法科大学院制度が,全体として挫折又はその重大な危機にあるということはもはや異論の余地がないと思いますが,個別の法科大学院を見ていくと,その中でも「勝ち組」と「負け組」がはっきりと分かれてきているように思われます。
旧試験時代から司法試験の合格実績などろくに無かった大学が概ね「負け組」に属しているのは言うまでもありませんが,旧試験時代から多くの司法試験合格者を輩出してきた名門校の中でも,明らかな . . . 本文を読む
最近,ネット上で話題になっているらしい,産経ニュースの7月6日付け金曜討論「法科大学院」。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120706/trl12070607330000-n1.htm
毎度のいかがわしい法科大学院礼賛記事なので,黒猫としては無視しようかとも思ったのですが,他のブログでも触れられているので一応触れておくことにします。
まず,一橋大 . . . 本文を読む
神戸学院大学に続き,駿河台大学も法科大学院生の新規募集を停止したようですね。
ちょうど2013年度の学生募集をしている時期なので,特に今年の入学者数が一ケタになってしまった法科大学院は,学生募集を続けるかどうか,今頃悩みに悩み抜いているのでしょう。面子に拘って来年度の学生募集を強行すれば,法科大学院を廃校できる時期がまた1年遅くなり,わずか数人の学生のためにそれ以上の数の教員を雇い続けなければ . . . 本文を読む
7月4日,神戸学院大学が法科大学院生の募集を停止したそうです(参照:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120704-00000003-mai-soci)が,昨年の司法試験合格者1人,今年の入学者2人ではむしろ当然の結果であり,むしろよくこんな時期まで粘っていたものです。法科大学院に任意の撤退を促すのがいかに難しいかということの証左であると言えます。
今日 . . . 本文を読む
文部科学省・中央教育審議会大学分科会法科大学院特別委員会では,委員達が法科大学院教育の在り方についていろいろ議論をしています。
この審議会については,配付資料の内容について注目されることはあったものの,その議事録は異様に長い上に,どうせろくなことは書かれていないだろうと予断を抱かれているのか,あまり注目されることはなかったように思います。
このブログを書いている時点で第47回分まで公開されて . . . 本文を読む
日弁連『法科大学院制度の改善に関する具体的提言(案)』に対する愛知県弁護士会の意見書が,同会のホームページで公開されました。
http://www.aiben.jp/page/frombars/topics2/617lawschool.html
上記意見書は,日弁連の提言案について「現在の法曹養成過程において発生している問題を解決する方策にはなり得ないもの」であるとし,このような各提言には . . . 本文を読む
元法律新聞編集長の河野真樹氏が,「学者と弁護士の溝」という記事を書いておられました(下記リンク参照)。
http://kounomaki.blog84.fc2.com/
記事全体に関するコメントは長くなるので避けますが,河野氏は弁護士と学者の対立的な構図について,以下のような感想を述べておられます。
「弁護士と学者の間の、こうした相互蔑視的な話は、その後も、長くこの世界を見てくると、度々目や耳 . . . 本文を読む
あいさつ代わりに,最近の時事にコメントをいくつか。
・消費税増税法案が衆議院で可決,小沢元代表ら50名余りが造反
→もう勝手にしろ。下手に今の民主党維持されるより,政界再編して有権者に政策の違いを理解しやすい形でまとまってくれた方がまだましだと思う。
・東京大学名誉教授・元最高裁判事の団藤重光さん死去
→ご冥福をお祈りします。ただし,東大の刑法学を駄目な学問にした一因はこの人にあるような気がしま . . . 本文を読む
6月8日の衆議院法務委員会では,河井議員が法科大学院について,国民の税金を使ったなりふり構わぬ学生集めの実態をいろいろ明らかにしてくれましたが,それ以外にも変なものがないか,各法科大学院のHPをチェックしてみたいと思います。
○ 愛知学院大学法科大学院
HP:http://www.agu.ac.jp/graduate/lawschool/index.html
・研究科長の「メッセージ」によれば . . . 本文を読む
前回の記事でちょっと触れた,米倉明教授の『法科大学院雑記帳』ですが,今でも戸籍時報に連載が続いているようです。最近書かれた記事のタイトルを並べてみると・・・。
第71回(2011年1月) 必修科目数を減らし,深い教育をしよう
第72回(2011年2月) 百家争鳴のすすめ──制度改革について
第73回(2011年3月) 「事例式問題」などとはおこがましい段階がある ──工夫をこらした初級者教科書 . . . 本文を読む
6月8日衆議院法務委員会の議事録が公開され,法科大学院制度については,自由民主党の河井克行議員が鋭い質問を矢継ぎ早に浴びせていることが分かります(下記リンク参照)。
http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_kaigiroku.htm
この問答については今後の記事でも取り上げる可能性がありますが,とりあえず今回の記事は,河井議員の発言の中でも特 . . . 本文を読む
黒猫の司法試験制度論,第2弾の記事です。今回は「法務士」に関する部分です。
司法制度については,自民党の河井議員がいろいろ面白い指摘をされていますので,そちらに言及するためにも,宿題になっていた法務士制度関係の記事は早めに切り上げることにします。なお,この記事に書いた構想はあくまで現時点の暫定版なので,黒猫自身の意見は後日予告なく変更する場合があります。
第2 法務士制度
1 基本的な考え . . . 本文を読む
本当は「法務士」構想のことを書く予定だったのですが,結構書くのが難しい話である上に,論理的なつながりの問題でこちらを先に書いた方がよいだろうと判断しましたので,法務士の話は次回に飛ばします。
さて,以前の記事で引用した早稲田大学法科大学院の政策評価書(http://www.jlf.or.jp/work/dai3sha/waseda_report2011.pdf)には,以下のような記述がありまし . . . 本文を読む
先日の記事に書いた大阪市立大学ですが,既修者は最初から2年次として取り扱われる取扱いらしく,そうであれば入学者数と1年次の在籍者数が一致しなくても,特段おかしなことはないという結論になります。ただ,未修者・既修者の取扱いは各法科大学院によってまちまちであり,あの書き方で事情を知らない一般市民やジャーナリストが理解できるのか,黒猫と同じ勘違いをして騒ぎ出す人が現れないか,という心配はあります。
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記事の連投は避けようかと思っていたのですが,重要な話なので一応書いておくことにします。
6月14日,法曹養成問題について2つの重要な記事が発表されました。1つは,文部科学省の中教審法科大学院特別委員会で,平成24年度の法科大学院入学者総数がようやく明らかにされたことです(下記リンク参照)。http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG1401H_U2A610C1C . . . 本文を読む