。
客席にいた誰もが、頭にしのぶさんを浮かべていたはず。だからもう爆笑。
まぁ、これで爆笑する私達もどうだろう、って感じですが、しょうがないでしょ。

小鹿で上にいるときは、たまに背中から哀愁感じるんです。色っぽいわ~
空から降る一億の星、再び!みたいな。
背中、注目ですよ。

さんまさんは生瀬さんが隣にいてくれて、すごくやり易そう。
アドリブにも対応してくれるし、芝居もできるし、目も出てるし。
生瀬さんは芝居をわかっている人、って感じですね。
遊んで良いところは、一人でニヤニヤしたり、
あえてさんまさんにツッコまれる言動をしてみたりなんですが、
笑う場面から、芝居の筋に流れを戻さなければいけない場面では、
ふっとした表情や声の見事な演技を見せてくれます。

真矢さんも良かったですね~
元花組トップスターの歌と軽いダンスとウィンクありましたよ。
今の私には、ちょっと嬉しかったし。(笑)
小鹿に惚れぬいているっていうのが、芝居が進むに連れ見えてきて、
そこに女性的な包容力も感じる。しかも、こざっぱりしていて、見ていて気持ちが良い女性でした、琴子は。

琴子が小鹿に惚れぬいていたのは、かなり伝わってきたんですが、
小鹿がどれだけ琴子を愛しているか・・・こっちももうちょっと強く見えてもいい気がします。
フラフラ女遊びもするけれど、琴子の元に返ってくる小鹿。っていうのが可愛いしね。

シェイクスピアの『ヴェニスの商人』とかけた、話のちょっとしたどんでん返しがありました。
それがわかって「自分、だてに1年大学通ってないわ。」なんて思ってちょっと嬉しかったり。(笑)

もう、ホントとにかく笑わせていただきました。
ラストはしんみりなんですが、余韻として、それはそれでいい。
2回目のカーテンコールで真矢さんが「毎日毎日笑いっぱなしで、しわが増える!」と
おしゃっていたので、たぶんもう一度見ても笑えるんだろうな。
楽しみです。

3公演分チケット取れてしまって、『しまった。』と正直思ったんですが、
実は正解だったかもしれません。次の観劇は28日。その次は千秋楽31日と見ます。
これは、千秋楽盛り上がるぞ~。
いつもなのかわかりませんが、上演時間2時間35分の張り紙は嘘だと思っておいたほうがいいかも。
さんまさんのテンション次第で5分前後、伸び縮みしそうな感じです。



しのぶさん話がやたら長かった。(笑)
楽しんでいただけたら、1クッリクよろしくお願いします!

8/18 シザーハンズ

2006-08-19 00:16:17 | 舞台感想
2006年8月18日『EDWARD SCISSORHANDS シザーハンズ』@ゆうぽうと簡易保険ホール

[演出・振付]マシュー・ボーン

さてさて、久しぶりの観劇は映画の原作を元に舞台化された『シザーハンズ』。
原作好き、マシュー好きの友達に誘われての観劇。

こんなにも簡単に国を超えて純粋な想いは伝わるんだ。

とにかくこう第一に思いました。
なのに、世界中では争いが絶えない。
舞台を通して優しい気持ちが伝わってきたことは嬉しくて、
伝わらない事実が確かにあるのが哀しくて・・・そんなことを考えてたら最後は涙が出ました。
世の中って難しいね。

博士によって両手をはさみに変えられてしまった人造人間の恋の物語。
私は、小さい頃、映画を見ているような気がするけれど、
覚えているのは、エドワードが植木をはさみで整える場面だけ。(笑)
そんな私が見ても、容易にストーリーがわかる、その凄さ。
ダンスミュージカルっていうのかな?歌は一切なしで、踊りと音楽のみの演出。
ダンサーは海外の人。
それでも、何ら問題なく話はわかります。

スクリーンをとても上手く使った演出で、舞台転換もスムーズ。
スクリーンの前の芝居と、舞台中を使った芝居の境目が自然でした。
振り付けもユニークなものから、ビシっとしたものまであって、見ごたえあり。
朝の通勤通学シーンだとか、まさに!って感じで、わかり易かった。

見た目で人を判断してはいけない。

話も単純ではあるんだけれど、単純だからこそストレートに響く部分があると思います。

見た目にもとても綺麗な舞台だったし、バレエというのも自分的には新鮮だったし、
すごく楽しめました。
最後は客席にも雪が降ってきて、ちょっと感動。
でも雪を降らすタイミング、もうちょっと早くても良かったんじゃないかなぁ。

カーテンコールも盛り上がりました。
国は違えど、想いは共有できるんだなぁとしみじみ感じ、
私も、『ちゃんと伝わった!ありがとう。』という想いを込め、拍手させていただきました。
言葉がなくても伝わる、体の表現っていうのは凄いなぁ。

終演後にはマシュー・ボーン氏のトークがありました。
客席からの質問に答える形で、進行して行ったんですが、熱心なファンが多い!!
彼は神様みたいな存在なんだねぇ。
マシュー氏の回答と、自分が見終わって感じたことは、
ほぼ同じで、終始納得しっぱなし。

マシュー氏は、エドワードが解体されてしまうラストも考えていたらしいんですが、
今回の終わり方で良かったよ!
夢見心地で話が進んできたのに、そんなラストじゃ生々しいわ。
「詩的に終わらせたかったから、このラストにした。」とのこと。
正解。
映画版だとエドワードは生きてるんですか?よく知らないんですが、
今回は人に囲まれ追い詰められ、彼の象徴であったハサミ1つを残し、
一瞬にして跡形もなく消える。といったラストでした。
そのハサミを年をとったキムは大切に持っている。
雪に似合う切ない終わり方で、余韻がなんとも言えず、良かったです。
バラバラの人造人間じゃ、余韻もへったくれもない。
ホント、これで良かった。


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7/29 暁のローマ/レ・ビジュー・ブリアン 2回目

2006-07-30 21:22:39 | 舞台感想
2006年7月29日@東京宝塚劇場
『暁のローマ―ジュリアス・シーザーより―』
『レ・ビジュー・ブリアン―きらめく宝石の詩―』2回目

[出演]轟悠(専科)/瀬奈じゅん/彩乃かなみ/他

祖母に誘われたからっていう理由はあるものの、
こんなに早くヅカをリピートするハメになるとは思わなんだ。(笑)

1回目は大学の授業で・・・そもそも宝塚を見に行く授業があるウチの大学も変。
まぁ、私にとってはかなり魅力的ではあるけれど♪

13日に1回見て、次に見たのは29日。
この間に天海祐希にハマった私は、
『ぁ~この舞台に天海サンも立ってたんだぁ・・・』
と、しみじみ感じずにはいられない。(笑)月組だしさぁ。

で、舞台ですが、2度見ても普通に楽しめました。
深く考えてしまうとか、そういう楽しさはないけれど、
見た目の派手さだけでも十分面白い☆

授業で見れるのは今年いっぱいだけなんですが、
気になる作品だったら、宝塚見に行きたいですね~♪
にしても、あの舞台を毎日続ける役者さん達は、本当にすごい。
ほぼ昼夜公演あるし、休演日あんまりないし・・・歌舞伎的だ。

どんどんドツボにハマる私。

7/29 あわれ彼女は娼婦 3回目

2006-07-30 00:52:42 | 舞台感想
2006年7月29日『あわれ彼女は娼婦』3回目@シアターコクーン

作: ジョン・フォード
翻訳: 小田島雄志
演出: 蜷川幸雄
出演:三上博史・深津絵里・谷原章介・石田太郎・立石凉子・梅沢昌代   
   高橋洋・月影瞳・戸井田稔・妹尾正文・鍛治直人・たかお鷹
   中丸新将・有川博・瑳川哲朗

良かった!ホント良かった!
3回目のチケット手放さなくって。

初日(6日)から1週間ほど置いて14日、そして前楽の29日と3回見てきましたが、
谷原さんのソランゾ・・・見るたびに、迫力を増していました。
それだけで3回見た価値あり!!
なんだか成長して行く子供を見つめる母親の心境。ごめん、谷原さん。(笑)
でも、涙が出るほど感動したんだ。

ソランゾの見せ場は、なんと言ってもアナベラを罵り、痛め付ける2幕の場面。
  『頭を抱える・・・』
そんな演技がありましたが、初日はその行動と感情とが釣り合っていないように見えました。
2回目を見たときは、怒りや苦悩の感情が頭を抱える動作に追いついてきたように見え、
そして、今日!
怒りや苦悩はもちろん、その裏にアナベラを愛してやまない、
狂うほどの愛情があることまで伝わってきて、それがとにかく嬉しかった!私は!
深津アナベラと、対等にやり合ってました。
台詞もどんどん聞き取り易くなってるし♪今日の谷原さん見れただけで、私は幸せ。

ソランゾの評価が見るたびに上がった一方、
物足りなくなっていったのが三上ジョバンニかもしれません。

「妹が結婚する姿を見るならば、いっそのこと全て破滅に向かった方が良い。」

というような、意味の台詞。
2幕の始めの方だったかな~・・・
この台詞って、その先にある惨劇を予想させる、
すごく重要な台詞だと私は思ったんですが、なんだか、流れてしまった感が否めない。
私の集中力が足りなかったのも、もちろん理由の一つだろうとは思いますが、
3回見て始めてジョバンニが、そんなことを言っているのに気が付きました。
そう思うと、ジョバンニの台詞は、私の中では流れてる事が多かったです。ちょっと残念。

深津さんのアナベラは、初日から今日まで、良い意味で変わってません。
今日は『生の舞台なのにもったいない!』とか思いつつ、
かなりオペラグラスで表情を見てたんですが、
そのおかげもあり、今までで一番アナベラの心情の流れが理解できました。

兄と結ばれたい⇒兄は好きだけど、罪悪感。

言葉にすると、安っぽいな。
とにかく、ただ兄を求めていた時から、子供ができたことで、
だんだんと罪の意識と兄への愛情との狭間で苦しむことになる・・・
みたいな、そんなアナベラの気持ちが痛いほど伝わってきました。
深っちゃん、やっぱり凄いなぁ。ファンで良かった!

役者さん達の演技には満足できたんですが、なんだかどーも物足りなさが残ってます。
で、うちの大学の教授が1幕だけ見た際に述べた感想を思い出してみる。
『蜷川幸雄ってのは、ただ体を求め合うだとか、猥雑なものをなんか綺麗に見せちゃうね』
たしか、こんなこと言ってました。
綺麗に見せたい。って意図は、間違いなく蜷川さんの中にあったんだと思うけど、
『あぁ、なるほどね。』と思った私は、そこから“物足りなさ”の原因を辿ってみます。

話の上では“近親相姦”となっているけど、
私はジョバンニとアナベラを血の繋がった兄弟として、見ることができませんでした。
タブーを犯すことに、物語の楽しさ=刺激・衝撃があるのに、
タブーであるべき事を、タブーとして見れなかった。
普通の恋人同士であるように感じてる部分があったなぁ。
だから物足りなかったんじゃないかと、そんな結論に至った次第であります。

まぁ、こんな感じで私の『あわれ彼女は娼婦』の感想は、終わり!
次はコメディーで深っちゃんや谷原さんが見たい☆
“深っちゃん×松尾スズキ”、“谷原×野田秀樹”とか“谷原×三谷幸喜”とか
面白そうだなぁ~♪(笑)


明日は東京千秋楽!谷原さんのガッツポーズも東京ラストw

7/24 開放弦

2006-07-24 23:59:03 | 舞台感想

2006年7月24日 開放弦@パルコ劇場

[劇作・脚本]倉持裕
[演出]G2
[出演]大倉孝二/水野美紀/京野ことみ/丸山智己/伊藤正之/犬山イヌコ/河原雅彦


なんていったらいいんだろう・・・まぁ、穏やかな舞台でした。
正直あまり期待してませんでしたが、期待以上でも以下でもないというか。

見ている最中、『ナイロン見たいぞ!!』と思っちゃいましたね。(笑)
贔屓目なのは重々承知ですが、大倉さんと犬山さん、あと伊藤さんが
中だるみしがちな雰囲気をしゃんと張り詰めている状態に戻してくれてました。
河原さんもかな・・・舞台上の空気の濃度を変えることができる人たちです。

水野美紀のクールな鋭いツッコミが好きだったりします。
あのタイミング、あのテンションでツッコミ入れるのは水野美紀ならでは!
古田さんのラジオに、ゲスト出演していた水野さんや京野さんが
実際目の前にいるのはなんだか変な感じがしました。(笑)

偽装結婚した夫婦(水野×丸山)に漫画家夫婦(犬山×河原)やら、
丸山さんとバンドを組んでいた、京野さんと大倉さん、編集者の伊藤さんが絡む
ことで話は展開します。

ポイントポイントで心情を象徴するような演出が入るんですが、
私はこの演出、いらなかったと思います。
日常的な空間からいきなり異空間に飛ばされる。
それが舞台の楽しさに繋がることも多々あるけれど、今回は逆に働いていた気がします。
違和感が気持ち悪かった。

話自体も1幕では表に表れていなかったそれぞれの感情が、
2幕に入って急激に見えてきて、なんだかちょっと不自然さも感じました。

でも、うん、ギターの音色は心地よかったです。

まとまりの無い感想になっちゃいました
噂の男は面白いかなぁ~


7/16 中村勘三郎襲名披露巡業

2006-07-19 00:04:22 | 舞台感想

2006年7月16日
『松竹大歌舞伎 十八代目中村勘三郎襲名披露 夜の部』@熊谷会館

一、口上

本来ならば華やかさを感じる口上ですが、私の気分は沈み気味。
だって、勘三郎さんの隣に勘太郎さんがいないんだから。
それがこんなに寂しいこととは思ってなかったので、
思っていたより私は中村勘太郎が好きだったんだと実感。
勘三郎さんは18年ぶりの熊谷会館だったそうです。
18年前って言ったら33歳とか、そのくらいかな?

ニ、義経千本桜
    木の実
    小金吾討死
    すし屋

すし桶を間違えて物語が展開して行くのは、シェイクスピアの喜劇みたい。
勘違いっていうのは、物語を展開させる基本なのか。
七之助さんの小金吾の立ちまわりも、素晴らしかったですが、
やっぱり私が見たかったのは、勘太郎の小金吾。
割と七之助さんを勘太郎さんに脳内変換して、見ていたような。

義経千本桜のような人の心情をみせるお芝居は、
もうちょっと私が落ち着かないと(笑)、正直飽きちゃいます私。
もっと歌舞伎見て、こういう演目に慣れていかないと!
まぁ徐々に成長!ということで!

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簡単に感想でした。8月の千葉巡業で昼の部も見ます


7/14 あわれ彼女は娼婦 2回目

2006-07-16 08:51:47 | 舞台感想

2006年7月14日 あわれ彼女は娼婦 2回目@シアターコクーン

作: ジョン・フォード
翻訳: 小田島雄志
演出: 蜷川幸雄
出演:三上博史・深津絵里・谷原章介・石田太郎・立石凉子・梅沢昌代   
   高橋洋・月影瞳・戸井田稔・妹尾正文・鍛治直人・たかお鷹
   中丸新将・有川博・瑳川哲朗


正直なところ、2回も見れば十分かなぁと思ってしまいました。
2回見ても、新たな発見があまりなくて、そういう意味ではつまらなかった。
ちょっと台詞が聞き取り易く、理解し易くなったぐらいで・・・

初日を見たときは、まずなにより自分自身の気持ちが新鮮だったかもしれません。
1回目は1階席から、そして14日、2回目は2階席から見たので、
照明の見え方だけは新鮮さがありましたが・・・。
ただ思うのが、最前列センターで見たかったな、ってことですかね~
最前だったら、また受ける印象が変わってくるような気がします。
まぁ、それはどんな舞台でもそうかなぁ。

見た位置の関係もあるかもしれませんが、
ソランゾがアナベラに対して、怒りをぶつける場面。
谷原さんの演技の迫力が増していたように思います!
台詞も聞き取り易くなってた!!いいなぁ~谷原さん。トップキャスター以来すっかり好きになってます。(笑)
谷原さん、舞台でもっと見たい!背が高いし、声も良いしで映える!!
若干、コスプレチックな衣装が本当に似合ってます。(笑)

1幕の高橋洋さんの演技には、胸をうつモノがあります。
彼の役だけが、この話の中で、唯一心に闇を抱えていない純粋な存在。
自分の思ったことをすぐ口にしてしまう、その馬鹿正直さ。(笑)
彼の姿を見ているだけで、和みました。

ちょうど吉原御免状DVDが発売された時期に、
初日見ましたが、あの殺陣はなんだ!?と正直驚きました。
誠一郎と義仙は彼らの10倍のスピードで殺陣こなしてましたよ。(笑)
別に殺陣を見せる芝居じゃないけど、力が入ってるようにも見えなかったし、
殺陣見た瞬間に冷めたのも事実。
今回幾分かマシにはなってました。
ってか、あの剣重いんじゃないか??
下に落ちた時、すごい音してたもんなぁ。

もっともっと、ガツン!!とした衝撃を見終わった後うけるかな、
と思っていた部分がありますが、そうでもない。
でも、つまらないわけではない。
でも私は『ヴァージニア・ウルフなんかこわくない?』のが好きです。
ヴァージニアは、見るたびにじわじわと面白くなっていった、舞台でした。
なんか『タイタス・アンドロニカス』見たときと近いものがあるかもしれません。
期待してたよりは・・・っていう。

ホント、個人的な話ですが、7月14日は私の20歳の誕生日でした。
節目のこの日を、この舞台と過ごせたことは幸せでした。
これからも色々な芝居を見て、色んなこと感じて行きたいです!

あ、エレベーターホールのところにパネル貼られてました!

できたら、ジョヴァンニ×アナベラの写真も写メりたかったですが、
人がいたので、今回は断念。二人の全てを象徴するような、めちゃくちゃ良い写真でしたよ!!

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7/13 暁のローマ/レ・ビジュー・ブリアン

2006-07-14 00:14:05 | 舞台感想

2006年7月13日@東京宝塚劇場
『暁のローマ―ジュリアス・シーザーより―』
『レ・ビジュー・ブリアン―きらめく宝石の詩―』


[出演]轟悠(専科)/瀬奈じゅん/彩乃かなみ/他

○暁のローマ
面白かったと言えば面白かったんですが、
なんだか“ちぐはぐ”した舞台だったような気がします。
ジュリアス・シーザーのあらすじは頭に入れていきましたが、それが良くなかったかも。
もっと、シックに、重く、人間の心情を描いていく舞台になるのかな?
と予想していてたんですが、始めっから予想覆されました。

漫才・・・そうきたかぁ!!

と言った感じ。(笑)

音楽も全体的に明るくて、私のイメージしていたものとはだいぶかけ離れてました。

はぁ~そうきたかぁ。

ブルータスを始めとする、ローマの民衆がカエサルの野心に対して恐怖を感じる。
その感情の流れがわかりにくかったです。
だって、カエサル良い奴だったもん。(笑)

「俺がローマを支配する」というようなことは言っていたけれど、
民衆を奴隷として扱うような人にはとても見えなかったし、
なんかこう、暗殺されるまでの説得力に欠けた。
でもこれ、轟さんの演技のせいじゃなくって、音楽のせいだと思う。

とにかく終始、話と曲とが合ってないような違和感を感じてました。

そんな中、すごく良いと思ったのがカエサルの
「ブルータス。お前もか。ならば、いい。」
やっぱこのセリフ!!
自分が信頼していたブルータスに殺されるのであれば、その運命を受け止める。
そういった潔さと、ブルータスに対する愛情をこのセリフの中にすごく感じました。

殺されて横たわる轟悠・・・なんか彫刻みたいでしたよ、よくできた。(笑)

轟さん、瀬奈さん、霧矢さん、大空さん・・・とにかくみんな歌上手い。
しかもカッコ良い!(笑)そう言う意味でも見ごたえありでした。

あと、衣装好きです!
民衆のパステル色の衣装は、後ろの石舞台と合っていて踊る時は特に綺麗だったし、
主役陣は、あんなもう現実離れした衣装なのに、ばっちり着こなしてるし・・・
すごいなぁ宝塚。(笑)

あ、途中で『マクベス』入ってました。
マクベスのストーリーが入ったことで、王を殺してしまったけれど、
その先にっちもさっちもいかなくなった、自分自身の器の小ささを実感する・・・
というようなブルータスの虚しさがより膨れるかもしれません。メタルマクベスですねw

○レ・ビジュー・ブリアン―きらめく宝石の詩―
芝居見てたときも思いましたが、
轟さん・・・なんかこう直接的な言い方になりますが、エロいです。
娘役さんと2人の演技の時、ちょっと本気で危ない雰囲気を感じました。(笑)
流し目されると特に。こういう色気を感じた男役さんは初!
すごいなぁ宝塚。(笑)

鏡を使った演出をもっとたくさん見たかったです。
普段見ることが出来ない役者さんの後姿も見えたし、
万華鏡みたいで綺麗な上に、宝石の輝くイメージにも繋がる。
NINAGAWA十二夜みたいで、すごく面白かった!

本当に終始舞台上がキラキラしていて、役者さんも華があって素敵でしたが、
『自分今、何見てんだろ?あの人たちカッコイイけど女だしなぁ~
 もうわけわからんわぁ・・・』

ってだいぶ混乱しました。(笑)


今までは宝塚には足を踏み入れまい!としてきたんですが、
今日見て、『あぁ結構好きだわ、この世界。』とか思っちゃいましたね。認めますよ。
でも、自分の中で、どのラインまで足を踏み入れるかが、問題。
あんまり深みにはまると、本気で抜けきれなくなりそうなので、正直それは避けたい。
ま、そう思わなくとも、普通にしてれば避けられると思うんですが。
ラインをどこで引くか・・・しばらく考えます。(笑)

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7/6 あわれ彼女は娼婦 初日 1回目

2006-07-07 00:35:21 | 舞台感想
2006年7月6日 あわれ彼女は娼婦 初日 1回目@シアターコクーン

作: ジョン・フォード
翻訳: 小田島雄志
演出: 蜷川幸雄
出演:三上博史・深津絵里・谷原章介・石田太郎・立石凉子・梅沢昌代   
高橋洋・月影瞳・戸井田稔・妹尾正文・鍛治直人・たかお鷹
   中丸新将・有川博・瑳川哲朗

綺麗過ぎてゾクっと鳥肌が立ってしまうような舞台。
ものすごく透明で薄いガラスの球が、落ちて、割れて赤く染まる・・・
みたいなそんなイメージ。
ジョヴァンニとアナベラがガラス球で。っていう。

ジョヴァンニとアナベラが互いの想いを打ち明けてから、
結ばれるまでに、特に繊細さを感じました。
ちょっとでも力が加わったら、すぐ壊れてしまいそうな雰囲気。
でも繊細・脆いからこそ尊くて美しい。
ってこともありますよね。
舞台自体も、一瞬一瞬演じられた瞬間から消えて行く。
だからこそ面白いっていうのがあるし。
ジョヴァンニとアナベラの二人は、そんな感じでした。

たしか蜷川演出で真田広之さんの『ハムレット』だったと思うんですが、
感情の揺れをカーテンに吹き付ける風で、強調する。みたいな演出があって、
それと近い・・・というかほぼ同じ演出が多々ありました。

舞台美術はどこかの劇場を模したものらしく、
その真田『ハムレット』と『間違いの喜劇』を足して2で割った風。
さらに天井から無数の赤い糸が張り巡らされていて、
血の繋がりをイメージさせます。
人が出入りできるところは、大体扉でしめるか、白いカーテンが揺れているかどちらか。

白いカーテンが使われるときは、照明も幻想的で、
違う世界に飛んでしまったようでした。

そうだそうだ、劇場内、いたるところにディズニーの美女と野獣ちっくな
ろうそくの照明がありました。
2幕冒頭、ソランゾとアナベラの結婚式の場面から、
ろうそくの照明が使われ始めたんじゃないかと思いますが、
客席にもろうそくがある。たったそれだけで、自分達もより近くで
結婚式を見ているような感覚になれたような気がします。

通路も結構使ってました。
バルコニー席だったんですが、ある意味役者さんを一番近くで見れるのが、
バルコニーの一番端席。
三上さんが通ると、香水の匂いがしました。
元々香水使う人なのかな、三上さん。
あとたいまつが通過すれば、火の匂いが。
舞台を見ていて嗅覚使うことってあまりないので、新鮮でした。
匂いまでカッコイイ三上博史。(笑)

痛い程に求め合うジョヴァンニとアナベラの二人のシーンのあとに現れる
まるで『メタルマクベス』元きよしのような、
高橋洋さんのお馬鹿っぷり満載の役に、かなり救われた部分がありました。
あれ、ホント元きよし以外の何者でもない。(笑)
彼のおかげでシリアスに落ち込み過ぎることなく、安心して前半を見ることができました。

三上さんは谷原さんと比べたら背は、そりゃ小さいんですが、存在感抜群。
彼が出てくると舞台がぎゅっと締まる感じ。
脆さ・繊細さ・美しさ・・・そういう雰囲気を痛いほど感じました。

深っちゃんは、やっぱ声が良いです!透き通ってて聞き取り易い。でも感情もこもってる。
見た目純真で真っ白なんだけれど、内側はジョヴァンニを求める情欲で燃えている。
二面性(って言っていいのかな)を見て取れました。

谷原さんは、若干台詞何言ってるかわからないところが。
でも、声といい、姿形といい、ソランゾに必要だと思われる貴族の雰囲気は出まくり。
アナベラに隠された事実を知り、狂気と正気の間で揺れる部分とか良かったです。

破滅に向かって行く男と女の美。破壊の美、かな?
近親相姦ではあったけれど、
でも自ら愛するアナベラを殺し、心臓を口にしてしまうほど、
ジョヴァンニは彼女のことを愛していたと思うと、ぐっと胸にくるものが・・・
赤一色の照明の中での殺戮は、綺麗。

カーテンコールは2回、かな?
捌けていく際、寄り添い合う三上さんと深津さんの姿が印象的でした。
ちょこっと会話を交わしたのか、深っちゃんが三上さんに対して頷いていたのが、
なんか良かった!『手応えあり』みたいなそんな風に見えましたよ♪
谷原さんは一人で大きくガッツポーズしてました。(笑)


真正面から全体を見たい舞台でした
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