ローラー負荷考察その1

2011-09-27 21:26:27 | うんちくシリーズ
今日もローラーで軽く流し

流し:189W-30分

240Wが軽く出たのできちんと回復してるようです。


今日はローラー負荷考察その1

もともとはローラーにおける、「ローギア×負荷MAX」と「ハイギア×低負荷」の違いについての話。
なんとか計算で違いを定量的に表せないか?ということで、まず実走とローラーの運動方程式を考えてみました。

運動方程式についてはここらへんを参考に。

で、ペダルに入力する力をここらへんを参考に、以下のsin波に近似しました。


図1 ペダリングトルク

条件を以下のようにします。

・左右の足でトルク差がないので180%回転(半漕ぎ)分のみ計算。
・ひと漕ぎの平均ケイデンスは90rpm。
・入力トルクはクランク角毎に一定。
・ライダーは俺!

この条件で上のペダリングトルクを運動方程式に入れてやり
「5%の登り」、「平地」、「5%の下り」において、ペダルを上死点から下死点まで半回転させるまでのケイデンス時間推移を見てみると


図2 実走のケイデンス推移

登りでは約2rpmのケイデンスの変動が見られ、これは平地や下りの3~4倍くらいでしょうか?
つまり「登りのペダリング=ムラがある」と言えます。

なぜか?
登りではローギアになるので、加減速が表れやすいためと思われます。
(車のローギアが運転しづらいのと一緒です)

ちなみに平均出力は勾配にかからわず276Wくらいです。


次にローラーの運動方程式。
こちらはホイールとローラー負荷周りの回転運動だけを考えればいいと思うので
ホイールのリム+タイヤ重量とフライホイールの重量と半径、転がり抵抗、ローラー負荷を変数として計算しました。
(特にローラー負荷とフライホイールの所はわからないのでテキトーに補正しました)

ローラー負荷はこの前の渦電流式ブレーキの特性を参考に、下のような感じで最大負荷20N、50Nの2種類を用意しました。
(だいたい20Nは勾配3%の登坂抵抗、50Nは8%の登坂抵抗)
実用域では負荷一定なんだから、最初から一定にすればいいじゃんとの突っ込みはなしで。色々考えた結果です(笑)


図3 ローラーの負荷特性


実際にマグテックスツインを回してみて、ある程度速度が乗れば負荷は一定な気がしたので暫定でこの特性にします。

で、同様の条件でケイデンスの推移を計算しました。


図4 ローラーのケイデンス推移

ちなみに
負荷20の時のギアは52×12T(低負荷×ハイギア)
負荷50の時のギアは39×23T(高負荷×ローギア)


ケイデンスの変動値が実走に比べて大きいのは、「実走の惰性>>ローラーの惰性」な為です。
メーカの宣伝文句通りフライホイール重量が軽い方がケイデンスにムラが出て登りっぽくなりますね。
でも色々変数をいじったのですが、実走と同じケイデンス変動にしようとすると物理的におかしなことになります。
やはり実走と同じ負荷を出すのは難しいのか…

それは置いといて、負荷50の方がケイデンスの変動が大きいことが分かります。
先ほどの実走の計算結果より登りはケイデンス変動が大きいことから

「高負荷=登りの負荷に近い」

と結論付けたいところですが、そもそもローラーの慣性に関する変数がテキトーな事と
変動の絶対値は低負荷の方が実走に近いという問題があり、まだまだ結論は出せません。

しかしローギアを使った方がペダリングにムラができるみたいです。

と、図4からさらに気になることが…
今回の検証ではペダリングトルクは一定に設定したので、実走では勾配にかかわらず平均出力は一定でしたが
ローラーでは負荷を上げると出力が下がります。

なんで?ということで、半漕ぎにおける出力の推移を見てみました。


図5 ローラーにおける出力の推移

山の面積が出力になります。
明らかに負荷50とその他で出力の出方が違います。
もちろん実走だとどの勾配でも出力特性は同じでした。

これが真で、負荷を上げると出力が下がるのか?それとも計算がおかしいのか…

とりあえずローラーの変数をいじる必要がありそうです。
負荷50Nのグラフもなんかおかしいし。

というわけで今回のまとめ。

�登りではペダリングムラができる。
�ローラーでは負荷を上げるほどペダリングムラができる。
�フライホイールは軽い方がペダリングムラができる。


次回はマグテックスツインとパワータップを使って変数をいじってみようと思います。
(いつになるかわかりませんが)

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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (なおっき)
2011-09-29 17:00:08
むぅ~

ちんぷんかんぷん

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Unknown (ADON)
2011-09-30 08:47:25
こ、この記事圧倒的じゃないか!!!

負荷下の走りは上死点・下死点で働く
体幹筋群がポイントになってきますね。
脚だけで漕ぎにくいクランク角度なわけですが、
これらのエンデュランス筋群はあまり大出力に対応しないので
負荷分散するのが正しいですよね。(=山や向かい風はローギアクルクルが正解の巻)

マイナス加速度が大きいクランク角滞在時間を
減らすってのも考察のポイントかもしれません。

僕は股関節が硬くて腸腰筋・大腿直筋だけで脚がきれいにあがらないので体幹ベースの引き上げになります。高ケイデンス対応不可です。
だから踏み系のクライミングになります。
もちろんムラあります。固いホイール御免です。
僕は「人間はモーターじゃないんでムラ有容認派」です。
キレイにクルクル回せる人が羨ましい(^_^.)

腸腰筋や中臀筋を高負荷にさらすのはかなり重要だと思いますね。
チャリ以外役に立ちませんけどw
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Unknown (かえクラ)
2011-09-30 15:44:01
>なおっきさん
すまぬ・・・

>ADONさん
パンターニのガッチリしたお尻周りを見るからに,インナーマッスルとか凄そうですね.
フィジカル的な所も勉強していきたいです.
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