江戸川教育文化センター

「教育」を中心に社会・政治・文化等の問題を研究実践するとともに、センター内外の人々と広く自由に交流するひろば

「副校長補佐」という仕事ー20(重苦しい空気②)

2021-02-27 | 随想
時間講師の任用を拒否されたので事務仕事に専念するだけで良いのだが、教室へ行けない子との付き合いが始まった。
それでも、その子と私だけの関係なら何ら問題はなくけっこう楽しく過ごしてきた。
担任との関わりも最低限に留めていたが、来年へのステップとして少しずつアクションを起こし始めると担任や他の職員とも接触する機会が増えてきた。

例えば、当初給食は私がクラスへ取りに行ったり栄養士さんが持って来てくれたりしていたが、「自分の食べる物だから自分で取りに行こう」と声をかけて少しずつ教室の空気も感じてもらおうと試みた。
そして先週は更に一歩進めて、他の子と同様に列に並んでもらうようにさせた。
ドキドキものだったが、私が付き添うことでこれもクリア出来た。
この際に、事前に担任へこの作戦(試み)を説明しておいたので案外にスムーズに出来たのである。

ところが、実は私が受け持っている子の他にも複数の教室へ行けない子や教室から飛び出す子、教室で暴れる子もいるのだ。
この子たちは3人の支援員さんたちが臨機応変に対応して落ち着かせたり教室へ戻したりしている。
私も事務仕事している時に校内電話でヘルプ要請を受ける事もある。
私の事務仕事でさえ子どもに学習指示を出して自習させている合間にやっているのに、緊急の措置として暴れる子を落ち着かせる役が回ってくるのだ。

校長も副校長も在校していれば当然ながら彼らと対応をせざるを得ない。
ところが、これを巡って管理職と担任や支援員との間に不協和音が生じているのだ。
担任は、
「校長室で遊ばせておけば落ち着くだろうが、それで帰されても教室では同じ事はできないよ。」
「管理職は勉強させなくても良い。楽しいだけで良いと言うけど、様子を見ながらも目標を持って学習させることも必要じゃないのか。」
「担任と相談することもなく別室へ連れて行って遊ばせたり他の人に面倒を見させるのはおかしい。」
と言う。
支援員からも、
「担任との連携を取ることもなく、ただ面倒をみるって難しいよ。遊ばせるだけで良いのなら学習支援じゃないよ。」
「管理職の方針がはっきりしていないので、ただ振り回されるだけだ。」
「私たちは介助員なのか⁉︎」
という声が。

中には私が対応している子に対しても、「◯◯先生とだけ楽しくやれても、しょうがない。管理職はいったいどんな方針でやろうとしているのか?」という様な言い方がされている。
直接私に文句を付けているのでがなく、「こんな状態は良くない」として管理職に文句を言いたいらしい。
しかし、実際に対応している私自身を抜きにしては語れない事案ではないだろうか…。
であるからこそ、私もついつい管理職には指示を受けてはいないが、一歩前へ進めようとしているのだ。
すると、これはこれで教員たちも認めざるを得ない様だが、今度は他の事案に批判が殺到する。
やはり、管理職の考え方や対応の仕方を認める事は出来ない雰囲気が濃厚である。

他の事案というのは最近一気に顕著になった「不適応児」への対応だ。
「一人で抱え込まない」という共通認識はしているようだが、抱え込む前にヘルプを出しているのが現実である。
ただ、その後の対応なり考え方が共通のものにはなっていないようだ。

管理職の立場からは、また異なる認識がされているようだが、ここでは省く。

私は、と言うと、「仕方ないから少しは手伝ってやるか…」「どうせやるなら楽しくするか…」「今後を考えちょっと動いてみるか…」と段々本気モードになってきた矢先に、にわかに職員の間にマグマが動く様な異変を感じている。
まさか、こんな事に巻き込まれるとは考えてもいなかったのだが…。


<すばる>

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