これからが人生だ!! ~やったるぜ~

リ・タイヤしたオッチャンの日々の出来事

おら おらで ひとり いぐも

2018-02-12 18:22:01 | 日記
家内が一冊の本を買ってきました。
タイトルは東北弁で「おら おらで ひとり いぐも」
※「私は、私で、一人で行きます」

第158回芥川賞受賞作品です。
作者は63歳の新人作家「若竹千佐子」さん。
本の帯には、新たな「老い」を生きる為の感動作とあります。

又、これは青春小説に対して玄冬小説であるとも。

話はそれますが、昔の人(孔子の『論語』時代)は人生を四季に例えそれぞれに色分けをしたらしい。
春は青(青春)、夏は朱(朱夏)、秋は白(白秋)、冬は黒(玄冬)

青春(青年)
朱夏(壮年、働き盛り)
白秋(中、高齢者)
玄冬(老人)

ということはこれは後期高齢者が読む本?

早速に読みました。

いきなり「あいやー、おらの頭このごろ、なんぼがおがしくなってきたんでねべが、
     どうすっぺ・・・・・」
    「てしたごどながねでば、なにそれぐれ」

    「そういうおめは誰なのよ」
    「決まってだら。おらだば、おめだ。おめだば、おらだ」


主人公の名前は「桃子さん」
推察するに、私より4歳ほど上の年齢と思います。
旦那さんを心筋梗塞で亡くし、息子一人と娘一人がいるが今は一人暮らし。
この桃子さんの頭の中には桃子さんの過去の出来事、旦那さん・息子・娘・孫のこと、
今の日常生活の意識(考え方)について語る多くの人が住んでいて、あれこれと賑やかに話します。
主人公の年齢が私と同世代であり、ところどころ「ウン そうやな」と共鳴する箇所も多くあり
あっという間に読んでしまいました。

芥川賞のイメージから難しい言葉や表現が・・・と思っていたが、リズム感ある文体で読みやすかった
です。

人間、誰も青春~玄冬を経験します。
それぞれの年代で考え方が違うかも知れませんが、その本質は一緒。

ラストで孫(さやかちゃん)と話すシーンがあります。
「おばあちゃん、窓開けるね」
「あ」
「おばあちゃん、来て来て早く」
「はあい」
「今、行くがらまったでけで」
「春の匂いだよ。早くってば」

久しぶりに読んだ本です。