びっくりした。
部屋の隅にある「緊急告知ラジオ」がイキなりモノを言った。
このラジオが音を出せば、逃げろと妹には言って聞かせてあった。
が、今迄このラジオが音を出すところは聴いたこともなく、壊れているのではと思っていたが。
そう、阪神大震災から26年か。
26年.20歳だった姪が46歳。数日後に生まれた知人の子が26歳の誕生日。元気に逃げ回った私が、80を過ぎている。
またああいうのが来たら、私はもう、逃げ切れないだろう。
それでも妹が居たので、妹を守るために緊急告知ラジオを設備していた。
説明では毎月テスト放送をしているらしいが、一度も聞いたことはなかった。
妹のために避難食をそろえ、ヘルメットや電池も点検をおこたらず、緊張は続けていた。
その一端の緊急告知ラジオである。
このたび、妹をわけもなく突然なくしてみて、非日常がすぐ隣にあることは身にしみていたが。
そうか、大震災はおわりではなかったね。
ときどき緊急告知ラジオにビックルさせられた方がいいかもしれない。