軽費老人ホーム椎ノ木荘's blog

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孫正義の焦燥

2015-06-16 | 日記
孫正義の焦燥 俺はまだ100分の1も成し遂げていない
大西 孝弘
日経BP社

 

内容紹介

ソフトバンクの孫正義社長は現役最強の経営者だ。
しかし、このままでは歴史に名を残す経営者にはなれないのではないか。
本書では孫社長や関係者へのインタビューを基に、そんな問いを投げかける。

この3年ほどソフトバンクは、米国本格進出やアジア企業への投資、
ロボットやエネルギー事業への参入と業容が急拡大している。
孫社長は個別事業の説明はしてもメディアの個別取材を受ける機会が激減し、
経営の全体像が見えにくくなった。
その間に、ソフトバンクが大きな課題に直面している。
課題の1つは、2013年に買収した米携帯電話3位のスプリントの低迷だ。
市場からは「スプリントを売却するのではないか」との声が出始めている。
2つ目の課題は、急速に拡大した事業構造だ。ロボット事業やエネルギー事業、
海外ネット関連企業へ出資と拡大路線をひた走っている。
その半面で、国内事業が手薄になっている。
課題の3つ目は収益基盤である国内事業の成長鈍化だ。
世界ではM&A(買収・合併)など攻撃的な経営を貫いているものの、国内においては
現金を稼ぐための守りの姿勢が目立つ。挑戦者というイメージを持っていた顧客は、
変節と捉えかねない。保守的な戦略をとり続ければ消費者の味方ではなく、
既得権益者というイメージが付く。社員にも勝ち組としての意識が染み付き、
大企業病が蔓延し、中長期的にはソフトバンクの競争力を損ないかねない。

短期的に競争に勝つことだけを考えた経営者であればその戦略は正しい。
しかし、孫社長は「情報革命で人々を幸せに」という理念を掲げ、事業の求心力としている。
さらに300年間発展し続ける組織作りを目指している。
歴史に名を残す経営者になるために、これらの課題にどのように立ち向かっていくのか。
孫社長や関係者を徹底取材し、経営者「孫正義」の実像に迫った。

【主な内容】

【第1章】 「数十年間、無駄な時を過ごしてきた」 ―ロボット「ペッパー」誕生の舞台裏
【第2章】 「長く苦しい戦いになる」 ―アメリカの夢と挫折
【第3章】 「収穫期に入った」 ―盤石の国内事業に忍び寄る大企業病
【第4章】 「本業ではなく趣味」 ―情と理に揺れるエネルギー事業
【第5章】 「天才を使えるのは俺しかいない」 ―急成長を支えるストリートファイターたち
【第6章】 「日本の三大偉人は誰?」 ―「孫史観」による1000年のタイムマシン経営
【第7章】 「後継者はおぼろげに見えてきた」 ―ニケシュは孫正義2.0になれるのか
【巻末インタビュー】 ソフトバンク社外取締役 柳井 正 ファーストリテイリング 会長兼社長 「膨張より成長を目指せ」
 

著者について

「日経エコロジー」記者。1976年生まれ。上智大学法学部卒業後、2001年に日経BP社入社。
環境・エネルギー専門誌「日経エコロジー」、ビジネス情報誌「日経ビジネス」を経て、
2011年から日本経済新聞社に出向。2014年9月から現職