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気ままに生活してるシニアの残日録

新春淺草歌舞伎「引窓」「男女道成寺」を鑑賞する

2023年01月23日 | 歌舞伎

淺草公会堂で新春淺草歌舞伎の第1部を夫婦で観た。ここで歌舞伎を観るのは初めてだ。演目は2つだけで、11時開演で幕間を入れて終了は13時44分。私はこのくらいの時間がちょうど良い。歌舞伎座で昼夜2公演の番組だと、昼の部と夜の部とそれぞれが4時間くらいかかる、ちょっと疲れるし飽きてくる。オペラもそうだが3時間くらいが限度だね。

新春歌舞伎なので劇場も演目もおめでたい賑やかな雰囲気を作っている。客層は圧倒的におばさま方だ。和服姿も少なくない。ただ、空席も若干見られた。今日の座席は1階前方の良い席、値段は夫婦合計で19,000円。

最初の演目は「双蝶々曲輪日記、引窓」、配役は

  • 与平衛:  中村隼人
  • 濡髪長五郎:中村橋之助(中村芝翫の長男)
  • お早:   坂東新吾(「鎌倉殿の13人」で人気が出た坂東彌十郎の息子)
  • 母お幸:  上村吉弥

双蝶々曲輪日記は有名な演目で、中でも角力場とこの引窓の場が人気があり良く上演される。濡髪長五郎が誤って人を殺して追われる身、養子に出されていたが産みの母のところに戻る、そこに義理の息子与平衛が武士に格上げになって戻ってくる、ただ濡髪の捕縛が任務、家で母と妻が濡髪をかくまっていることを知る、だが大義名分をつけて濡髪を逃がす、と言うストーリー。物語の中で引窓により部屋の中が明るくなったり暗くなったりするのがポイントとなっている。

ところで、与平衛は濡髪が家いることを気づいたが何とか大義名分を立てて逃がす、この見て見ぬふりをするというのは「勧進帳」でも富樫左衛門が変装した義経を見破るが、弁慶の主君を思う一途さに感銘して関所を通過させるというのが一番有名なのではないか。不正に甘い日本特有の文化だいう批判も聞いたことがあったが、欧米の小説か映画でも似たような例に気づいたことがあった、多分、洋の東西に関わらず共通の人情ではないか。

ここで幕間、お楽しみの昼食の時間だ。今日は淺草松屋の地下で崎陽軒のシウマイ弁当を選んだ。久しぶりに食べたがうまかった。オペラと違って幕間に座席で食事ができるというのがこれこそ日本特有の良いシステムではないか、費用も千円前後でリーズナブルだ。ただ、今日初めて浅草公会堂に来たが、公会堂内でも弁当が売っており、結構美味しそうなものがそろっていたのでこちらで買っても良かった。

さて、2幕目の演目は「男女道成寺(めおとどうじょうじ)」、これは「京鹿子娘道成寺」の趣向を取り入れた舞踊だ、桜が満開の道成寺に花子と桜子と名のる二人の白拍子が舞を奉納しにやってくるが、実は桜子は男の狂言師。男女の踊り比べが楽しい、初春に相応しい華やかな舞踊だった。配役は

  • 白拍子桜子実は狂言師左近:坂東巳之助(坂東三津五郎の息子)
  • 白拍子:坂東新吾

2人とも踊りは見事でうまかった。この道成寺というのは紀州にあり、安珍・清姫伝説の舞台である、この伝説は清姫が僧・安珍に恋をしたが裏切られ、蛇に変化して安珍を追いかけ、ついに道成寺で鐘ごと焼き尽くす、と言うもの。この物語の後日譚が道成寺もので、いろんなバリエーションがある。男女道成寺もその一つ。

さて、帰りに肉の「松喜」に寄って、晩ご飯のおかずにハンバーグ用の挽肉300グラムと晩酌のつまみに焼豚200グラムを買って帰った。併せて1,400円くらいだったか。大寒らしい寒い一日だったので夜は歌舞伎鑑賞の余韻に浸りながらうまいつまみで一杯やることにしましょう。

 



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