江戸川教育文化センター

「教育」を中心に社会・政治・文化等の問題を研究実践するとともに、センター内外の人々と広く自由に交流するひろば

東京都の差別を許さない!

2022-10-29 | 随想
またまた東京都の腐り切った人権意識が表面に出てきた。

東京都の「人権プラザ」(港区)で開催中の美術作家:飯山由貴さんの企画展で、東京都の人権部が飯山さん作成の映像作品の上映を禁じたのだ。
その映像が、関東大震災時の朝鮮人虐殺に触れているからだという。

飯山さんは11月末までの会期中に、映像の上映とトークイベントを計画していたが、
都人権部から人権プラザを運営する「都人権啓発センター」に上映とイベントを禁じる通知があったという。

映像の中に、「日本人が朝鮮人を殺したのは事実」とする外村大(在日朝鮮人の歴史を専門にする東大教授)さんが語る場面がある。
これに対して、都人権施策推進課職員がセンターにメールを通して「都ではこの歴史認識(外村教授が語った)について言及していない」と指摘し、
この動画を事実上の上映禁止としたのである。


石原都政による民主主義の弾圧も酷いものだったが、小池都知事の歴史認識もソフトさを装いながらも石原以上に歪んだものである。
例年行われる関東大震災時の朝鮮人犠牲者追悼式典に都知事として追悼文を送らなくなったというのに象徴されるように、
彼女は単に歪んだ認識というより朝鮮人に対する憎悪のようなものが潜んでいるのではと勘ぐりたくなる。

都の当該担当職員は、この小池都知事の一連の行為を忖度して人権啓発センターに通知したのであろう。
このような首長を上部に抱えた都の役人どもは、自ら歴史を学ぶ主体性を放棄して、表現の自由を抑え込もうと躍起になっているだけにすぎない。
全く情けない限りである。


こうした流れは亡き安倍晋三が首相になって以降は、全国的な忖度ブームとなってこの国を覆ってしまった。
かくしてこの国における民主主義は負の方向に向かって進んでいるのが現在の状況である。

今回の民主主義弾圧の場が東京都の「人権プラザ」であるというのも何かを物語っているようだ。
東京都の人権部とは所詮その程度のものなのだ。
いや、人権という名を使った人権抑圧機関になっていると言っても過言ではないだろう。

朝鮮学校に通う子どもたちに対しても、文科省にならって高校授業料無償化から外すという暴挙を平然とやってのける。
子どもたちの学ぶ権利を保障しないばかりか、日本社会に潜む差別意識を助長する役目を担っている。

こんな東京都を徹底して弾劾する。
東京に、そしてこの国に民主主義を創り上げるためにも首都東京の在り方を根底から問い直したい。




(10月29日付東京新聞より転載)



<東京に民主主義を>

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1 コメント

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「人権」の看板を掲げて人権侵害するの?! (東京都民)
2022-10-30 10:26:16
 関東大震災時に朝鮮人を虐殺したという事実は、疑う余地のない歴史的事実です。排外主義と差別によって朝鮮人が殺されたという事実は、二度と繰り返してはならない歴史の教訓として残さなければならないことです。
 それなのに、地震や火災などの災害による犠牲者と同じに扱って追悼文を送らないのは、関東大震災下の朝鮮人虐殺の事実を認めないというメッセージになっています。当然ながら、関東大震災下の朝鮮人虐殺を二度と繰り返さないという認識にも立たないということであり、そのような認識を公言しているのと同じことです。これまでの都知事が送ってきた追悼文をあえて送らないことを選択し続ける行為は、「朝鮮人虐殺なんてなかった」「そんなの昔のことは関係ない」と考える人たちを励ますメッセージでしかありません。差別を助長する行為です。
 「人権プラザ」にメールを送って圧力をかけることに関わった方々は、自らの責任できちんと都民に経緯を説明すべきです。
 東京都民として、このような歴史認識の方が知事であることについて、大変残念に思います。東京都総務局人事部の方々の歴史認識もどうなっているのでしょうか。いずれにしても、都知事の歴史認識や今回上映に圧力をかけて中止させた方々の歴史認識は、都民の歴史認識を代表するものではありません。
 今回上映が禁じられた「In-Mates」は、1930〜40年に都内の精神病院に入院していた朝鮮人2人の診療記録をもとに作られた映画で当時の彼らと今の在日朝鮮人が抱える葛藤や苦難を表現しているものだそうです。
 私はこの作品を見ていませんが、このような作品は、「人権」という名前のつく機関で上映されるにふさわしい作品だと思います。それを中止するように圧力をかけるとは、一体どういうことなのでしょうか。
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