緊急事態宣言の後も感染拡大の傾向は一向に止まらないように見える。確かに、一部の人が言うように新型コロナウイルスも大雑把に捉えると風邪の一種であるが、かといって、100年前のスペイン風邪では、第一次世界大戦そのものによる死者よりも遙かに沢山の死者を出したことも歴史的な事実であるとされている。このcovit19の感染拡大でも、スペイン風邪と同等、もしくは、それ以上の死者が予想される。残念ながら、わが日本でも、マスクを厭わない風習があるとしても、一部の学者の言うようなファクターXがある訳ではなく、感染が拡大してくると、最悪、100年前のスペイン風邪程度の感染者と死者程度の被害者が出る恐れがある。
「被害者」とあえて言うのは、武漢で流行が始まってから既に一年以上が経過するのであり、この病気の特徴と、感染経路等が判っているのであるから、後は、政治家や行政が、如何にして感染経路を遮断したり、最悪の事態に備えて医療体制を整備しておくかにかかっているのではなかろうか。ところが、一部の利益集団の調整機関に過ぎない我が国の政治家と行政システムにあっては、審議会や諮問委員会等の名前で専門家を巧妙に利用し、自分達に都合の良い事しか聞かず、結果として危機管理が十分になされず、国民への呼びかけも、一部では、不必要な移動や外出をするなと言い、その一方では、経済を回すためとの理屈で、感染も終息していないのに、gotoトラブルを推奨した。今回の緊急事態宣言でも、既に、全国的に感染の波がピークに向かって上昇しつつあるのに、首都圏のみの対象に拘ったり、夜間の飲食店に対する時短要請に留まっている。行動力の盛んな若者に対する注意喚起も十分ではない。
しかし、ここにきて、ようやく、「若者が感染して症状が出ても、医療機関に入院出来ない可能性がある。」と一部で言うようになった。事実、感染の広がっている都市部では、医療崩壊状態にあり、感染者が保健所に相談しても、後回しにされていたり、交通事故や他の病気での治療にも影響が出つつある。
ここに至っても、成人式がこの事態よりも大切なのか、晴れ着を着ることに拘ったり、昼間なら会食しても良いだろうと勝手に判断して感染を広げる者もいる。一か月で感染を収束させたいとスカ首相が言っているのであるから、若者は、家と学校と職場から、収束までは不必要な外出をすべきではない。高齢者も、未だにカラオケ等に行く者もいるが、死ぬために行くのかとよく考えた方が良い。インドネシア人の高齢の婦人が年末にセレブを集めたパーティーを開催したそうであるが、恐らく、外国生活が長かったので常識を失っているのだろう。もっての他である。