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上野 de クラシック Vol.95 島多璃音を聴きに行った

2024年06月18日 | クラシック音楽

上野 de クラシック Vol.95 島多璃音(しまた りいと、ピアノ)を聴きに行った、場所は東京文化会館 小ホール、11時開演、12時終演、座席指定、1,100円。

曲目

リスト:

  • 超絶技巧練習曲 第1番 ハ長調 「前奏曲」 S139-1
  • 3つの夜想曲『愛の夢』 S541
    • 第1楽章「高貴な愛」
    • 第2楽章「私は死んだ」
    • 第3楽章「おお、愛しうる限り幸せ」
  • シューベルトによる12の歌 S558より
    • 第7曲 「春の思い」
    • 第8曲 「糸を紡ぐグレートヒェン」
  • 『巡礼の年』 第2年「イタリア」 S161より
    • 第6曲 「ペトラルカのソネット 第123番」
    • 第7曲 「ダンテを読んで~ソナタ風幻想曲~」

出演

ピアノ:島多璃音(Riito Shimata)

島多璃音は、公演前はてっきり女性かと思っていたが、長身で細身の体形に黒で統一したシャツとズボンをはいた若い男性がステージに現れた。ドイツ・デュッセルドルフ出身、宝塚市で育ち、第33回ポッツォーリ国際ピアノコンクール(イタリア)最高位及び聴衆賞、第3回藝大ピアノコンクール第1位、第71回全日本学生音楽コンクール第1位など受賞多数。東京藝術大学器楽科ピアノ専攻を今春卒業予定。2023年、第21回東京音楽コンクールピアノ部門第2位及び聴衆賞受賞。

東京文化会館は、読売新聞、花王、東京都と共催で、芸術家としての自立を目指す可能性に富んだ新人音楽家を発掘し、育成を行うことを目的として、2003年から毎年東京音楽コンクールを実施している。このコンクールは、入賞後も様々なコンサートへの出演機会の提供を行うなど、手厚いサポート体制を用意している点で、他に類を見ない日本を代表するコンクール。その一環として「上野deクラシック」では、毎回、東京音楽コンクール入賞者が出演している、今日の公演もその一つだが、こういった取り組みは知らなかったが良いことだろう

そういうことで今日の公演は大した人数は来場しないだろうと想像していたが、全体としては6割か7割の席が埋まっていたので驚いた

今日の演目と、演者であるピアニストの島多璃音について

  • 今日の演目はリストに絞った、シューベルトが作曲したリート(ドイツ歌曲)をピアノのみの演奏に変奏した2曲が入っているが、全曲リストの作品だ
  • 冒頭の超絶技法「前奏曲」はリストらしい技巧を凝らした曲で、島多の演奏は派手なアクションで眼も楽しませてくれた
  • 「巡礼の年」の「イタリア」の2曲も時に激しい部分があり、島多の情熱が感じられる演奏だった
  • これらに比べて「愛の夢」とシューベルトの2曲のリートはじっくり聞かせる曲だったので、演目の組み合わせの妙を味わえた
  • これらの演目は全部続けて演奏すれば、30分か40分あれば十分だ、今日は演奏に加え、各演目の演奏前に島多によるトークが多くあり、非常に面白かった、冒頭ステージに現れるとすぐにマイクを取り、今日の来場のお礼ととともに今日の公演にかける思い、意気込みなどを語り、さらに各演目を演奏する前にはその曲の解説をじっくりとしてくれた
  • 若干話しすぎではないかな、と感じくらい多く語ってくれたのは、若者らしい新たな公演のスタイルを考えてのことだろう、非常に良い取り組みだと思った。内容ととともに人柄なども少しはわかった気がして好感が持てた。シューベルトの変奏曲を演奏する際は、ドイツ歌曲の説明をし、歌曲とはリート(Lied)と呼ばれ、自分の名前も実は「りーと(璃音)」と読み、これは親が音楽好きで付けた名前、もし自分がこの道に進まなかったらどうしてくれるのかと思った、とか「璃音がリートを演奏することになった」と語るなど、笑いをとる工夫もしていた

まだ芸大在学中か卒業したばかりの若者だが、将来が楽しみだ

 



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