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「ゴッホと静物画、伝統から革新へ」展を観に行く

2023年11月20日 | 美術

SOMPO美術館で開催中の「ゴッホと静物画、伝統から革新へ」展を観に行った。2,000円。日時指定予約制が導入されているが、平日でもあり、予約しなくても大丈夫だと思い、いきなり行ってみた。SOMPO美術館に来るのは久しぶりである。結構若い人が来ていた。女性が多かった。

予約すると、個人情報を入力させられ、クレジットカード番号も入力が必要となるから心配になる。たかが美術館の予約をするのに生年月日や自宅の住所などなぜ必要なのか、最近の企業はやりすぎである。一流企業でも情報セキュリティーのレベルは驚くほど低い、ハッカーなどの攻撃に無防備で個人情報がよく漏洩しているではないか。過度な個人情報取得は有料にすべきではないか。

今回の展覧会のテーマはゴッホの静物画であり、展示作品は大部分ゴッホの作品である。当美術館所蔵の作品の他、オランダのクレラー・ミュラー美術館の作品も多く展示されているのがうれしい。ゴッホが生まれたオランダにはゴッホの絵を中心に展示している2つの美術館がある。1つはゴッホ美術館であり、もう一つはクレラー・ミュラー美術館である。私は現役時代、アムステルダムに出張する機会があり、週末を利用してゴッホ美術館を2回訪問したことがある。しかし、クレラー・ミュラー美術館には行ったことがないので、今回は同美術館のゴッホ作品を見る良い機会だと思った。

展覧会の説明資料によれば、ゴッホは生涯850点の油彩を描き、そのうち静物を扱ったものは190点近くあるという。展覧会では、ゴッホは人物画を描きたかったが、静物画はその練習のために描いたと書いてあった。作品を見ていくと、ゴッホはこんな静物画を描いていたんだと気付かされる作品も多かった。が、何と言っても「ひまわり」が最大の眼目であろう。

館内は原則、写真撮影OKだったのは評価できる。撮影できた作品のうち、特に印象に残った作品をアップしてみたい。スマホなので細かい所までは写らないがご容赦を。


ラトゥール、「花と果物、ワイン容れのある静物」(1865、国立西洋美術館)


ドラクロア、「花瓶の花」(1833、スコットランド・ナショナル・ギャラリー)


ルノワール、「アネモネ」(1883から1890頃、ポーラ美術館)


ラトゥール、「プリムラ、洋ナシ、ザクロのある静物」(1866、クレラー・ミュラー美術館)


ゴッホ、「青い花瓶にいけた花」(1887、クレラー・ミュラー美術館)、こんなきれいな絵を描いていたなんて驚いた。


ゴッホ、「アイリス」(1890、ゴッホ美術館)


ゴッホ、「ひまわり」、14輪。オリジナルのロンドン・ナショナルギャラリーの「14輪のひまわり」のレプリカ


ゴッホ、「カーネーションをいけた花瓶」(1886、アムステルダム市立美術館)


ゴッホ、「レモンの籠と瓶」(1888、クレラー・ミュラー美術館)


ゴッホ、「皿とタマネギのある静物」(1889、クレラー・ミュラー美術館)

ゴッホは好きな画家だ。存命中には一枚も売れなかった、苦しい生活を強いられ、画商の弟テオ夫婦の支援で生計が成り立っていた。37年の短い生涯に多くの絵を残した、特にオランダからパリに出てきた1886年以降の絵に素晴らしいものが多い。一目見れば直ぐにゴッホの絵だとわかる強烈な、個性的な作品が多いのが良い。

生存中にテオとの往復書簡など多くの手紙を残し、それが翻訳されて「ゴッホの手紙」(岩波文庫)として3冊の本になっている。これを読むとゴッホの人物像や苦労がよくわかる。そしてゴッホは日本の画家に影響を受けており、かつ、尊敬していたこと、読書家であることが興味をそそられる。

じっくりと鑑賞して楽しめた。



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