こんなの無理じゃあ～！！

　昨日，弁護士会から分厚い書類のファイルが送られてきた。
　開けてみると，「会社法施行規則案」の資料で，送付状には以下のようなことが書かれている。
「・・・法制委員会後期の調査・研究課題の一つである「会社法施行規則案」について，１１月２９日付けで法務省からパブリックコメントの募集がございました。意見募集期間は，１２月２８日までです。」
　それは黒猫も知っている。あまりに膨大な量なので見る気もしなかったが。

「昨日１２月１日開催の理事者会では，東弁としてパブリックコメント意見をあげるため，当委員会に対し，上記規則案に関し意見をとりまとめるよう，正式に理事者諮問を決定しました。答申期限は，１２月２５日と急ぎの対応を要する件です。」
　・・・え？

「つきましては，委員ならびに研修員各位におかれましては，事前の内容をご検討いただきまして，次回委員会までに，ご意見の提出をお願い申し上げる次第です。＜提出期限：１２月１５日　正午＞」
　待てい。この送られてきた「会社法施行規則案」って，優に１０００頁くらいありそうなんだけど，これを１週間くらいで検討して，内容に関する意見を述べろというんか？　そんなの絶対無理じゃあ～！！

　つーか，最近の法改正の動きはものすごくて，法制委員会の委員をやっていると，ある日突然参考資料が送られてきて，２週間以内に意見を送ってくれとか，かなり無茶なことを言われることがよくあります。
　もっとも，大半の委員は意見など書いて来ず，黒猫のオリジナルは何が来ても几帳面に意見を出してくる珍しい委員なのですが，今回はさすがにまともな意見を出せる自信はありません。

　会社法施行規則は，旧商法下の計算書類規則→商法施行規則を承継するもので，会社法で法務省令に委任されている細則を規定するもの。今回は省令事項が多数に及ぶため，会社法施行規則のほか
「株主総会等に関する法務省令」
「株式会社の業務の適正を確保する体制に関する法務省令」
「株式会社の監査に関する法務省令」
「株式会社の計算に関する法務省令」
「株式会社の特別清算に関する法務省令」
「持分会社に関する法務省令」
「組織再編行為に関する法務省令」
「電子公告に関する法務省令」
の９本立てになっている。
　ポイントとしては，会計や監査の分野では証券取引法会計とのすり合わせが出来ているかどうか，機関設計などで実務上不都合な点がないか，大会社に要求されるコンプライアンス体制がどのようなものか，といったところか。

　まあ，黒猫も土日あたりにちょっと検討してみようとは思いますが，上記施行規則案について何か意見のある人は，このブログのコメントやトラックバックなどで指摘して頂ければ，ものによっては黒猫が取り上げて，法制委員会が取り上げて，東弁が取り上げて，果ては日弁連の意見になるなんてことが，ひょっとしたらあり得るかもしれません。