BS放送で「チョン・キョンファ バイオリン・リサイタル」を放映していたので録画して観た。2回連続の放送で合計2時間である。リサイタルは2018年6月5日、東京オペラシティーコンサートホールでのもの。
チョン・キョンファは1948年韓国生まれの75才、弟のチョン・ミンフンは指揮者・ピアニストであり、姉のチョン・ミュンファはチェリストだ。12才でアメリカのジュリアード音楽院に留学をしイヴァン・ガラミアンに師事、また後にヨーロッパではヨゼフ・シゲティの薫陶を受けた。1967年にレーヴェントリット国際コンクールで優勝した。2005年に指のけがにより長期療養し、2010年に復帰した。演奏できない時期に彼女の救いとなったのはバッハの音楽だと番組では説明していた。ショパンコンクール最高位のピアニスト、ケヴィン・ケナーとは2011年以来共演を続けている。
曲目は、
ヴォカリーズ(ラフマニノフ作曲)
シャコンヌ(バッハ作曲)
バイオリン・ソナタ(フランク作曲)
ハイオリンソナタ第1番(フォーレ作曲)
バイオリン・ソナタ第3番(ブラームス作曲)
(アンコール) 美しい夕暮れ(ドビュッシー作曲、ハイフェッツ編曲)
キョンファは演奏中、ときおり笑顔を見せるようなことが何回かあり、楽しんで演奏している感じだった。リサイタル当時は70才であるが立ちながら演奏できるのはたいしたものである。
今回演奏された曲では、フランクのバイオリン・ソナタを注目した。この曲はクラシック倶楽部に出てくる演奏家によって頻繁に演奏されている曲だから自然と覚えた。結構人気のある曲なのだろう。フランクはベルギーの作曲家・オルガニストで1886年にこの曲を作曲した、バイオリン・ソナタとなっているが内容的にはピアノはバイオリンの伴奏ではなくバイオリンとピアノの二重奏曲だ。フランクが同郷の後輩のバイオリニストのイザイの結婚祝いのために作曲して、献呈されたもの、初演はイザイによってブリュッセルで行われた。最後の第4楽章が好きだ。バイオリンとピアノのかけ合いのような演奏がとてもよい。
さて、演奏中気づいた事項を2つ記しておこう
- フォーレのバイオリン・ソナタの演奏で第1楽章が終わったとき、拍手が起こった。別にこれはかまわないことなのだが非常にめずらしい、他では確か1回しか見たことがない
- ピアノのケヴィン・ケナーの前には大きめのタブレッドが置いてあり、そこに楽譜が写されていた。そして、紙の楽譜の場合と同様、斜め後ろに何かデバイスを持った女性が控えており、タブレットの画面のページをめくっていた(と思われる)。他の例ではピアニストがスワイプしていることもあるが、後ろに係の人が控えている方式は初めて見た。観客が見えないところでできないのだろうか。
ピアノ・リサイタルでオペラシティーのコンサートホールを埋める集客力があるというのはたいしたものだ。知名度もある人気なのバイオリニストだろう。いつまでも現役で頑張ってもらいたい。
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