桃とかなへび

いらっしゃいませ。

忘れていない

2017年09月07日 | 無意識と意識の間で
どういういきさつなのか、誰かにお茶を差し上げることになった。さして道具もない状況ではあったが、なんとかできるだろうとお点前をはじめる。

しかし、あったはずのものが消えてしまうし、お茶を見ると酸化した冴えない色で、これではとても美味しいお茶をお出しすることができない。ついには袱紗まで消えて、腹をくくる。
お客さまに仕切り直しのお願いとお詫びを申し上げた。

ふとお客さまを見ると、昔の会社の一番仲良くしていた同僚だった。
若い頃素直に笑ったり、ましてや泣いたりするのは恥ずかしくて苦手だった。でも彼女を見て、人はこんなにも嬉しい時に嬉しがったり喜んだりできるもので、私ももっと笑っていいんだなと初めて思った。

私にはとても大切な友人だったのに、彼女の会社時代は苦い経験が多く、私や同期はその思い出の一部なのだろうか、彼女の結婚式には誰も呼ばれず、彼女だけ疎遠になってしまった。
しかし12〜3年前、他のみんなで集まった時、彼女がひとつ上の先輩2人とだけはずっと連絡をとっていたと知り、私はダメな自分にショックを受けた。

その彼女が目の前にいて、不甲斐ない私に怒っている。私はなんとしても心を込めて一服差し上げたかった。

いろんなものが消えてしまって、さて何から始めましょうと思っていると、子どもの頃から教えていただいたお茶の師匠が現れて、十数枚の袱紗を広げた。
さあ、どれでも好きなのを使いなさい。


ハッと目が覚めた午前4時半、そのまま少し泣いた。

厳しかった先生が、困っている私に手を差し伸べて下さった。もう9年ほどもきちんとお稽古していないのに。
メキシコにいた時は、ばあちゃんが夢の中で海をみせてくれた。
こんな夢をみるなんて、私疲れているのかな。夢に自覚を促される。

ゆっくり、手がけて絡まったあれこれを解きほぐそう。場合によってはやめてしまうものもあるかもしれない。

そんなことをちょっと考えてまた眠った。
ここ数ヶ月、3時間と眠れることがない断続的睡眠が続く。
6時前には起きて、また新しい1日がはじまるのだ。


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