先輩たちのたたかい

東部労組大久保製壜支部出身
https://www.youtube.com/watch?v=0us2dlzJ5jw

渋沢栄一ろくなもんじゃありません! 夜勤を無くしたい!

2023年05月29日 06時41分27秒 | 大久保製壜闘争

上写真・東京メーデーに参加する少年労働者
下写真・大阪メーデーで横断幕を持つ大阪地方評議会婦人部の少女組合員

顔つきは鈍くなり、彼らの人間性はまったく
石のような無感覚状態に硬化して、
みるも無残なありさまである。
・・・この制度は、無制限な奴隷状態の制度、
社会的にも肉体的にも道徳的にも知的にも
どの点でも奴隷状態の制度である


19世紀と変わらない
資本家の無慈悲な搾取性・残虐性・残酷性・暴力性の本質

 大久保製壜所は24時間操業、交替勤務、深夜労働です。この過酷な労働を1970年代には多くの身体障害者や知的障害者が働いていました。そのうえ数十名いた知的障害者は、労働現場で職制などから「こども」と呼ばれていました。名前を呼ぶ前に「おい、そこのこどもちょっとこい」などと呼ぶのでした。勿論、知的障害であることへの蔑視・差別による「こども」呼ばわりです。

(児童労働)
 また戦前のガラス製造現場や紡績工場や印刷工場などで多くの児童が働いていました。この児童労働者たちを「こども」と呼んでいる現場が多かったようです。大久保製壜で僕らが耳にした「こども」呼ばわりも戦前の児童労働現場の慣習が残っていたのかもしれません。

 日本に限らず、全世界で当たり前のように児童労働が横行していました。1939年製作のアメリカ映画「スミス都に行く」にも当時のアメリカ労働現場での児童労働の様子が出てきます。新聞印刷工場の現場には多くの少年たちが働いています。勿論新聞配達もそうです。また映画では当時のアメリカ国会議場内の「連絡・呼び込み・書類や荷物運び・掃除・雑役」等の労働の多くは児童たちが担っている場面もたくさん出てきます。

(24時間操業・交替制・深夜労働)
 マルクスは当時のイギリス社会の深夜労働、24時間操業、交替制について、
「だから、一日まる24時間の労働をわがものにするということこそ、資本主義生産の内在的衝動なのである。しかし、同じ労働力が昼も夜も続けて搾取されるというようなことは、肉体的に不可能なので、・・・・・昼間食い尽くされる労働力と夜間食い尽くされる労働力との交替が必要になるのである。」と指摘します。(資本論第四節 昼間労働と夜間労働 交替制)

児童労働と深夜労働についても書いています。
「1836年デュズベリー(ヨークシャ)の治安判事の手元に届いた告発によれば、・・・・これら工場主の一部は、12歳から15歳までの5人の少年を金曜の午前6時から翌土曜の午後4時まで、食事と深夜1時間の睡眠のため以外にどんな休憩も与えないでこき使った、というかどで告訴されていた。被告人諸氏は宣誓に代えて断言したー自分たちは広大な慈悲心で哀れな子どもたちに4時間の睡眠を許していたのだが、こどもたちは強情でどうしても寝ようとしなかったのだ!と」(資本論第8章「労働日」)

 「1860年のノッテンガム市・・・・朝2時、3時ごろに9歳から10歳の子どもたちが彼らの汚いベットから引き離されて、・・・・・夜10時、11時、12時まで労働を強制され、その間に彼らの手足はやせ衰え、身体はしなび、顔つきは鈍くなり、彼らの人間性はまったく石のような無感覚状態に硬化して、みるも無残なありさまである。・・・この制度は、無制限な奴隷状態の制度、社会的にも肉体的にも道徳的にも知的にもどの点でも奴隷状態の制度である。」(同上)

顔つきは鈍くなり、彼らの人間性はまったく石のような無感覚状態に硬化して、みるも無残なありさまである。・・・この制度は、無制限な奴隷状態の制度、社会的にも肉体的にも道徳的にも知的にもどの点でも奴隷状態の制度である
 
 今の日本では多くの大人がこの状態ではないでしょうか。 派遣社員、非正規社員、契約社員、正社員のワーキングプアー化、外国人労働者、深夜労働、12時間シフト交替勤務、過労死、長時間運転の長距離ドライバー、非正規公務員・・・。資本家の無慈悲な搾取性・残虐性・残酷性・暴力性のあふれる19世紀と変わらない今の資本主義社会の労働現場です。

渋沢栄一の工場法反対論(濱口 桂一郎)
《・・彼(渋沢栄一)は明治29年(1896年)の第1回農商工高等会議の席で、「職工ノ取締及保護ニ関スル件」の諮問に対し、次のような反対意見を述べています。
・・・夜業ハイカヌト云フコトハ、如何様人間トシテ鼠トハ性質ガ違ヒマスカラ、昼ハ働ライテ夜ハ寝ルノガ当リ前デアル、学問上カラ云フトサウデゴザイマセウガ、併シナガラ一方カラ云フト、成ルベク間断ナク機械ヲ使ツテ行ク方ガ得デアル、之ヲ間断ナク使フニハ夜業ト云フ事ガ経済的ニ適ツテヰル・・・唯一偏ノ道理ニ拠ツテ欧州ノ丸写シノヤウナモノヲ設ケラルルト云フコトハ絶対ニ反対ヲ申シ上ゲタイ
 いやあ、実に爽快なまでの経済合理性優先の労働者保護反対論をぶち上げています。人間は鼠じゃないといいながら、鼠みたいに使いたいという本音が優先しています。》(濱口 桂一郎さんのブログから)

渋沢栄一ろくなもんじゃありません!


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