こっこのライブ映像を、一緒に見ていた人がいた。
ホテルの部屋で見ていたんだけど、その人は思いのほか感動したようだ。
翌日、一緒に行ったカラオケ。
あたしは、昨日の余韻でバリバリこっこオンリーで歌いたかったが その人のことを考えて遠慮していた。
すると…
カラオケを通常時間で終えようとしたあたしに、その人は言った。
「延長しよ?」
…いいけど、何?歌い足りない?
「ううん。ちひろのこっこが、もっと聴きたい。歌って。」
あたしは、なんともいえない気持ちになって、不思議な笑顔をしながらいいよと言った。
カラオケがうまいとか今まで言われたことはあったけど、そんな風に求められたのは初めてだった。
ましてや、こっこをあまり知らないこの人に。
リクエストされるままに、いろいろ歌った。
コトバの一つ一つが、カラダにしみ込んでくるみたいな気持ち良さがあった。
「まじこっこ気に入ったから、ベスト買って帰るわー。」
あたしの気持ちも、見抜いていたんだろうか。
さすが、長年のつきあい。
いや、こっこの放つパワーで、きっと。
気持ちがたかぶったんだな。
ああ。
何かを好きになるとき、そのきっかけになれたとき。
こころは、ぽかぽかと満たされた。
えへへ。
なんか嬉しいな、こういうの。