対極論

正論・異論・極論…様々な角度から考察する思考実験ブログ

大極論63号 エコー・チェンバー?

2017-02-07 15:14:13 | 時事・思考実験
正論・異論・極論…様々な角度から考察する思考実験ブログ
【マスコミ】古くて新しい?「脱・真実」ネット大衆社会がジャーナリズムにもたらす変化 良質な情報が駆逐される?(2ちゃん 速報+・THE PAGE 大石裕氏)

ネットの時代になって、マスメディアのジャーナリズムは危機を迎えます。人々は情報入手の手段としてネットにますます依存するようになると同時に、ネット上で自分の意見を自由に述べるようになりました。批判の矛先は政治エリートだけではなく、マスメディアにも向かうようになりました。また、政治問題や社会問題に関しては、自分の意見と似通ったネット上の主張にアクセスし、異なる意見に接する機会が減るという現象が目立つようになりました。これは最近、「エコーチェンバー」現象と呼ばれています。その結果、世論の分極化が進むようになったのです。

 ここで忘れてならないのは、この現象が比較的良質な情報を追い出す方向に作用しているということです。マスメディアのジャーナリズムは、確かに多くの問題を抱えています。それでも、なんとか踏ん張って社会に対して問題提起をしてきました。でも、そうした活動に対しても、「偏向している」、「偽善に満ちている」、「面白くない」という批判を浴びせ、その一方でネット上では「自由な」発言が飛びかい、それを互いに引用し合い、面白がる傾向がどんどん強まるようになりました。しかも、これだけグローバル化が進んできたにもかかわらず、人びとの関心の幅は狭まり、限定されるようになってきました。まさに「ネット大衆社会」とも言える状況が広がってきたのです。


【お題】
ネット社会になり、マスメディアは危機を迎えている。
マスメディアの主張に耳を貸さなくなり、マスメディアの主張の逆こそ真実だと思う人々も増えている現状、ネットにこそ真実があるかのように見做される現状。
これにどういう事なのだろうか?

【極論】

A:
ネット社会のネットは知るべき事を知るツールではなく、知りたい事を知るツールである。
社会に不満を持つ・社会の事実に違和感を持つ人達に不満や違和感の根源やそれと対峙する為の理論武装を与えてくれるが、
その反面では「不満のソレは本当の不満か?」「違和感自体が間違っているのでは?」と疑問を呈する情報に自らアクセスしなければ、そうした自らへの反証の機会を得る事も無い。
「知りたい事を知るツール・知りたくない事自体がしらないままで済ませられるツール」それがネット検索な訳だがな。

B:
共感出来る人に好意を持ち、反感を持つ人には好意を持てない。
共感出来る情報は集め、共感出来ない情報には眉をひそめる。
リアル社会上ではそこには人付き合いのマナーと言動のモラルがあり、思想信条が違えと表には出さずに共に仕事をし仲間となる訳だが、
リアルな人付き合いと一線を置いたネットコミュニティでは共感の情報とヒトにアクセスすれば、扇動は共感内の正論になり偏向された論拠情報は共感の理論武装となる。
ネット内の共感は共鳴となり共振となる。自己の考えと同じ考えの意見に共感し、更に極端な「正論」を書けば誰かがそれに共感し更に極端なカキコミをする。
共感のボルテージは上がり異なる意見は嘘と妨害の悪意だとさえ認識し無視し敵意を示す・・・「エコーチェンバー」現象と呼ぶらしいな今では。

かつてなら、浅間山荘・連合赤軍、そしてオウムみたくリアルな同志関係内の閉鎖的なエコーチェンバーならばコミュニティの中で共振しあい、実社会との乖離が顕在化し異常者集団として社会に否定排斥され自壊したものだが、
ネット社会のエコーチェンバー現象は普通の人が普通に生活している中で、思想信条がエコーチェンバーによって極端化しつつも社会人として顕在化しないままで肥大化する。
一部に在特会デモやシールズみたく顕在化をするが大多数は潜在化し世論やメディアにその実態は出る事はない。
潜在化したまま思想は流布されエコーチェンバー化する。それがネット社会だな。


C:
という事は、ネトウヨもオウムと同じカルト化という事かな?

B:
結果的には、ネットが聞きたい事を聞くエコーチェンバー現象の装置ならば、聞きたい事だけしか耳に入らなくなるという意味では思想がカルト化しやすく、貴方が思う「ネトウヨ」な人達もある意味のカルトになる危険性が高いですね。
でも貴方が気に食わないポジションの人達をネトウヨだとカテゴライズして敵性を剥き出しにするのも充分に貴方自身がカルト要素がありますよ?

あと、リアルが一市民生活をしている人達がネットを媒介にエコーチェンバー化するという事は、社会に全く顕在化しないままである条件下で一斉に潜在化するという社会的時限爆弾を抱えるようなもの。 ある時は選挙で爆発し極端な主義主張の政党がいきなり支持を得たり、また突然の大規模デモが発生したり…ある意味、在来の公安警察が全く対処出来ない発生源も発生動機も組織立たない公安事案が発生したりね。

D:
さて、ブログ上では「脱・真実」と称してあたかもデマが真実に乗っ取られる時代かのように論じていますが、本当にネット社会でデマが真実を凌駕しますか?


A:
所謂、「赤いニシン戦略」としてはまずネットは有効だろうね。
つまり、大衆は最初に認識して決定した結論判断には以後に新たな判断事実ソースが追加され正確な事実が明らかになっても、てもなかなか最初の決定を修正しない属性がある。
なので最初に都合の良い情報を流布し決定を喧伝し結論を固定化した方が世論操作上で「勝ち」になる以上、マスメディアより速報性の早く先に認識を固着出来るネットによるデマ合戦になるだろうね。
そうやってマスメディアが流す「真実」とやらをネットの脱・真実が凌駕するだろうね。


B:
基本的にはネット、特にBBS・2ちゃんはソース主義でソースの無い情報は単なるヨタ話として排除されるものだったが、
今のネットはブログという発信主の「信者」がそのブログの思想と情報に同化しツイッター等へその情報と思想を拡散宣布するというソース主義からコピーされた主観主義になった以上、ポスト・真実は益々酷くなるだろうね。

C:
ネットという自由空間は悪くないと思うし、これも民主主義の一つの進化形態だと思うが、ポスト・真実がネットで乱舞し自陣営への喧伝プロパガンダ道具となり、また自陣営の論陣をエコーチェンバー化し陣営を信奉するネットユーザーごとにカルト化させるような、悪い道具にネットはなりかけている。
すくなくとも在来のマスメディアが情報の「スタンダード」を担い、そのスタンダードを前提にネット言論が在るべきだと思う。


A:
そもそも刷り込み印象で大衆の決定判断を固着化させてエコーチェンバー化を行ない自陣営の利益と自社の利益にしてきたのがマスゴミじゃん、今更スタンダード化なんて誰も信じないよw
今のポスト・真実はネットの暴走から出た訳じゃない、もしマスゴミがスタンダードを担えるだけの誠実さがあれば、そのスタンダードを中心軸にしたネット論調が発展するはずだったがな。
結局はマスゴミは嘘を嘘で固めたプロパガンダで民主党政権という厄災を作り上げを端に様々な案件でプロパガンダ機関として垂れ流した事がバレ、その罪を拭う事なく開き直った結果がマスメディアバッシングからマスゴミパッシングになったのだと思う。 スタンダード中心軸どころかその価値すら疑問視されてる代物に堕ちたってな。

マスゴミの自業自得だと思う一方で、このまま一次情報の主流通源のマスメディアが衰退していくのは社会的にも民主主義的にも良くはないわな。