兵庫県知事とか鹿児島県警本部長とか、キャリア官僚出身者と部下との意思疎通で問題が生じる事案が発生している。これに関する内部告発があっても、逆に通報者に懲戒処分が科されたり、検挙されたりするケースがあるようだ。公益通報制度の所管官庁が弱小官庁の消費者庁であるということもあり、また、公益通報者に不利な取り扱いをしても罰則が無いなどで、結局、公益通報制度そのものの意義が問われている。しかし、視察先の業者に県としてPRするという名目で商品などの贈与を暗黙の裡に強要するようなことや、本部長が県警内部の不祥事の捜査を遅らせたりする行為が本当のことだとすると、部下の信頼を失うだけではなく、県民からも県庁や警察本部に対する信頼が損なわれてしまうだろう。まさに我が国の民主主義や法秩序を、トップの行為が原因で棄損させてしまっていると言っても言い過ぎではなかろう。自民党の裏金問題の処理と同様のような匂いがしてならない。
傲慢さということでは、オリンピックに出場予定であった19歳の女子体操選手が自らの喫煙・飲酒行為で出場辞退ということになったとのこと。『喫煙・飲酒ぐらいどうっていうことは無いし、18歳過ぎは民法では成人扱いされるようになったではないか。』という声もあるらしい。しかし、内規では、成人でも選手の喫煙などは禁止されているとのこと。また、法律上でも、20歳未満の未成年者の喫煙・飲酒は依然として禁止されている。一部の意見にあるように、オリンピック選手というスポーツエリートならば多少のルール違反も見逃してもらえるのだとすれば、何のための法律、何のためのルールなんだろうか。まして、オリンピックというスポーツの祭典では、競技上での選手のルール順守が何よりも求められているのではないのか。この女子選手自身も、「ストレス緩和の為には、多少の飲酒・喫煙くらいは許されても良い」という意識がどこかにあったのではなかろうか。まさに、範となるべきスポーツ選手にふさわしくない意識ではなかろうか。勿論、このこと自体で、選手としての未来まで失わせることは正しくないと思うし、本人が十分に反省し、意識を改めるのであれば、今回のオリンピックは仕方がないとしても、将来的に、他の大会等への出場の機会までも奪う必要は無いと思う。