著者は「障害」をあるひとつの「文化」として考え直すことに期待している。
「それぞれがその生きる条件に応じて生きるかたち、つまり文化をもつ。その異なる文化をもつものどうしが一つの場で出会い、互いの差異を認めながら、それぞれの異文化を突き合わせる」(37頁)ことが出来れば、新しい「小さな文化」を生み出すことが出来るだろう。
しかし、この前提条件として、全ての異文化が平等であるということを欠くことはできない。そうでなければ、影響力の強いある文化が弱い文化を吸収・同化しまう。したがって、まずは「障害者」と「健常者」との平等化をすすめる必要がある。