蔵書目録

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『三十三年之夢』 宮崎滔天 (1902.8)

2011年03月13日 | 孫文、稲天、東亜同文会、黒竜会他

 ○ 表紙には、「三十三年之夢」とある。内表紙には、「白浪庵滔天著 三十三年之夢 国光書房出版」とある。奥付には、「明治三十五年八月二十日発行 三十三年の夢 著者 宮崎寅蔵 発行者 遠藤栄治 発兌元 国光書房」などとある。22.2センチ、写真2頁、題辞1頁、孫逸仙の序2頁、無何有郷生の一文1頁、自序11頁、目次10頁、本文278頁などである。

 写真
 ・白浪庵滔天

  

 ・桃中軒連中及保寧山人

 題辞 清藤幸七郎
 序  
 ・孫逸仙 〔孫文〕
 ・三十三年夢 無何有郷生〔武田範之〕
 自序 滔天 宮崎寅蔵

 目次 

 ・半生夢覚めて落花を懐ふ
 ・故郷の山川
 ・余が家庭
 ・中学校及び大江義塾
 ・自棄の卵子の反動
 ・耶蘇教徒となる
 ・思想の変遷と初恋
 ・大方針定まる
 ・夢寝の郷国に入る
 ・無為の四年間
 ・暹羅遠征
 ・帰国中の三ヶ月
 ・第二の暹羅遠征
 ・嗚呼二兄は死せり
 ・新生面開け来る
 ・再び夢寝の郷国に入る
 ・興中会主領孫逸仙
 ・素人外交家
 ・康有為日本に入る
 ・南洋の風雲と吾党の活動
 ・形勢急転
 ・大挙南征
 ・新架坡の入獄
 ・大本営(佐渡丸船中)
 ・経綸画策悉く破る
 ・與孫○○書
 ・恵州事件
 ・唱はん哉落花の歌

 ○ 表紙には、「三十三年之夢」とあり、奥付に「大正十五年七月十日発行 三十三年の夢 著作者 宮崎寅蔵 校訂者 吉野作造 発行所 明治文化研究会 発売元 福永書店」などとある。19.2センチ。
 附録として、「解題 吉野作造稿、写真(著者一族)、著者小伝 宮崎龍介稿 索引 吉野作造編」が加えられている。
 
 下は、吉野作造の凡例の一部である。

 本書執筆以後の著者の行動を多少之を知つて置くの必要と考えたので、とくに令嗣龍介君を煩してその小伝を添へることにした。

 本書は菊版を四六版に改めた外、成るべく原形に據つた。

 文章には多少の改訂が施してある。一つには著者自ら生前に朱筆を加へたものがあつたので、其の改訂は全部採り、その外明白に誤植と思はれるもの二三も改めたからである。

 復刻本の一つの特色は、原本に変名になつて居つたものが多く本名に改められたことである。

 終りに著者自序中にある変名の本人をここに明にしておく。中六とあるは本文中の背山で、弄鬼斎は一木才太郎、一念兄は古島一雄である。又序文を書いた無何有郷生は武田範之だといふ。武田氏は桃中軒連中の写真の中にも入つて居る。

 ○ 満州文藝春秋社版の『三十三年の夢』である。カバー表紙には、赤い字で「宮崎滔天 三十三年の夢」とあり、また、絵がある。背表紙には、赤字で「三十三年の夢 宮崎滔天」とある。奥付には、「康徳十二年一月十日印刷 康徳十二年一月十五日発行(四000部)、著作権者 宮崎龍介、印刷所 満州誠文堂、配給元 満州書籍配給株式会社、発行所 満州文藝春秋社」などとある。342頁。
 装丁・奥付・紙の質が、昭和十八年発行の文藝春秋社版『三十三年の夢』と異なるが、ほかは内容・頁数など同じと思われる。
 満州文藝春秋社は、昭和十八年十月に満州の新京〔現在の長春〕で菊池寛を社長に設立された。
 
 

 ○ 『三十三年之夢』の漢訳本のひとつ。奥付には、「著者 宮崎寅蔵 校刊者 A K 出版者 中国研究社」とある。18.5センチ、序2頁、目録4頁、本文114頁。定価四角。
 「A K 」は、『清末小説研究 第6号』の楊友仁「金松岑先生行與著作簡譜」によれば、金一の英語名である。 

 ○ 表紙には、「宮崎寅蔵著 三十三年落花夢 P.Y. 上海 出版合作社印行 1933」とある。奥付には「中華民国二十二年〔一九三三年〕九月七版 著作者 宮崎寅蔵 校刊者 P.Y.(兪平伯?) 発行者 出版合作社」とある。18.8センチ、140頁。
 なお、出版合作社及びこの書の出版事情は、『中国アナキズム運動の回想』(嵯峨隆、坂井洋史、玉川信明 編訳 総和社 1992)中、鄭佩剛の「出版合作社ことなど」(「無政府主義在中国的若干史実」の第十章の抄訳)に詳しい。それによると、出版合作社は1925年春に鄭佩剛らが上海で創設したもの、また、金一訳の『三十三年落花夢』は当時入手困難となっていたので、孫文が逝去したのを機に新たに刊行したとある(初版は1925年)。

 ○ 表紙には、「宮崎滔天演 支那革命軍談 明治出版社刊行」とある。奥付には、「明治四十五年 〔一九一二年〕 一月二十五日発行 編輯者 高瀬魁介 発行所 明治出版社」などとある。22.1センチ、写真3葉(孫文、黄興、黎元洪)、目次6頁、本文と附録(革命事情)で174頁。

 

 表紙には、「狂人譚」とある。奥付には、「明治三十五年 九月二十五日発行 著者 宮崎寅臧 〔宮崎滔天〕 発行者 遠藤栄治 発兌元 国光書房」などとある。18.2センチ、書1頁、本文153頁、広告12頁。

 緒言

  吾性甚だ世の所謂狂人なるものを愛するの病あり、愛するものに近 ちかづ かんとするは、蓋し人間自然の情理である、吾れ其情理に駆られ知らずゝの間に親近したる狂人の数は、実に少なくない、而して其少なからぬ狂友中には、狂情狂態の類別も、亦種々様々であるが、就中 なかんづく 、尤 もつと も吾れの心に深印せられて居る特殊の狂友があるので、今其特殊の狂友丈 だ けを、読者に紹介せんがために、茲 ここ に狂人譚と云ふ標題を掲げた次第である。〔以下省略〕

 ナポ鉄

 釈迦安と道理満

  宗教の方面より進んで、一旗幟を狂人中に揚げたる釈迦安、道理主義に心酔して終に一種の異彩を狂人中に放ちたる道理満、此二人が、共に感想を披歴して、議論を上下したる親友の間柄とは、面白いではないか、〔以下省略〕



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