ORIZZONTE

君が僕を信じてる。

2004年10月06日 | みすまる。(趣味ネタ)
「誰も知らない」を見て、思ったこと。

人間が持つ様々な感情が、あちこちに散りばめられていた。

歪んだ世界に閉じこめられた、父親の違う子供たち。
泣きもしないで、帰ってこない母親を待つ。

子供たちにとっては、部屋と家族だけがすべてで。
何かおかしいと思っても、何の力もない。

どこへも行けない。

声も、届かない。

絆なんて、ひどく脆くて。
形もなくて。
気を抜いたら、簡単に途絶えてしまう。

でも、どこかで期待してる。
どうか、そばにいて欲しい。

柳楽くんの、優しいお兄ちゃんっぷりが印象的だった。

強い絆も、確かにあるのに。
どうしてこんなに、寂しいんだろう。

リアルな無常。
それでも、ここに居る。

確かに、ここに在る、感情と体。


上映直後、あんなに静まりかえっていたのは初めて。

席を立つ人も少なくて、物音はほとんどなかった。
すすり泣きや、雑談はなく、

その世界から現実に戻るのに、ずいぶんと時間を要した。

なんともいえない、気持ちになった。