回転性のめまい（乗り物酔い）に効く漢方

今日の勉強会の収穫はこれ↓


苓桂朮甘湯（リョウケイジュツカントウ）
体の上部の水分代謝をよくする処方です
こちらは医療用ツムラ39番

この処方の効き目で有名なのは「回転性のめまい」
回転性のめまいは水分代謝が悪いことによって起きます
お酒を飲みすぎた人なら経験したことがあると思いますが
とんでもなく飲み過ぎた時、目をつむると
頭がぐるぐる回って気持ちが悪くなりますよね？
これが回転性のめまいで、頭の部分に余分な水分があるために起こります

更年期の女性に起こるめまいも同じで
この処方を飲むと早ければ数時間で、
遅くても2-3日で改善してきます
メニエール病にも効果があるようです

まあ、お酒の飲み過ぎの場合は体全体に余分な水分があるので
全体の水分代謝を良くする五苓散（ゴレイサン）や胃苓湯(イレイトウ）の方が
おススメですが、これはまた次の機会に…

さて乗り物酔いですが、
これもみぞおちから上の部分や頭に余分な水分があるため
乗り物の揺れで誘発され、起こるそうです

原因は消化機能の働きが悪いため、要らない水分が代謝されないわけで
根本的に治すには消化機能を立て直す処方を合わせて飲んだ方がいいのですが
急性の症状の場合は苓桂朮甘湯がおススメです
子供が乗り物に酔い易いのは消化機能が未熟で
水分代謝がうまく行かないためだそうです

乗り物酔いに使われるセンパアやトラベルミンなどの鎮暈（ちんうん）薬は
抗ヒスタミン剤が使われているため非常に眠くなりますが
苓桂朮甘湯の場合はそのような作用はありません
眠くなるのが嫌な人や、鎮暈薬が効かない位酔う子供さんは
苓桂朮甘湯を試してみるといいですね

ただし、効果を充分出すためには2-3日前から飲んだ方がいいようです
症状に合っていると甘く感じますから
試しに飲んでみるといいと思います
市販薬でもありますので、注文してお試しください

こちらはクラシエの市販薬


ただしクラシエ（旧カネボウ）とツムラでは微妙に処方が違い
クラシエは白朮（びゃくじゅつ）、
ツムラは蒼朮（そうじゅつ）を使っています
その生薬の違いのせいかはわかりませんが
私の経験ではツムラの方が効きがいいように思います
蒼朮は発汗作用があるので効果が早いのかもしれませんね

苓桂朮甘湯を服用することで
余分な水分がお小水で体外に排出されます
そのため、お小水の量が増えたら効いてると思ってください

もちろん、量が増えるといっても頻尿になるわけではありません
いつも通りトイレに行ってみると、思った以上にお小水が出てビックリ
という感じです

また水分代謝を悪くしないよう、食生活にも気をつけましょう
消化機能を低下させる冷たい飲食、白いお砂糖などは控えましょう

私も子供の頃は車に酔い易く、今は良くなりましたが、船にはまだ弱いです
今度試してみようと思います