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映画「BLUE GIANT」を観る

2024年03月16日 | 映画

Prime Videoで映画「BLUE GIANT」を観た。2023年、監督立川譲、原作石塚真一、音楽上原ひろみ。2013年から小学館「ビッグコミック」にて連載開始した石塚真一の人気ジャズ漫画「BLUE GIANT」をアニメ映画化したもの。

コミックスのシリーズ累計部数は890万部を超える大ヒット作品というから驚きだ。世界最古のジャズレーベル「BLUE NOTE RECORDS」とのコラボレーション・コンピ・アルバムの発売や、ブルーノート東京でのライブイベントの開催、Spotify とのコラボ・プレイリストの公開など、現実のジャズシーンにも影響を与えているすごいコミックだが、全く知らなかった。

アニメ映画の中で演奏される音楽は、ピアニストの上原ひろみが担当し、主人公たちのオリジナル楽曲の書き下ろしをはじめ、劇中曲含めた作品全体の音楽も制作した。サックス(宮本大)はオーディションを実施、バークリー音楽院時代からアメリカを拠点に活躍し、最近ではDREAMS COME TRUEとの共演などでも注目される馬場智章が選ばれた。ピアノ(沢辺雪祈)は、上原ひろみ自身が担当。さらに、ドラム(玉田俊二)の演奏はmillennium paradeへの参加、くるりのサポートメンバーとしても活躍する石若駿が担当した。映画中の音楽は既存のジャズナンバーのレコードをかけたのではなく、この映画用に作り、実際のプロたちが演奏したとあるからすごいものだ。

仙台に暮らす高校生・宮本大(音声:山田裕貴)はジャズに魅了され、毎日ひとり河原でテナーサックスを吹き続けてきた。卒業と同時に上京した彼は、高校の同級生・玉田俊二(岡山天音)のアパートに転がり込む。ある日、ライブハウスで同世代の凄腕ピアニスト・沢辺雪祈(ユキノリ)(間宮祥太朗)と出会った大は彼に自分と一緒にバンドを作ろうと誘い、大に感化されてドラムを始めた玉田も加わり3人組バンド「JASS」を結成。楽譜も読めずただひたすらに全力で吹いてきた大と、幼い頃からジャズに全てを捧げてきた雪祈、そして初心者の玉田のトリオの目標は、日本最高のジャズクラブ「So Blue」に出演し、日本のジャズシーンを変えること。必死に活動を続けていくと徐々にチャンスが広がっていくが思いもよらないことが起こる・・・

いくつか感想を書きたい。

  • とにかく主人公のテナーサックス吹きの宮本大の個性が強烈である。よく練習しているだけでなく、自分の演奏に完全なる自信を持っており、それを臆することなく話す、知らない人は「こいつ馬鹿か」と思うだろうが、そんなことはお構いなしだ。最初のうちは音符も読めずにサックスを演奏していた、という点などは私には信じられないが、とにかくジャズが好きだということだけは伝わってくる、その人間設定がこのドラマを面白くしている。
  • 東京に出てきて間もないころ、ライブを聞こうとたまたま入った店が「JAZZ TAKE TWO」だ、ここのオーナーママさんは昔ジャズのボーカルをやっていたのか、その時の演奏の写真が飾られている。ライブラリにはLPがびっしり収まっている。そのうちの一枚を聞かせてもらった大はその迫力にビックリする。だが、ライブはやっていないので、ライブを聞きたいならここに行きな、と店を紹介されて行った店でピアノの沢辺雪祈と知り合う。そして、トリオを組んだ後はこのTAKE TWOが金のない大たちの練習場になっていく。このオーナーママさんが良い役を演じていると思う。若者たちの成長には彼らの能力を見抜き、支援するこうした人たちが必要だろう。
  • 映画の中に出てくる、日本最高のジャズクラブ「So Blue」とは南青山にある「ブルーノート東京」をイメージしたものだろう。一度だけ行ったことがあるがそっくりな雰囲気に描いていた。ただ、東京のブルーノートはニューヨークのブルーノートとは違った雰囲気だったが、どちらも良い。JAZZ TAKE TWOという店もモデルがあるのであろうが、そこまでの知識は私にはない。
  • 以前にも書いたが、ジャズのマーケットはクラシック音楽に比べれば小さいのではないか。なぜなら主な市場はアメリカしかないだろうし、演奏会場もクラシックに比べれば少人数しか入らない、その演奏会場も日本でいえば東京など大都市にはあるが地方にはほとんどないだろうし、テレビ番組でもジャズを聴かせる番組はほとんどない。ただ、やりようによってはこの映画の原作漫画のようにミリオンセラーになる可能性を秘めているから人を引き付ける魅力はあるのだろう。私はジャズの有名なCDを少し持っていて、たまにそれらを聴くだけだが、ジャズ喫茶やジャズクラブの雰囲気は好きだ。喫茶店業界ではジャズ喫茶がクラシック名曲喫茶より目立つのが不思議だが、それもジャズが人を引き付ける魅力がある証拠であろう。

続編があるだろうからそれができたら観てみたい。

さて、14日はホワイトデー、バレンタインデーのお返しはこれを

 

 



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