「み菓子」
ただ拝見だけで、頂くことはない菓子がお茶席で出されることがある。茶の湯の精神、技術をみがくために制定された稽古法の七事式では、席中でお菓子を頂かないもの。それで、薄茶の菓子として「み菓子」が運び出される。
「み菓子」とはいつもひらがなで表現されて、「見菓子(見るための)」・「実菓子(実のなる物)」ともとれる。季節の果物のことが多く、
四方盆にちょこんと一つだけ装われた景色をみるなり、なんとなくユーモラスな気分がして、不謹慎にも思わず笑みがこぼれる。
子どもが、青森県に旅行したのでと、りんごを送ってくれた。「トキ」という立派なりんごだったので、亡き父の仙台旅行土産のお盆にのせて御供えした。
「み菓子」のようで、見ているだけで、東北の秋を味わうことができた。(^v^)