新国立劇場で歌劇「リゴレット」を観てきた。今日の席はC席、4階中央より舞台に向かって右側、値段はシニア料金で8,360円。今日はホワイエの状況を見てる限り、1、2階はかなり空席があるのではないかと感じたがどうだろう。時間は休憩も入れて2時間40分、比較的短いオペラだ。
このオペラはヴェルディが37歳の時に初演された16作目のオペラ、新国立劇場では10年ぶりの新制作となるそうだ。
観た感想などを記してみよう
- 私が感じた今日の主役はタイトル・ロールのリゴレットを演じたロベルト・フロンターリではなく、ジルダを演じたハスミック・トロシャンだ。初めて聞く名前だったが、歌唱力は素晴らしく、ジルダの悲しみを気持ちを込めて歌っている感じが伝わった。ルックスもよかった。
- 新制作の演出は特に奇抜なものはなく、話の内容からして暗い照明が多かったが、悪くはなかったと思う。特に第3幕の舞台設定が面白かった。スパラフチーレの居酒屋の室内とジルダたちが覗いている室内とが入口の階段と壁で隔てられてる構図はまるで歌舞伎の舞台のようなセッティングだからだ。
- 演技と何も関係ないが、今日はある高校の生徒たちが鑑賞に来ていた。だた、この演目を果たして高校生に見せる必要性があるのか疑問を感じた。オペラを鑑賞させるのは悪いこととは思わないが、演目が適当とは思えない。オペラは大人になってから観るので十分ではないか。日本の伝統芸能のほうも鑑賞させているとは思うが・・・
(以下、記録のみ)
簡単なあらすじ。
【第1幕】宮廷でモンテローネ伯爵が娘を陵辱したマントヴァ公爵を非難する。道化師リゴレットは嘲笑するが、伯爵から公爵と一緒に呪いの言葉を投げらる。学生に変装した公爵が教会で娘ジルダの心を奪う。公爵の威を借るリゴレットに我慢のならない廷臣達はジルダを彼の情婦と思い込み誘拐する。
【第2幕】ジルダがいなくなったと公爵が気落ちしていると、廷臣たちがジルダを誘拐してくるので公爵は喜ぶ。リゴレットが娘を探す姿を、廷臣たちがあざ笑う。娘が公爵の寝室にいることを知ったリゴレットは、怒り、泣く。ジルダから公爵の毒牙にかかったことを聞き、公爵を呪い、復讐を誓う。
【第3幕】リゴレットはジルダと居酒屋の外で公爵が女と戯れる様子を見て公爵の本性を知るが恋心は消えない。リゴレットはスパラフチーレに公爵殺しを依頼するが妹が「身代わりを殺して報酬だけせしめよう」と。立ち聞きしていたジルダは身代わりになると決意。殺し屋から死体袋を受け取ったリゴレットは瀕死の娘の姿を目にし、呪いの恐ろしさに打ちのめされる。
- 【指 揮】マウリツィオ・ベニーニ(イタリアの名匠)
- 【演 出】エミリオ・サージ(スペインの巨匠)
- 【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団
- 【原作】ヴィクトル・ユゴーの戯曲『王は楽しむ』(1832)
- 【リゴレット】ロベルト・フロンターリ(65、伊、ヴェルディ・バリトンとして世界を飛び回る)
- 【ジルダ】ハスミック・トロシャン(新世代のコロラトゥーラ・ソプラノ、アルメニア)
- 【マントヴァ公爵】イヴァン・アヨン・リヴァス(大型の若手テノール)
- 【スパラフチーレ】妻屋秀和
- 【マッダレーナ】清水華澄
- 【モンテローネ伯爵】須藤慎