台風20号直撃から丸一日経った日、週一回しか巡回しないゴミ拾いコースをいつものように巡りました。ムシムシして蒸し暑く、ゴミもいつもの2~3倍も散らかっていたので、さすがの私もヘトヘトで少し気が立っていました。
拾い集めた資源ゴミは、コース途中にあるコープに持ち込むことにしています。その日は珍しく、空のペットボトルやアルミ缶・スチール缶やらの資源ゴミが大きめのビニール袋2つに一杯となり、他に燃やせる通常ゴミのゴミ袋もパンパンとなりました。
それらのゴミ袋を持ってなんとかコープに辿り着き、資源ゴミの方だけも処分できてホッとしたときです。
「いつもいつも、ありがとうございます。こんな暑い日なのに、・・・なかなかできることではないですよ~!」
声のした方を見ると、2人の高齢の女性が店先の片隅にあるベンチに座っていました。声の主はその内の一人で、コープ近くの公園の東屋でもよく見かける人でした。
つば広帽子を被っているものの髪はボサボサ、肝臓でも悪いのか顔色は黒ずんで、身体つきも見るからにやせ細っています。話し方に少しくどいところがあって、バカ丁寧な言葉遣いながらどこか呂律の回ってないところも気になっていました。
「いゃー、やろうとさえ思えば誰にでも出来ることなんですがねぇ。(誰も)やろうと思わないだけですよ。」
「私なんか、アル中だからもう無理、無理! それにしても立派ですねぇ、ホントご立派。」
「いゃー、実は私も、こう見えてアル中なんですよ。4年前、どうにか酒を断てたから今こうしてできているんです。」
「アル中? とてもそんなふうには見えないわぁ。私なんか80過ぎたから、・・・もうすぐ死ぬんだし、・・・何時死んでもいいから、・・・毎晩5合は飲んでいますよ。」
「今のまま飲み続けていたら、最後は、それは悲惨な目にあいますよ。私も最後の頃は、ウ○コまみれのボロ雑巾のようになって、危うく死ぬ寸前でした。」
「私、80過ぎたから、・・・もうすぐ死ぬんだし、・・・何時死んでもいいから・・・・。」
彼女はこう繰り返すばかりでした。これ以上どんなに脅かしてみても埒が開かない、そう思ってその場を去りました。
かなりの量の酒を毎日飲んでいても、彼女は家に引き籠もってなどいずに気楽に外を出歩いて楽しんでいます。あんないい歳をした人に、今更断酒を勧めて何になるんでしょうか? 酒が脳から抜け切るまでに何年もかかるでしょうし、そう思うと今のままそっとしておいた方がよいのでは(?)と、つい考えてしまいました。
そう言えば、初めて専門クリニックを受診した62歳8ヵ月のとき、院長から言われた言葉を思い出しました。
「今の年齢が、断酒して回復できる最後のチャンスです。もう少し遅かったら手遅れでしたよ!」
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つば広帽子を被っているものの髪はボサボサ、肝臓でも悪いのか顔色は黒ずんで、身体つきも見るからにやせ細っています。話し方に少しくどいところがあって、バカ丁寧な言葉遣いながらどこか呂律の回ってないところも気になっていました。
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「私なんか、アル中だからもう無理、無理! それにしても立派ですねぇ、ホントご立派。」
「いゃー、実は私も、こう見えてアル中なんですよ。4年前、どうにか酒を断てたから今こうしてできているんです。」
「アル中? とてもそんなふうには見えないわぁ。私なんか80過ぎたから、・・・もうすぐ死ぬんだし、・・・何時死んでもいいから、・・・毎晩5合は飲んでいますよ。」
「今のまま飲み続けていたら、最後は、それは悲惨な目にあいますよ。私も最後の頃は、ウ○コまみれのボロ雑巾のようになって、危うく死ぬ寸前でした。」
「私、80過ぎたから、・・・もうすぐ死ぬんだし、・・・何時死んでもいいから・・・・。」
彼女はこう繰り返すばかりでした。これ以上どんなに脅かしてみても埒が開かない、そう思ってその場を去りました。
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そう言えば、初めて専門クリニックを受診した62歳8ヵ月のとき、院長から言われた言葉を思い出しました。
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